大学中退者も公務員になれる?年齢制限や目指せる職種・面接対策を解説

大学中退者も公務員になれる?年齢制限や目指せる職種・面接対策を解説

大学中退しても、公務員試験に合格すれば公務員になることができます。公務員試験は学歴による受験制限がなく、学歴フィルターもないといわれています。ただし、公務員試験の受験資格に年齢制限があり、職種によっては試験合格の難易度が高い場合もあります。

この記事では、大学中退後に公務員になれるのか、公務員になるメリット・デメリット、大学中退者が目指せる公務員の職種について解説します。

大学中退後に公務員を目指そうか検討している方はぜひ参考にしてみてください。

大学中退者でも公務員は目指せる

ほとんどの公務員試験は「学歴」による受験制限を設けていないため、大学中退者でも公務員を目指せます。ただし自治体によって「年齢制限」や「試験区分」が異なるため、自分がどの区分に該当するかは事前に確認しておきましょう。

実際、国家公務員・地方公務員ともに高卒の職員は多いため、公務員就職を諦める必要はありません。

公務員試験は「成績主義(※)」に基づいて実施されるため、民間企業の採用選考に比べ、中退という過去の経歴が不利になりにくいという特徴もあります。

以上の理由から、大学を中退しても、公務員として働くことは十分に可能といえるのです。

※成績主義(能力実証主義):学歴や過去の経歴ではなく、試験の成績などに基づいて合否を判定すること

国家公務員になるのは約28%|国家公務員の学歴別職員数

大卒で国家公務員になっているのは約14万人、高卒が約7万人です。つまり、大学を中退してから国家公務員になれる割合は、全体の約28%とわかりました。

以下の表は、令和5年の国家公務員の学歴別職員数を具体的に示しています。

学歴職員数(国家公務員)
大学卒14万4,531人
短大卒3万6,649人
高卒7万1,427人
中卒183人

参考:人事院「令和5年国家公務員給与等実態調査報告書

高卒の国家公務員の割合は大卒より少ないですが、職種によっては大きな差がないものもあります。例えば、国家公務員の中でも税務職では大卒が25,550人、高卒が22,716人と、ほぼ同じ規模の採用数です。

大学を中退して国家公務員を目指す場合、試験合格だけでなく将来のキャリアも考えることが大切です。

職種によって高卒者が多い分野もあれば、大卒が有利な職種もあります。
学歴や採用状況を踏まえ、自分に合った職種を慎重に選びましょう。

地方公務員になるのは約17%|地方公務員の学歴別職員数

地方公務員は大卒が約140万人、高卒が約32万人でした。つまり、大学を中退してから地方公務員になれる割合は全体の約17%で、国家公務員の数よりも少ないとわかりました。

以下の表は、地方公務員の学歴別職員数をまとめたものです。

学歴職員数(地方公務員)
大学卒140万6,911人
短大卒11万2,748人
高卒32万2,788人
中学卒1万4,798人

参考:総務省「令和5年 地方公務員給与の実態 概要

地方公務員の職員数は大卒者が圧倒的に多く、140万6,911人と全体の大部分を占めています。次いで高卒者が32万2,788人と一定数は採用されていますが、大卒者の半数以下の人数です。

差が大きく開いている理由は、高卒者が教員採用試験を受けられないことが関係しています。実際に大卒者の小・中学校教育職は53万6,029人ですが、高卒者は160人しかいません。

なお、技能労務職(清掃作業員や給食調理員など)では、高卒と中卒がその大半を占めています。そのため、大学を中退して学歴が高卒となった場合でも、技能労務職であれば比較的採用のチャンスがあるでしょう。

公務員の職種や種類|仕事内容や難易度ランキングTOP10も紹介

公務員試験の受験条件

公務員試験の受験条件には、「受験区分」と「年齢制限」という2つのポイントがあります。

自治体や省庁によって条件は異なるため、自分がどの枠で受けられるかについて、事前に受験要項(募集要項)をしっかり確認しておきましょう。

受験区分とは、試験の難易度(求められる知識レベル)の目安や、ターゲットとなる人材の層(新卒・社会人など)のことです。大きく「大卒程度」「高卒程度」「社会人枠」の3つに分けられます。

年齢制限とは、その試験を受験できる年齢の範囲のことです。たとえば国家公務員(一般職)の高卒程度試験を受験する場合、基本的には21歳前後までが受験対象となります。

以下の「受験区分早見表」はあくまで一例ですが、どの区分での受験を目指すか検討する際の参考にしてみてください。

※受験年度や自治体によって受験条件は異なるため、受験を希望する自治体・省庁の「最新の募集要項」を必ず確認してください

▼公務員試験「受験区分早見表(2026年度版)」

区分呼称・試験名主な年齢制限※主な就職先・仕事
国家公務員

総合職大卒程度・教養20~29歳各省庁の本省(幹部候補)
專門・院卒21~29歳
一般職大卒程度21~29歳各地の出先機関(事務・専門官)
高卒程度18〜21歳前後税務署、税関、出先機関の定型事務
地方公務員上級(大卒程度・I類)21〜30代前半都道府県庁、政令指定都市、市役所
初級(高卒程度・III類)18〜21歳前後都道府県庁、市役所、町村役場
社会人枠経験者・就職氷河期枠20代後半〜59歳国家・地方の各機関

※年齢制限:「試験を受ける日」時点の年齢ではなく、「採用予定日(通常は翌年4月1日)」時点での年齢を指すことが一般的

1. 受験区分

公務員試験には、大きく分けて「大卒程度」「高卒程度」「社会人枠(経験者採用)」という3つの受験区分があります。

「大卒・高卒」という名称は最終学歴ではなく、試験難易度の目安です。たとえば大卒程度試験は「大学卒業程度の学力を要する試験」という意味です。

そのため大学を中退し、最終学歴が高卒となった場合でも、年齢制限などの受験資格を満たせば大卒程度試験を受けられます。

社会人枠とは「民間企業などでの職務経験を持つ人」を対象とした試験区分のことで、「社会人経験5年以上」といった条件が設けられているケースが一般的です。

大卒程度

「大卒程度」という試験区分は、主に大学卒業程度の学力を想定した試験です。「上級」や「I類」と呼ばれることもあります。

あくまでも「大学卒業程度の難易度を想定している」という基準のため、大学を中退し、最終学歴が高卒となった方でも年齢制限などの条件を満たせば受験できます。

とはいえ、法律・経済といった高度な専門知識を問う「専門試験」が課されるケースが多いため、半年〜1年程度の長期間の対策は不可欠です。

一方、高卒区分に比べて初任給が高く、その後の昇進や給与の上がり幅も大きい傾向がある点は、大卒区分を受験するメリットといえるでしょう。

高卒程度

「高卒程度」という試験区分は、主に高校卒業程度の学力を想定した試験です。「初級」や「Ⅲ類」と呼ばれることもあります。

大学を中退した場合、試験負担が少ない高卒区分の受験が有力な選択肢です(※1)。大卒程度試験に比べて難易度が低く、基礎能力試験(※2)が中心のため、比較的短期間で合格を目指しやすいでしょう。

ただし、高卒程度試験は「21歳前後までしか受験できない」など、受験時の年齢上限が低く設定されているケースが多い点には注意が必要です。

初任給は大卒区分より低い点はデメリットですが、早めに社会人のキャリアをスタートできる点はメリットといえます。

※1 年齢制限などの条件を満たせば、学歴に関わらず「大卒程度試験」の受験も可能

※2 基礎能力試験:国語や数学といった基礎的な学力や、論理的思考力を問う「数的処理」などで構成される試験

社会人枠

「社会人枠(経験者採用)」とは、民間企業などで一定期間働いた経験を持つ人を対象とした採用枠です。

「社会人経験5年以上」や「直近10年間のうち通算4〜5年以上の職歴」といった条件が設けられているケースが多いため、大学を中退後、民間企業での就業年数が長い方は社会人枠での受験を検討しましょう。

社会人枠の特徴は、大卒・高卒程度試験に比べて筆記試験の負担が軽いことです。多くの自治体で専門試験が免除され、基礎能力試験のみで受験可能です。

一方、仕事経験を公務にどう活かすかを問う「経験者論文」や「面接」の結果が合否を分ける傾向が見られます。

2. 年齢制限

公務員試験の年齢制限は、試験区分や自治体によって大きく異なります。

あくまで一例ですが、一般的な条件年齢の目安は以下の通りです。

区分年齢の条件(例)※1
大卒程度(上級など)21〜30歳まで
高卒程度(初級など)18〜21歳前後まで
社会人枠(経験者採用)20代後半〜59歳まで(※2)

※1「試験を受ける日」時点の年齢ではなく、「採用予定日(通常は翌年4月1日)」時点での年齢を指すことが一般的

※2「社会人経験5年以上」などの条件が別途必要


また、国家公務員試験・地方公務員試験にも年齢制限に違いが見られます。

国家公務員: 多くの試験種で「30歳」を一つの区切りとしている

地方公務員: 自治体によって上限年齢にバラつきがある(35歳や40歳前後までの受験を認める自治体も増えている)

国家公務員を受験する場合

国家公務員試験は、大きく分けて総合職と一般職の2種類です。
一般職は「教養以外の区分」と「教養区分」に分かれ、受験資格は、年齢や学歴によって異なります。

総合職は以下の受験資格が必要で、大学中退者でも21〜30歳なら受験可能です。

対象者(2025年度採用)受験資格
1995年4月2日~2004年4月1日生まれ21歳~30歳
2004年4月2日以降生まれ・大学(短大を除く)を卒業、または2026年3月卒業見込みの者
・人事院が大学卒業と同等の資格があると認めた者

参考:人事院「国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)

対して、一般職の受験資格は以下のとおりで、20歳~30歳なら学歴不問で受験できます。

受験資格試験内容受験資格(2025年2月時点)
教養以外の区分専門試験あり・21歳~30歳
・20歳以下:大学・短大
・高専卒業または卒業見込みが必要
教養区分教養試験のみ・20歳~30歳
・19歳以下:大学・短大
・高専卒業または卒業見込みが必要

参考:人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)

一般職は、専門試験がない「教養区分」なら、比較的受験しやすいでしょう。

また、一般職の社会人試験なら年齢の幅が広いため、選択肢として考えるのもおすすめです。(参考:人事院「国家公務員採用一般職試験(社会人試験(係員級))

地方公務員を受験する場合

地方公務員を受験する場合の年齢制限は、自治体や種別によって異なります。

以下の表は、東京都と大阪府の応募条件の一例です。

◆東京都(2025年2月時点)

試験名年齢要件必要な資格・免許
1類A採用試験24歳~31歳特になし
1類B採用試験(新方式)22歳~29歳特になし
キャリア活用採用選考60歳まで学歴区分に応じた職務経験

参考:東京都職員採用「試験・選考情報

東京都の公務員採用条件には試験区分ごとの年齢制限が明確に設定されており、大学中退者でも挑戦できる試験が多いです。

◆大阪府(2025年2月時点)

試験名年齢要件必要な資格・免許
行政(大学卒程度)22歳~25歳特になし
行政(高校卒程度)18歳~21歳特になし
行政(社会人等)26歳~49歳特になし

参考:大阪府「採用試験

大阪府の公務員試験では学歴要件がない試験区分が多いため、大学中退者でも受験可能です。

また、公務員試験の年齢制限は近年引き上げられている傾向があり、社会人経験者や多様な経歴を持つ人にも受験の機会が広がっています。

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
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大学中退者におすすめの試験区分

現時点の年齢が18〜21歳の方は、「国家公務員 一般職(高卒程度試験)」または「地方公務員(初級試験)」がおすすめです。

22〜29歳の方は「国家公務員 一般職(大卒程度試験)」または「地方公務員(上級試験)」がおすすめです。

大学中退者におすすめの試験区分は、現在の年齢によって大きく異なります。次に紹介する内容や、自治体・省庁ごとの受験要項を確認し、自身の状況に合った試験区分を選びましょう。

18~21歳:「国家一般(高卒程度)」または「地方(初級)」

現時点の年齢が18〜21歳の方は、「国家一般職(高卒程度)」または「地方公務員(初級)」の受験がおすすめです。なぜなら、高卒程度試験の年齢制限(一般に21歳前後まで)に間に合う可能性があるからです。

高卒程度試験の内容は、高校までの学習範囲が中心の「基礎能力試験」がメインです。

大学を卒業せずに中退した場合でも、高校までの学習の下地があれば短期間で感覚を取り戻しやすく、法律や経済の専門知識を詰め込む必要もほぼないため、筆記試験のハードルを低く抑えられます。

公務員として早く働き始めたい大学中退者の方は、「国家一般職(高卒程度)」または「地方公務員(初級)」での合格を目指すことが“最短ルート”といえるでしょう。

22〜29歳:「国家一般(大卒程度)」または「地方(上級)」

22〜29歳の方は、「国家一般職(大卒程度)」または「地方公務員(上級)」の受験がおすすめです。高卒程度試験の年齢制限(多くは21歳まで)を超えていても受験でき、年収や昇進といった面でもメリットが大きいからです。

多くの公務員試験において、「大卒程度・上級」という区分は試験の難易度を指しています。そのため大学を中退して高卒になっても、おおよそ30歳前後までの年齢要件さえ満たせばこれらの試験に挑戦できます。

また、大卒程度・上級での採用は初任給が高卒区分より高く設定されており、昇進などのスピードが速い点も魅力です。

給与面やキャリアにおいて有利な道に進みたい方は、「国家一般職(大卒程度)」または「地方公務員(上級)」を第一志望に据えると良いでしょう。

大学中退者が目指せる国家公務員の職種5選

大学中退者が目指せる国家公務員の職種5選を説明する画像

安定した職や社会貢献を目指す人にとって、学歴不問で挑戦できる国家公務員は魅力的な選択肢です。

ここでは、大学中退者が目指せる国家公務員の職種について、厳選して5つ紹介します。ぜひ、自分に合った職種を見つけてください。

官公庁の事務[大学中退者が目指せる国家公務員の職種 1/5]

官公庁の事務とは、国の行政機関で働く事務職のことです。
一般的に、書類作成、窓口対応、庶務業務などが中心となりますが、配属先や担当業務によって内容は多岐にわたります。

一般職試験(高卒者試験・大卒程度試験)であれば、大卒中退者でも受験可能です。
総合職試験と比べると難易度は低めであるため、対策をしっかり行えば合格の可能性を高められるでしょう。

大学中退者の中には「一つの業務だけをずっと続けるのは向いていない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、官公庁の事務職は数年ごとに異動があるのが一般的で、幅広い経験を積みながら成長できる環境があります。

平均年収478.3万円
必要なスキル・PCスキル
・コミュニケーション能力
・正確性と注意力
向いている人・人のサポートをするのが好きな人
・地道な作業が苦にならない人
・臨機応変な対応力がある人
仕事に就くためには?・国家公務員採用試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用

刑務官[大学中退者が目指せる国家公務員の職種 2/5]

刑務官は、刑務所や拘置所で受刑者の生活を管理し、社会復帰を支援する仕事です。

受刑者の監視や指導、安全管理を行いながら、規律を守らせる役割を担います。具体的には、施設内の巡回、食事や運動の管理、作業の監督、受刑者との面談などがあります。また、受刑者とのコミュニケーションを通じて、彼らの更生を促すことも大切な仕事の一つです。

刑務官採用試験に合格すれば、高卒でも受験可能のため、大学中退者でも挑戦できます。
筆記試験の他に体力試験もあるため、学力面の不安がある人でも対策がしやすいでしょう。

刑務官は体力が求められる場面もありますが、その分、公務員としての安定性が保証されている職業です。

平均年収600~700万円
必要なスキル・コミュニケーション能力
・冷静な判断力
・体力
・精神力
向いている人・社会貢献したいと考えている人
・冷静に対応できる人
・体力に自信がある人
仕事に就くためには?・刑務官採用試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用

検察事務官[大学中退者が目指せる国家公務員の職種 3/5]

検察事務官は、検察庁で検察官(検事)の業務をサポートする公務員です。

主な仕事は、捜査・裁判の補助、証拠書類の整理、事務処理などで、検察官と協力しながら刑事事件の処理や法廷での手続きを円滑に進める役割を担います。

検察事務官になるには、国家公務員採用一般職試験(大卒程度・高卒者試験)に合格する必要があります。学歴不問のため、大卒中退者も受験可能です。試験合格後、各地方検察庁の面接を経て採用されます。

なお、実務経験を重ねることで、各部門の管理職などより高度な職種へ昇進するチャンスがあります。一定の受験資格を満たした後に試験に合格すれば、副検事や検事としてのキャリアを目指すことも可能です。

平均年収1121.7万円
必要なスキル・事務処理能力
・冷静な判断力
・守秘義務を守る意識
向いている人・法律や捜査に興味がある人
・責任感があり、ルールをしっかり守れる人
・冷静に物事を処理できる人
仕事に就くためには?・国家公務員採用一般職試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用

入国審査官[大学中退者が目指せる国家公務員の職種 4/5]

入国審査官は、空港や港で外国人の入国・出国を審査し、日本の安全を守る国家公務員です。
外国人の在留資格の審査、違法入国の取り締まりなども行います。

入国審査官になるには、国家公務員採用一般職試験(大卒程度または高卒者試験)に合格する必要があり、学歴要件がないため、大学中退者でも受験可能です。
試験に合格した後、各地方の出入国在留管理局での面接を経て採用されます。

外国人と接する機会が多く、英語やその他の外国語を活かせる職場です。
語学は独学や実践を通じて習得できるため、大学に通わなくても努力次第でスキルを伸ばし強みとして活かせるでしょう。

平均年収478.3万円
必要なスキル・語学力
・コミュニケーション能力
・冷静な判断力
向いている人・国際的な仕事に興味がある人
・状況に応じて柔軟に対応できる人
・英語など外国語が得意な人
仕事に就くためには?・国家公務員採用一般職試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用

税務事務官[大学中退者が目指せる国家公務員の職種 5/5]

税務事務官は、国税庁や税務署に勤務し、税金の適正な徴収と管理を行う国家公務員です。

納税者からの税務相談に対応し、申告内容の確認や誤りの修正をサポートするほか、未納税の督促や税務調査の補助などを担当。また、税務関連の書類作成やデータ入力といった事務作業も行い、税務行政が円滑に進むように支える役割を担います。

税に関する幅広い業務を通じて、適正な課税や公正な税制運用を実現することが求められる仕事です。

税務事務官になるには、高校卒業者向けの「税務職員採用試験」と、大学卒業者向けの「国税専門官採用試験」の2種類の試験があります。
大卒中退者は、高校卒業者向けの税務職員採用試験を受験することが可能です。

平均年収484.6万円
必要なスキル・法律や税務に関する基礎知識
・事務処理能力
・分析力
・計算力
向いている人・法律や税務に興味がある人
・コツコツと正確に作業できる人
・人と接するのが苦ではない人
仕事に就くためには?・国家公務員採用一般職試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス

大学中退者が目指せる地方公務員の職種5選

大学中退者が目指せる地方公務員の職種5選を説明する画像

地域に密着した仕事が多い地方公務員は、住民の生活を支えるやりがいのある職種です。

ここでは、大学中退者が目指せる地方公務員の職種を5つ紹介します。ぜひキャリア選択の参考にしてください。

地方自治体の事務[大学中退者が目指せる地方公務員の職種 1/5]

地方自治体の事務職は、市役所や県庁などで、住民サービスや行政の運営を支える仕事です。

具体的には、窓口業務を通じた住民対応や、税務・福祉・教育などの各種行政サービスの手続き、予算管理、庶務業務などが主な業務です。また、地域の課題解決や政策の企画・運営に関わることもあり、地域社会を支える重要な役割を担います。

地方公務員の試験は自治体ごとに名称や選考内容が異なりますが、一般的に「1種(大卒程度)」「2種(短大卒程度)」「3種(高卒程度)」に分かれています。
自分の学力に合った区分の試験を受験できるため、大学を卒業していなくても問題なく挑戦できます。

平均年収478.3万円
必要なスキル・事務処理能力
・コミュニケーション能力
・法律や制度の理解力
向いている人・地域の役に立ちたい人
・人と接するのが苦ではない人
・コツコツと正確に作業できる人
仕事に就くためには?・各自治体の地方公務員試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用

公立学校の事務[大学中退者が目指せる地方公務員の職種 2/5]

公立学校の事務職は、小学校・中学校・高校などの学校運営を支える地方公務員です。

主な業務は、予算管理、物品購入、生徒や保護者の対応など多岐にわたります。
事務作業を中心にしながらも、教育現場を支える役割を持つことが特徴です。

公立学校の事務職は、地方自治体が実施する地方公務員試験(学校事務)に合格すれば、大卒中退者でも応募可能です。
学歴ではなく公平な試験で評価されるため、大学卒業が必須ではありません。

学校の事務室でのデスクワークがメインのため、身体的な負担が少なく、落ち着いた環境で働けます。
先生や生徒を支える仕事なので、教育に関心がある人にはやりがいを感じやすいでしょう。

平均年収478.3万円
必要なスキル・事務処理能力
・コミュニケーション能力
・柔軟な対応力
向いている人・コツコツと正確に作業できる人
・人をサポートするのが好きな人
・教育に興味がある人
仕事に就くためには?・各自治体の地方公務員試験に合格
・公務員試験対策の専門学校を活用

警察官[大学中退者が目指せる地方公務員の職種 3/5]

警察官は、地域の安全を守るために犯罪の防止・捜査、交通取り締まり、住民対応などを行う地方公務員です。

交番勤務やパトロール、事件・事故の対応、取り調べなどの業務があり、配属先によって仕事内容は異なります。また、警察内部で事務を担当する部署もあり、幅広い業務を通じて地域社会を支える役割を担います。

警察官として地方公務員になるには、都道府県警察官採用試験(大卒程度・大卒程度以外)に合格する必要があります。
学歴は問われず、試験の成績や適性によって判断されるため、大卒中退者でも受験可能です。

体力や適性、努力が評価される仕事のため、大学中退者でも実力次第でキャリアを築けます。

平均年収700~720万円
必要なスキル・基本的な法律知識
・体力と精神力
・判断力と冷静な対応力
向いている人・体を動かす仕事が好きな人
・社会に貢献したいと考えている人
・責任感が強く、冷静な判断ができる人
仕事に就くためには?・都道府県ごとの警察官採用試験に合格
・採用後に警察学校で訓練を実施

消防官[大学中退者が目指せる地方公務員の職種 4/5]

消防官は、火災や災害現場での人命救助、消火活動、救急対応などを行う地方公務員です。

主な業務には、火災時の消火活動、交通事故や自然災害での救助、119番通報に対応する救急業務などがあります。
常に地域の安全を守るため、体力と迅速な判断力が求められる仕事です。

消防官になるには、各自治体の公務員試験(消防職員採用試験)に合格し、採用後に都道府県などの消防学校で研修を受ける必要があります。
研修で知識や技術が学べるため、大学中退者でも安心してスタートできます。

消防士として経験を積めば、消防士長や消防司令へとステップアップできるため、学歴に関係なくキャリアを築ける職業です。

平均年収350.2万円
必要なスキル・基本的な応急処置の知識
・体力と持久力
・冷静な判断力
向いている人・体を動かす仕事が好きな人
・人の命を守ることにやりがいを感じる人
・冷静に行動し、リーダーシップを発揮できる人
仕事に就くためには?・各自治体の消防職員採用試験に合格
・消防学校での研修が必須

ごみ収集作業員[大学中退者が目指せる地方公務員の職種 5/5]

ごみ収集作業員は、自治体の清掃部門に所属し、住民の家庭ごみや事業所ごみを収集・運搬する地方公務員です。

決められたルートでごみ収集車に乗り、可燃ごみ・不燃ごみ・資源ごみなどを回収し、処理施設へ運搬するのが主な仕事です。また、ごみの分別指導や、不法投棄の対応なども担当し、住民と直接関わる機会もあります。

ごみ収集作業員として地方公務員になるには、各自治体が実施する地方公務員採用試験に合格しなければなりません。多くの自治体では学歴要件を設けておらず、大卒中退者でも受験可能です。

地方公務員のため、給与や福利厚生が充実しており、安定した雇用が保証されているのが魅力です。
民間の清掃会社よりも待遇が良く、定年まで安心して働けます。

平均年収386.4万円
必要なスキル・体力と持久力
・チームワーク
・安全管理意識
向いている人・体を動かす仕事が好きな人
・ルーティンワークを苦にしない人
・地域に貢献したい人
仕事に就くためには?・各自治体の地方公務員試験に合格
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス

大学中退後に公務員試験を受験する時の流れ

大学中退後に公務員試験を受験する時の流れを説明する画像

大学中退後に公務員試験を受験する場合、どのような流れになるのか解説します。

  1. 国家公務員を受験する時の流れ
  2. 地方公務員を受験する時の流れ

詳しくお伝えします。

1. 国家公務員を受験する時の流れ

国家公務員総合職と一般職における受験の流れは次のとおりです。

【総合職試験流れ】
  • インターネットによる受験申込
  • 一次試験
  • 一次試験合格発表
  • 二次試験(筆記・政策課題討議・人物)
  • 最終合格発表
  • 官庁訪問
  • 採用内定
  • 採用

参考:人事院 国家公務員試験採用情報NAVI『総合職試験採用情報

【一般職試験流れ】
  • インターネットによる受験申込
  • 一次試験
  • 一次試験合格発表
  • 官庁訪問
  • 二次試験(人物)
  • 最終合格発表
  • 採用内定
  • 内定

参考:人事院 国家公務員試験採用情報NAVI『一般職試験採用情報

国家公務員試験の大きな特徴は「官庁訪問」があることです。

総合職では最終合格後に官庁訪問が始まりますが、一般職では一次試験合格後に官庁訪問と二次試験が並行して行われます。

また、総合職と一般職で試験内容が異なります。
総合職と一般職の試験内容に関しては、以下の表をご覧ください

試験区分一次試験二次試験
総合職試験 (大卒程度試験・教養区分以外)・基礎能力試験
 ・専門試験
・専門試験 
・政策論文試験
 ・人物試験
 ・英語試験
一般職試験 (行政区分)・基礎能力試験 
・専門試験
 ・一般論文試験

・人物試験

参考:人事院『国家公務員試験ガイド「総合職」』
参考:人事院『国家公務員試験ガイド「一般職」』

一般職試験の行政・教養区分以外の一次試験は、専門試験が増える傾向にあります。

専門職は、各職種によって試験日程や内容が異なるため、志望する官庁のホームページで最新情報を確認しましょう。

2. 地方公務員を受験する時の流れ

地方公務員を受験する時の流れは下記のとおりです。

  • 出願
  • 一次試験
  • 一次試験合格発表
  • 二次試験
  • 最終合格発表
  • 内定

一次試験は主に筆記試験が実施され、教養試験と専門試験が基本です。
自治体によっては、適性検査や論文試験が加わる場合もあるでしょう。

教養試験は社会科学や人文科学などの一般知識や、数的処理や文章理解といった一般知能などから出題される傾向があります。そして二次試験は主に人物評価がおこなわれ、個別面接や集団面接、グループディスカッションなどが実施されます。

試験のスケジュールは受験する自治体や応募する職種などにより大きく異なるため、募集要項は必ず確認しましょう。

大学中退者が公務員試験(面接)に突破するコツ

大学中退者が公務員試験の面接を突破するコツは、想定質問への回答をしっかり用意しておくことです。特に「中退理由」と「中退後の過ごし方」は必ずと言っていいほど聞かれるため、前向きな姿勢をアピールできるように準備しておきましょう。

中退した理由を伝える際は、「理由 → 原因 → 対策」という3ステップで答えることがポイントです。

中退後の過ごし方については、「公務員として働くための準備期間」としてどう活用していたかを伝えましょう。

質問1. 大学を中退した理由

大学を中退した理由を面接で聞かれたときは、「中退理由を素直に伝える」→「本質的な原因」→「対策」という順で回答しましょう。

中退者を評価する面接官は、「採用後にすぐ辞めてしまわないか」「困難な状況に直面した際に、安易に投げ出さずに継続できる人物か」という点を厳しくチェックしています。

そこで大切なのが、「同じ過ちを繰り返さない」という覚悟と姿勢を示すことです。具体的には、中退に至った本質的な原因を分析し、その経験から得た“教訓”を現在の行動にどう反映させているかをセットで伝えることが大切です。

中退理由はほぼ確実に質問されるため、以下の例文も参考に回答例を準備しておきましょう。

▼回答例

学業への身が入らずに単位を落としてしまい、3年次に進む前に中途退学いたしました。
中退に至った原因は、将来の目標を曖昧にしたまま、周囲に流される形で進路を選んでしまった点にあると考えています。
この経験から、「自らの意志で目的意識を持って行動すること」の重要性を痛感しました。
就職活動では反省を活かし、徹底した自己分析を行う中で「地域の方々の生活を支えたい」という強い思いに気づきました。そこで現在は、地方公務員として働くことを目指して就職活動に取り組んでいます。

大学中退理由は武器になる!履歴書/面接での効果的な伝え方

質問2. 大学を中退した後の過ごし方

就職に対する強い意志をアピールできるため、大学を中退した後の過ごし方を質問されたときは「就職に向けた具体的な取り組み」を伝えましょう。

ただなんとなく過ごしていたと伝えた場合、「働く意欲に欠けるのでは?」という印象を面接官に持たれてしまいます。

そこで大切なのが、中退後の期間を「社会で働くための土台作り」としてどう活用したかを語ることです。目的を持って行動していた事実を伝えることで、「就職に対して前向きな気持ちがある」というポジティブな印象を持ってもらえます。

具体的には、以下のような活動を、公務員の実務と結びつけて伝えてみてください。

  • 資格勉強
  • アルバイト
  • ボランティア
  • 自己分析

「大学を中退した後の過ごし方」も頻出の質問です。以下の回答例を参考に、面接で話す内容をしっかり準備しておきましょう。

▼回答例

大学を中途退学した後は、社会に出て働く準備期間として、接客業務のアルバイトに従事しました。
地方公務員として働くうえでは、窓口業務などで市民の方々と円滑にコミュニケーションを図る力が不可欠だと考えていたため、アルバイトでは様々な年代のスタッフやお客様と意識的に接し、相手の意図をくみ取る力や、状況に応じた柔軟な対応力を養ってきました。

大学中退者が公務員試験(筆記)に突破するコツ

大学中退者が筆記試験を突破するコツは、「配点の高い科目に絞り、過去問を徹底的に解き込むこと」です。

公務員試験は出題範囲が膨大ですが、過去に出題された問題と似たパターンが繰り返し出る傾向があります。満点を目指すのではなく、合格ラインを確実に超えるための効率的な学習を意識することがポイントです。

ここでは次の3つの筆記試験について、それぞれの対策方法を紹介します。

  1. 基礎能力試験(教養試験)
  2. 専門試験
  3. 論文・作文試験

1. 基礎能力試験(教養試験)

基礎能力試験の対策で重要なのは、全体の配点の約半分(またはそれ以上)を占める「数的処理」を優先的に攻略することです。

解法パターンを掴むまでに時間が必要なため、毎日少しずつでも問題に触れる習慣を作りましょう。

知識分野は範囲が膨大なため、出題数が多く、時事対策・面接対策にも直結する「社会科学」に絞り、確実に得点源にする意識を持つこともおすすめです。

▼基礎能力試験の主な構成

知能分野文章理解や、算数的なパズルに近い「数的処理」といった論理的思考力・事務処理能力が問われる分野
知識分野社会科学、自然科学、人文科学といった暗記要素が強い分野

2. 専門試験

大学中退者が専門試験を突破するコツは、「主要5科目」と呼ばれる憲法・民法・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学に学習を集中させることです。これらの科目はどの採用枠でも共通して出題され、配点も高いため、優先的に攻略しましょう。

専門試験は「大卒程度」の試験(国家一般職や地方上級など)で課されることが多く、基礎能力試験とは別に実施されます。

公務員試験は過去の類似問題が繰り返し出題される傾向が強いため、「問題集(過去問)を解く」ことを優先してください。過去問題集を3〜5周解き込み、出題パターンを体に叩き込むことも合格を勝ち取るポイントです。

3. 論文・作文試験

大学中退者が論文・作文試験を突破するコツは、「序論・本論・結論」という構成をマスターすることです。自己流で書くのではなく、“採点者が読みやすい型”に当てはめて書くことが、安定して合格点を稼ぐための近道だからです。

論文・作文試験は、与えられたテーマに対し、自分の考えを記述する試験です。文章の上手さよりも、公務員として多角的な視点を持ち、一貫した論理で説得力がある回答ができているかが評価のポイントとなります。

テーマに関しては「少子高齢化」や「防災」が頻出のため、これらのテーマについては現状の課題と解決策を整理しておくと良いでしょう。

4. 公務員試験の専門学校に行く

自分一人で公務員試験の勉強をやり抜く自信がない方は、公務員試験対策に特化した専門学校に通うのも一つの手です。

独学は「費用を抑えられる」というメリットがありますが、膨大な試験範囲を前にして壁にぶつかりやすいのも事実です。

一方、専門学校に通うと合格に向けた“最短ルート”を示してくれるため、迷わず学習を続けられるでしょう。

ここでは、独学・専門学校それぞれのメリット・デメリットを紹介します。自分に合った学習スタイルを選ぶ際の参考にしてみてください。

独学のメリット・デメリット

公務員試験に独学で取り組むメリットは、対策費用を抑えられることです。

現在は質の高い教材が多く出版されており、志望先に合わせた参考書を揃えることで、試験に必要な知識を十分に網羅できます。

独学のデメリットは、モチベーションの維持が難しいことです。

公務員試験の勉強期間は半年〜1年ほどが一般的ですが、これほどの長期間、一人で机に向かい続けるのは簡単ではありません。

学業に興味を持てずに中退した方や、大学という“強制力がない環境”で自己管理を続けるのが難しかった方の場合、再び途中で挫折するリスクがあることは理解しておきましょう。

専門学校に通うメリット・デメリット

公務員試験対策の専門学校に通うメリットは、効率的に合格ラインに到達できることです。

独学では迷いがちな「どの科目に力を入れるべきか」という優先順位を教えてもらえるため、余計な遠回りをせずに学習を進められます。

専門学校に通うデメリットは、学習時間の確保が難しくなる可能性があることです。

大学中退者の中には、専門学校の通学と並行して、アルバイトや、民間企業への就活に取り組む人も多いものです。これらの両立は体力的・時間的に過酷なため、「専門学校に通う時間を十分に割けなくなる」といった事態に陥らないように注意しましょう。

大学中退者が公務員になるメリット4つ

大学中退者が公務員になるメリットは、「福利厚生が充実している/社会的な信頼度が高い/倒産のリスクがない/地域に貢献できる」の4つです。

公務員は休暇制度や手当が手厚く、ワークライフバランスを保ちやすい点が魅力です。

「公務員」という職業は社会的な信頼度が極めて高く、住宅ローンの審査や賃貸契約などの際に有利に働きます。

民間企業のような倒産のリスクや、リストラに遭う可能性がほぼなく、定年まで安定した収入を得られる点もメリットといえるでしょう。

業務を通じて地域社会に直接・間接的に貢献できるため、仕事に対する大きなやりがいも実感できます。

1. 福利厚生が充実している

公務員は、民間企業の正社員と同様に、有給休暇や各種手当が充実しています。病気休暇はもちろんですが、夏休みなどに利用できる特別休暇や介護休暇などが幾つか用意されていることが多いようです。

また、女性の育児休業実績も多く、出産や育児をしながら働き続けられる点もメリットになるでしょう。

加えて、公務員は、独自の共済組合などに加入しているケースが多く、退職後は共済年金が支給される場合があります。組合員向けの貸付制度や積立制度もあり、ライフステージを支えるサポートが豊富です。

2. 社会的な信頼度が高い

公務員という職業は社会的な信頼を得やすく、安定的に仕事できることが多いでしょう。安定した職種を求めている人、将来的に転職せず腰を据えて働きたい人にはおすすめです。

3. 倒産のリスクがない

公務員は、雇用が安定していることから、住宅ローンなどの金融機関による審査でも概して有利になります。民間企業のように倒産のリスクがなく、国家公務員・地方公務員を問わず経営不振によるリストラの心配もほとんどありません。

民間企業の場合、業績などによるリストラの可能性もあります。加えて、自分はどれだけ頑張って働いても、会社全体の業績によってボーナスの支給額が変動することもあるので、公務員の方が収入が安定しているといえるでしょう。

4. 地域に貢献できる

職種によっては、地域に密着した仕事ができるところもメリットです。実際、都道府県や市町村などに就職した地方公務員は、地域の行政に関する仕事に携わります。

地域に貢献をしたい人にとっては、やりがいのある仕事ができるのが地方公務員の魅力になります。地域密着で転勤がない方がいいという人にもおすすめです。

大学中退者が公務員になるデメリット5つ

大学中退者が公務員になるデメリットは、「年功序列の給与体系」「長期の試験対策リスク」「職場環境の閉鎖性」「転勤の可能性」「学歴区分による待遇差」の5つです。

公務員の給与は、個人の成績が給与に反映されることはあまり期待できません。

公務員試験はハードルが高く、合格には半年から1年以上の学習が必要です。

規模の小さい自治体などはメンバーが固定されやすく、「逃げ場がない」と感じる可能性もあります。

公務員として働くと数年おきに転勤を伴う場合があり、「高卒程度」の区分で採用された場合、大卒区分よりも生涯年収が下がる可能性があることも理解しておきましょう。

1. 会社員と比べて、実績に伴う昇給の機会が少ない

公務員は、一般的に勤務している期間が長いほど給与が上がるシステムになっています。年功序列を守り続けていることが多く、勤続年数が長くなるにつれて昇給があります。

公務員の場合、民間企業の正社員のように実績が給与の額にダイレクトに結びつくといったことはほとんどありません。

したがって、仕事で何らかの実績を上げても、昇給のペースは同時期に就職した同僚とほぼ同じです。自分が頑張っただけの報酬を得たい方にとっては、このような点がデメリットになるかもしれません。

2. 基本的に試験の難易度が高く、人によっては合格までに時間がかかる

公務員試験は、人によっては合格するまでにある程度の時間がかかります。

難関と言われている試験の場合は、数年程度の勉強をしなければならない場合もあるでしょう。試験範囲はかなり広いため、短期間で合格するには専門学校に通って勉強する、などの対処が求められます。

受験資格に年齢制限が設けられている場合、試験を受けられる回数も限られるため、効率良く勉強する必要があります。

公務員を目指す場合は、あらかじめ自分なりの期限を決めましょう。例えば、2年以内に合格できなかったら他の仕事を目指すなど、途中で方向転換をする勇気も必要です。
可能であれば、公務員試験と並行して、興味がある業界の民間企業への就職も検討してみるといいでしょう。

3. 規模が小さい職場の場合、閉鎖的な環境・人間関係をつらく感じることがある

公務員であっても、出先機関などに配属されると少人数の職場で働くこともあります。こうした職場では閉鎖的な雰囲気になりやすい傾向もあり、人間関係における風通しの悪さをつらく感じる人もいるようです。

社会や地域に積極的に貢献したいと考えている人にとっては、個々の意見が通りづらく、仕事に対してのやりがいを感じられなくなることもあり得ます。

職種や職場によって差がありますが、配属される職場によってはこうした可能性もあることを理解しておきましょう。

4. 職種によっては、転勤が必要となる場合もある

職種によっては、民間企業の正社員のように、転勤を求められることもあります。
都道府県や市町村に就職した地方公務員の場合は転勤先のエリアが比較的に限られますが、国家公務員として就職した場合は遠隔地に転勤となるケースもあることを知っておきましょう。

5. 大卒に比べると年収が下がる

人事院の「平成30年国家公務員給与等実態調査」によると、行政職の場合、公務員の高卒と大卒の基本給(俸給)は、それぞれ以下の通りです。

以下が、もっとも等級や経験年数が高い行政職の基本給(俸給)です。

  • 高校卒(1級/経験年数1年未満):14万9731円
  • 大学卒(1級/経験年数1年未満):18万4403円

そして以下が、もっとも等級や経験年数が高い行政職の基本給(俸給)です。

  • 高校卒(10級/経験年数35年以上):52万4200円
  • 大学卒(10級/経験年数35年以上):54万2900円

引用:人事院「平成30年国家公務員給与等実態調査」

上記のデータから、高卒と大卒では新人時代の一か月あたりの給料は約3万5000円程度、ベテランになっても約2万円弱の差があることがわかります。多くの民間企業のように、大卒のほうが高卒よりも給料が高く設定されているのは、公務員も同じです。

そのため、いまの時点で大学に通っていて将来は公務員になりたいのであれば、よほどの事情がない限りは大学を卒業したほうが経済面で有利といえます。

ただし、高卒と大卒で基本給の金額に極端な差があるわけではないため「大学中退で公務員になったから、金銭的に大幅に損をしてしまう」ということでもなさそうです。すでに大学を中退をした人も、公務員を目指す価値はあるといえるでしょう。

就職先として「民間企業」を検討したい大学中退者の特徴

就職先として民間企業を検討したい大学中退者の特徴としては、「公務員試験までの時間やお金がない」「スキルアップをしたい」「仕事に大きなやりがいを求めている」という点が挙げられます。

公務員試験が目前に迫っていたり、専門学校の受講料の支払いが難しかったりする場合は、民間企業への就職が現実的なステップといえます。

公務員の仕事は定型的な作業が多い一方、民間企業の中には実力次第で新しい仕事を任せてもらえる会社も少なくありません。

自分のアイデアが商品化されたり、顧客の課題を解決して感謝されたりと、成果が「目に見える形」で現れる場面が多いことも民間企業で働く魅力です。

1. 公務員試験までの時間やお金がない

公務員の人気が高まっている現在では、おのずと競争率も高まっています。受験を思い立ってから合格に至るまでには、どうしても一定の学習量が必要になるため、次の試験に間にあわなかったり、試験を数回受けても合格できないケースもあります。試験勉強に何年も時間を費やしてしまうと、社会人としてのスタートが遅れたり、受験の年齢制限を迎えてしまったりと、さまざまなリスクがあります。

また、試験勉強にかかる費用も見過ごせないポイントです。独学であれば参考書を数冊購入する程度で済みますが、専門学校に通って効率的に学びたい場合はまとまった費用が必要となります。

自分には学習にあてる時間的な余裕があるのか、試験勉強のために使える資力があるかを冷静に見極めましょう。

2. スキルアップして挑戦をしていきたい

「公務員の職種の中に明確にやりたい仕事がある人」や「仕事の内容よりも安定性を重視する人」には、公務員が向いているでしょう。

ただ、かなり専門的な技術職などでない限り、特定の分野でのスキルアップの機会は民間企業に比べて少ないかもしれません。明確に定められている業務をこなすのがメインである場合、好奇心が旺盛な人は退屈さを感じてしまうでしょう。

3. 仕事にやりがいを求めたい

SNS投稿分析のスナップレイスが『公務員の仕事に対する満足度は、全業種の中でワースト5』という調査結果を発表しました。

引用:PRITIMES「17業種別の仕事満足度ランキング発表!ソーシャルリスニングで遂に真実が判明」

仕事満足度ランキングによると、公務員は下から4番目という結果で、残念ながら仕事への満足度は低いと言われています。

また、公務員の仕事満足度を詳細に分析したヒストグラムを見てみると、次のような特徴が見られます。

  • 満足感も不満もないという人が非常に多い
  • 高い満足度を持つ人はほとんどいない
  • 少しの満足感や少しの不満を抱える人が多い

仕事への満足度が高い公務員は、給与の安定性以外に「仕事の面白みを感じられる職種や職場環境にいる人」だと推測できます。ただ、満足度の高い職種や職場環境にいる公務員はごくわずかであるようです。

大学中退で正社員就職を目指す方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
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公務員よりも民間企業に就職するメリット3つ

民間企業に就職するメリットとしては、「専門的なスキルを身に付けやすい」「副業ができる」「転職や独立がしやすい」といった点が挙げられます。

公務員が数年おきの異動で「ジェネラリスト」を目指すことが一般的なのに対し、民間企業の中には「スペシャリスト」の育成に力を入れている企業も少なくありません。

“副業禁止”の公務員とは異なり、多くの民間企業で副業が解禁されていることも魅力の一つです。

業務の中で培った実績や人脈を活かし、転職や独立といった新たな道を切り拓きやすい点も民間企業で働くメリットといえるでしょう。

1. 専門的なスキルを身に付けることができる

民間企業の中には「特定の分野に特化した専門人材」の育成に積極的な企業が多いため、専門スキルを身に付けやすい傾向が見られます。

たとえばITエンジニアとして民間企業で実務経験を積むと、最新のIT技術や専門スキルを深く習得でき、自身の市場価値も高まります。

一方、公務員は「ジョブローテーション(※)」を採用しているケースが一般的です。幅広い知識が得られる点はメリットですが、特定の分野の専門性を極めるのは困難です。

その点、民間企業は一つの職種を深く突き詰められる機会が多いため、「専門スキルが身につく」という点でメリットを感じやすいでしょう。

※ジョブローテーション:従業員(職員)の能力開発や組織の活性化などを目的に、数年おきに異なる部署への異動を繰り返す仕組み

2. 副業をすることが可能

公務員は副業を禁じられていますが、民間企業ならば副業OKの会社もあります。

以前は企業も副業を禁止している事が多かったので、勤め先にバレないようこっそり副業している人もいました。近年では副業を許容・推奨している企業が増加し、堂々と副業する人も増えてきました。将来不安やコロナ禍もあり、ひとつの仕事からの収入だけに頼らず、複数の収入源を持つことが理想とされつつあります。

3. 将来的に、転職や独立がしやすい

民間企業に勤める方が、将来的に転職や独立を目指しやすいという傾向があります。

民間企業で培われる専門的なスキル・知識や、多様な取引先を通じて得られる経験・人脈などを活かして、より条件のいい企業に転職したり、自分自身で事業を起こす人もいます。

「大学中退 公務員」についてよくある質問

大学を中退して、公務員になりたいと考えている人にとって、わからないことや不安なことはたくさんあるはずです。

大学を中退した人が公務員への進路を考えるときに、よくある質問をピックアップして紹介しましょう。

1. 大学中退でも地方上級公務員になれるのか?

大学を中退した人でも、地方上級公務員になることは不可能ではありません。
地方上級公務員とは、地方公務員試験で大学卒業程度のレベルが求められる試験区分のことです。
しかし、試験のレベルが非常に高く、倍率も高いので採用ハードルが必然的に上がります。
大学を中退した人が地方上級公務員になるのであれば、まず高校卒業程度のレベルが求められる地方公務員初級の試験に合格して、働きながら上級試験を目指すのがおすすめです。
地方上級公務員の試験は大卒程度のレベルが求められていますが、これはあくまでも目安であり、学歴を問わず受験できます。大学中退の人が地方上級公務員になりたいのであれば、しっかり対策を取り、計画的に準備することが必要です。

2. 大学中退で公務員になることはできるの

「大学中退で公務員になることは可能?」の章で、大学中退者が公務員になれるのかについて解説しています。また、大卒と高卒の公務員試験の採用者の割合や給料・キャリアの面で比較をしていますので、ご参照ください。

3. 大学中退で公務員になる方法とは?

大学中退者が公務員になるために必要な対策方法や、大学中退者が目指せる公務員の種類について「大学中退で公務員になる方法とは」の章で解説しています。ぜひご覧ください。

4. 大学中退でも公務員試験に合格できる?

大学を中退した人でも、公務員試験に合格することは可能です。
ただし、公務員試験の種類によっては大卒程度のレベルを求められるケースもあり、難易度も倍率も高いため、合格へのハードルは非常に高くなります。公務員試験には年齢制限もあるため、合格して公務員になるためには、計画的かつ入念な準備が必要といえるでしょう。

5. 大学中退した23歳でも公務員になれる?

大学を中退した23歳でも、地方公務員なら自治体によって受験できるケースもあるので、公務員になれるチャンスはあります。
ただし、高卒程度のレベルが求められる公務員の場合、受験資格が20~21歳までに定められている自治体が多いのです。そのため、受験できるところが限られてしまうのが現実。
自分が受けたい公務員試験の受験資格や必要な学歴を、事前に調査しておくことがポイントです。

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
中退者からよくある相談例
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まとめ

大学を中退しても公務員になれるのか、またその方法についてご紹介してきました。

そして、民間企業への就職も選択肢の一つであること、就職活動の具体的なポイントも解説しました。

公務員と民間企業、それぞれの持つメリット・デメリットを知った上で、現在の自分の状況や、これからどう働いていきたいかを踏まえて検討してください。いずれの道を選ぶにしても、短期間で効率よく目標に向かっていくことを心がけましょう。

中退就職カレッジのご紹介
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  • 学歴に自信がないから就職できるか不安
  • 就職について、誰に相談したら良いか分からない
  • 中退しようかどうかを迷っている
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ABOUT US
小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。