
大学中退でもなんとかなります。10〜20代の若い年代は転職市場でも需要が高く、実際に大学中退者の約8割は働いているためです。
大学中退で「人生終了」と考える方もいますが、悲観的になりすぎない方がいいでしょう。
たしかに大学中退の場合は企業からマイナスな印象を持たれたり、大卒者よりも応募できる求人の数が少なくなったりします。しかし、大学中退を自分の選択として受け入れ、将来に向けて積極的にチャレンジしている人であれば、今は不安でもなんとかなるはずです。
本記事では、大学を中退して後悔する人の特徴や中退したあとの選択肢についても解説します。「大学を中退して就職は大丈夫なのだろうか」と悩む方は、ぜひ参考にしてください。




この記事の目次
大学中退でもなんとかなる2つの理由
大学中退でもなんとかなる2つの理由は大学中退者の約8割が働いているから、10~20代は就職も進学もしやすいからです。
就職すれば生活費を稼げるため、人生終了にはならず、なんとかなると言えるでしょう。
大学中退者の就業状況や年齢別の転職入職率、大学入学者の年齢などの調査をふまえて解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
1. 大学中退者の約8割が働いているから
大学中退者の約8割が働いていることが、大学中退でもなんとかなる理由です。
2012年に実施した以下の調査データから、大学・大学院中退者の就業状況をまとめました。
正社員 | 非正規 | その他有業者 | 合計 |
---|---|---|---|
26.4% | 36.6% | 15.3% | 78.3% |
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構『大学等中退者の就労と意識に関する研究』
正社員として働いている人も全体の約3割存在します。
非正規雇用も含めれば、多くの大学中退者が働き収入を得ています。
働く意欲と適切な就職活動をすれば、雇用機会は十分にあるといえるでしょう。
2. 10~20代は就職も進学もしやすいから
10〜20代は就職や進学がしやすいのも、大学中退でもなんとかなる理由です。
厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果」による、年齢別転職入職率を以下表にまとめました。
年齢層 | 男性 | 男性 |
---|---|---|
19歳以下 | 16.6% | 17.5% |
20~24歳 | 14.6% | 16.5% |
25~29歳 | 15.6% | 19.1% |
30~34歳 | 10% | 14.2% |
35~39歳 | 8.5% | 12.4% |
参考:厚生労働省『-令和5年雇用動向調査結果の概況-』
10〜20代は転職市場でも需要が高く、若手であれば未経験者も採用する企業は多くあります。
また、大学進学者は20代も一定数いることが分かっています。年齢別大学入学者数に関しては、以下の表にまとめました。
年齢層 | 入学者数 |
---|---|
10代(18歳+19歳) | 587,223人 |
20代 | 29,316人 |
30代 | 791人 |
参考:政府統計の総合窓口『学校基本調査 平成28年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 学校調査 大学・大学院 』
大学を中退しても、就職や進学する道は十分に開かれているといえるでしょう。
大学中退は人生終了と言われる4つの理由
大学中退は人生終了と言われる4つの理由は次のとおりです。
- 高卒になると就職活動の選択肢が狭まるから
- 中退に対してマイナスな印象を持たれやすいから
- 大卒者よりも生涯賃金が少なくなりやすいから
- 中退後に意欲がなくなる場合があるから
大卒者は大学中退者よりも応募できる求人が、約1.6倍もあります。
また、大学中退者に対して企業は「仕事を長く続けてもらえるのか」と不安な印象を持つ可能性が高いため、就職活動において不利になりやすいと言えるでしょう。
なお、大学中退者の就職を成功させる方法や注意点をくわしくチェックしたい方は「大学中退は人生終了?詰んだと言われる理由・就職して逆転させる方法を解説!」の記事を参考にしてください。
1. 高卒になると就職活動の選択肢が狭まるから
大学中退は人生終了と言われる理由は、高卒になると就職活動の選択肢が狭まるためです。
主な理由は下記のとおりです。
- 総合職採用は大卒が優遇される傾向にある
- 高卒よりも大卒条件の求人数の方が多い
2025年3月に卒業する方向けの高卒・大卒求人数の差に関しては、以下の表を参考にしてください。
区分 | 求人数 |
---|---|
大卒求人 | 約79.7万人 |
高卒求人 | 約48.2万人 |
参考:リクルートワークス研究所『第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)』
参考:厚生労働省『令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る 求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(9月末現在)』
大卒と高卒では応募できる求人数に約1.6倍の差があります。
応募できる求人が多ければ多いほど就職のチャンスは広がるため、大卒者の方が就職しやすい状況だと言えるでしょう。
2. 中退に対してマイナスな印象を持たれやすいから
大学中退者は企業から次のようなマイナスイメージをもたれやすいのも、人生終了と言われる理由の一つです。
- 長く仕事を続けてもらえるのだろうか
- 仕事が嫌になった時に投げ出してしまわないか
- 計画性を持って働けるのだろうか
中退者に対してマイナスな印象が強い企業の場合、たとえ履歴書や職務経歴書の内容が優れていても、書類選考で落とされてしまう傾向にあります。
面接まで進めても、中退理由を適切に説明できないと企業側の不安を払拭できず、不採用になる可能性が高まるでしょう。
ただし、大学中退者でも中退理由を前向きに説明し、資格やスキル習得などの努力をアピールすれば通過率アップにつながります。
3. 大卒者よりも生涯賃金が少なくなりやすいから
大学中退は大卒よりも生涯賃金が少なくなりやすいことも、人生終了と言われる理由です。
大学中退者は最終学歴が高卒となるため、大卒者よりも生涯賃金が低くなる傾向にあります。
高卒と大卒の生涯賃金の差については、以下の表を参考にしてください。
学歴 | 生涯賃金(男性) | 生涯賃金(女性) |
---|---|---|
高卒 | 2億6,610万円 | 1億9,430万円 |
大卒 | 3億2,730万円 | 2億5,650万円 |
参考:労働政策研究・研修機構『21 生涯賃金など生涯に関する指標|ユースフル労働統計 2024』
生涯賃金が低いと生じるデメリットは次のとおりです。
- 将来結婚や子育てをする際の経済的不安が大きくなる
- 好きな場所に住んだり、欲しい物を購入したりするのが困難になる
大学中退を検討する際は長期的な視点で慎重に判断しましょう。
4. 中退後に意欲がなくなる場合があるから
大学中退後に意欲が低下してしまうのも、人生終了といわれる理由です。
労働政策研究・研修機構の調査によると、大学中退前の前向きな気持ちと、中退後の行動にギャップが生じることが明らかになっています。
中退前に希望していた行動と実際の行動の差を表にまとめました。
項目 | 希望していた割合 | 実際に行動した割合 |
---|---|---|
正社員として就職したい | 46.6% | 32.1% |
他の学校へ入学したい | 12.8% | 3.9% |
参考独立行政法人・労働政策研究・研修機構:『第3章 ハローワークに来所した中途退学者の実態②:中退後の就職活動』
大学中退前に抱いていた希望を中退後に実行するには、強い意志と継続的な努力が必要といえるでしょう。
大学中退でもなんとかなる人の特徴5選
大学中退でもなんとかなる人の特徴5選は下記のとおりです。
- 将来の目標やビジョンが明確な人
- 中退前からやりたいことに向けて準備している人
- 積極的にチャレンジできる人
- 困ったことがあれば周りに相談できる人
- 大学中退を自分の選択として受け入れている人
大学中退前から自分の人生について考えて行動できる人であれば、就職活動を行った時にも結果が出やすいと言えるでしょう。
「大学中退だから」と悲観的にならず、常に前向きにチャレンジすることが大事だと言えます。
1. 将来の目標やビジョンが明確な人
大学中退でもなんとかなる人の特徴は、将来の目標やビジョンが明確な人です。
将来の目標が明確だと大学中退後にやるべきことが定まり、就職先や次のステップを迷わず選べるためです。
また家族や周囲に大学を中退する理由を伝える時も、将来の目標をしっかりと説明できれば、理解を得やすいでしょう。
目標がある人にとって、大学中退はゴールではなく新たなスタートです。目標を見失わなければ、大学中退でもなんとかなる可能性は大いにあります。
2. 中退前からやりたいことに向けて準備している人
中退前からやりたいことに向けて準備している人は、大学中退後もなんとかなりやすいでしょう。
辞めた後どうするかではなく、辞める前から次の準備を考えておけば、中退後の空白期間を最小限に抑えられるためです。
たとえば大学中退後に就職したい場合、業界研究や資格取得を積極的に行うと、未経験でも採用される可能性が高まるでしょう。
今後の方向性をしっかり定めて行動すれば、大学中退は単なる進路変更にすぎないと思えるはずです。
3. 積極的にチャレンジできる人
積極的にチャレンジできる人は、大学中退後もなんとかなると言えます。
自分を奮い立たせながら挑戦できる人は、就職説明会に足を運んだり、気になる求人に応募したりできるため、可能性を広げながら進めるでしょう。
そもそも大学を中退すること自体も新たなチャレンジです。大学中退後は慣れ親しんだ学生生活から離れ、就職活動や新しい学びの場など、未経験の世界が待っています。
今まで経験したことのない状況に陥っても、積極的にチャレンジできる力があれば、大学中退でもなんとかなる可能性は高まります。
4. 困ったことがあれば周りに相談できる人
困ったことがあれば周りに相談できる人は、大学を中退してもなんとかなる傾向にあります。
自分一人では得られなかった情報を入手できる可能性があるためです。思いがけないチャンスを与えてくれる場合もあるでしょう。
また、周りに相談しながら進められる人は気持ちを切り替えやすく、悩んでいる時間を少なくできる可能性があります。
大学中退でもなんとかなるかどうかは、周りの力を借りるかで大きく変わるでしょう。
5. 大学中退を自分の選択として受け入れている人
大学中退を自分の選択として受け入れている人は、中退してもなんとかなる人の特徴です。
大学中退を「自分にとって必要な決断だった」と前向きにとらえているため、中退後は自分の目標を叶えるために積極的に行動できるでしょう。
一方、大学中退をポジティブに受け入れられていない人は、自責の念や過去の後悔にとらわれてしまう傾向にあります。「就職で不利になってしまった」といった否定的な感情が、次の一歩を踏み出す妨げになるでしょう。
中退は終わりではなく、新たな生活の始まりです。大学中退でもなんとかなるかどうかは、自分の決断をどう捉えているかで大きく変わるでしょう。
大学中退で後悔しやすい人の特徴3選
大学中退で後悔しやすい人の特徴3選は、下記のとおりです。
- 大学を中退してから将来を考えたい人
- 周りの評価を気にしやすい人
- 学歴が必要なキャリアを選びたい人
将来の方向性が定まらないまま大学を中退すると後悔しやすいです。今後の人生を考えた時に大学卒業の経歴が必要であれば「あの時の選択は早まった」と、自分を責めてしまうでしょう。
周りに何を言われても、自分が良いと思える進路を選ぶことこそが、大学中退前にやっておきたい行動と言えます。
1. 大学を中退してから将来を考えたい人
大学を中退してから将来を考えたいと思っている人は、後悔しやすいでしょう。
計画なしの中退は、方向性を見失う危険性が高いためです。
大学中退後に将来を考え始めても「一体自分は何をしたいのか」「どんな仕事に就きたいのか」など根本的な問いに答えがないまま時間を過ごすことになります。
就職先を探すにも、どの業界や職種が自分に合うのか判断が難しいでしょう。
結果的に「やっぱり大学に残ればよかった」と後悔する可能性があります。
2. 周りの評価を気にしやすい人
周りの評価を気にしやすい人は、大学を中退すると後悔しやすいでしょう。
とくに、周囲から「なぜ辞めたの?」「もったいない」といった言葉に対して傷つきやすいタイプの人は、慎重に行動しなければいけません。
大学中退は家族の期待を裏切ってしまった罪悪感や、友人に説明する際の気まずさなど、精神的なストレスは想像以上に大きいでしょう。
周囲の評価を気にする人にとって大学中退は、大きな心理的負担となる可能性があります。
3. 学歴が必要なキャリアを選びたい人
学歴が必要なキャリアを選びたい人は、大学を中退すると後悔する可能性があります。
特定の職業では学歴が必須条件のため、中退すると挑戦できなくなるためです。
大卒資格が必要な職業は主に下記のとおりです。
- 医師
- 弁護士
- 公務員(上級職)
- 教員(高校・大学)
- 研究職
学歴が必要な職業に就くには、大学に残り卒業することが最短ルートです。
中退後に再入学や進学することは可能ですが、時間的にも金銭的にも大きな負担が生じます。
大学中退後の8つの選択肢
大学中退後の8つの選択肢は次のとおりです。
- 就職する
- 大学に再入学する
- 専門学校へ入学する
- 職業訓練・スクールでスキルをつける
- 資格を取得する
- 公務員試験を受験する
- 海外留学する
- 体調を優先して休養する
今の状況によって選択する内容は異なりますが、金銭面に余裕がない方や早く働きたいと思っている方は、まず就職するのをおすすめします。
就職後につけた経験・スキルを活かして転職も可能なので、働きながら将来を考えるのも一つの手段です。
学びを優先するのも今後につながる選択肢ではありますが、働くまでに時間がかかることを頭に入れておきましょう。
1. 就職する
大学中退後に就職する選択肢は、経済的自立を急ぐ人におすすめです。
就職は働きながらお金を得られるのはもちろん、キャリア形成を早い段階で始められるメリットがあります。一方、大学中退者は大卒者に比べて応募できる求人が少なくなる点がデメリットと言えるでしょう。
ちなみに、大学を中退して就職する場合はアルバイトよりも正社員がおすすめです。主な理由は次のとおりです。
- 収入面の安定性が高く、福利厚生も充実している
- 社会的信用が得られ、将来のローンや賃貸契約などで有利に働きやすい
- スキルアップやキャリア形成の機会が多い
大学中退後すぐに就職活動を始めるには、在学中に自分がどんな企業で働きたいのか、企業研究しておくとよいでしょう。
2. 大学に再入学する
大学に再入学する選択肢は「やはり大卒の学歴が必要だ」と考える人におすすめです。しかし再入学にはメリット・デメリットがあります。
大学に再入学する際の主なメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | ・大学の学歴が得られる ・応募できる求人の幅が広がる ・新卒採用枠で就活ができ |
デメリット | ・経済的負担が大きい ・同級生よりも卒業が遅くなる ・大学によって再入学の期限がある(基本的に2~4年以内) |
大学に再入学する方法は次のとおりです。
- 中退した大学に再入学が可能かどうか問い合わせる
- 再入学の条件や期限を確認する
- 必要書類を提出し、場合によっては面接や試験を受ける
- 再入学が許可されたら、入学金や施設費などを支払う
大学へ再入学するための詳しい方法は「大学中退後の再入学は可能?再入学に必要な手続きステップも解説!」の記事を参考にしてください。
3. 専門学校へ入学する
専門学校へ入学することも大学中退後の選択肢の一つです。明確な目標があり実践的なスキルを身につけたい人におすすめです。
大学を中退して専門学校へ入学するメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
ぜひ参考にしてください。
メリット | ・実践的なスキルを効率的に習得できる ・興味のある分野だけを集中的に学べる ・資格取得対策が充実している |
デメリット | ・経済的負担が大きい ・学歴が「専門学校卒」となり、大卒よりも就職が制限される場合がある |
専門学校へ入学する手順は次のとおりです。
- 入学資格と入試情報を確認する
- 学校説明会やオープンキャンパスに参加する
- 入学試験を受験する
- 合格したら入学手続きと学費を納める
大学中退者の入試方法は、AO入試や社会人入試などが一般的ですが、各専門学校によって異なります。
興味のある学校がどの方法を取り入れているか事前に確認しましょう。
4. 職業訓練・スクールでスキルをつける
大学中退後に職業訓練やスクールでスキルをつける選択肢は、実践的なスキルを身につけたい人におすすめです。スキルを身につければ、学歴の不安を技術や知識でカバーできるメリットがあります。
一方、スキル習得には時間と費用がかかったり、途中で挫折するリスクもあったりするため明確な目標設定が必要です。
手っ取り早くスキルを身につけるためには、職業訓練校やスクールに通うのをおすすめします。職業訓練校は国や自治体が運営しており、テキスト代以外は基本的に無料です。
反対に民間企業が運営しているスクールは受講料が必要ですが、柔軟なカリキュラムや最新技術を学べる傾向にあります。専門学校より短期間で学んでスキルを習得できるため、早く就職したい方にぴったりと言えるでしょう。
5. 資格を取得する
資格を取得する選択肢も、大学中退後の選択肢の一つです。明確な職業目標がある人や、就職活動で自分の価値をアピールしたい人におすすめです。
大学中退者は「スキルアップに向けた勉強ができるのか」と企業から思われやすい傾向にありますが、資格取得によって目標に向かって努力できる姿勢を証明できるでしょう。入社後の給与にも資格手当として反映される場合もあります。
一方、デメリットは、資格取得に時間がかかるため早期就職を希望する人には不向きです。難関資格の場合は時間とお金を費やしても、知識が不十分であれば合格は難しいため、慎重に決断する覚悟が必要と言えます。
6. 公務員試験を受験する
大学中退後、公務員試験を受験する選択肢もあります。公務員試験は高卒枠(地方公務員の一般職など)や大卒枠(国家公務員など)などの試験があり、大学中退者も受験可能です。
公務員は一般企業と比較して安定した雇用と福利厚生が整っており、地域によっては民間企業より高い給与水準の場合もあります。将来の安定性を重視している大学中退者の方に公務員はおすすめと言えるでしょう。
一方公務員試験は難易度が高く、長期的な勉強が必要です。また試験の種類によって年齢制限があるため、早めの受験対策が必要と言えます。
また高卒枠の場合、昇進に制限のある職種もあるため、キャリアアップの面で大卒者に比べて不利になる可能性もあります。
7. 海外留学する
海外留学する選択肢も、大学中退後の選択肢の一つです。語学力を高めたい人や国際的な視野を広げたい人におすすめです。
海外留学のメリットは、語学スキルの向上です。実際に現地で生活することで、生きた言語を学べる点が大きな強みとなるでしょう。また帰国後の就職でも留学経験を適切にアピールできれば、他者との差別化につながるはずです。
一方、留学は費用や生活費など経済的負担が大きいデメリットがあります。また留学していても企業が求める語学力や経験を満たしていない場合は、帰国後に就職活動をしても採用に至らない場合もあります。
8. 体調を優先して休養する
体調不良や精神的な疲れが大学中退の理由であれば、休養を優先するのも選択肢の一つでしょう。休養することで得られるメリットは次のとおりです。
- 心身の健康を取り戻すことで冷静な判断ができる
- 自分と向き合う時間が持てる
一方、デメリットは次のとおりです。
- 休養期間が長引くと社会復帰への不安が大きくなる可能性がる
- 経済的な余裕がなくなる可能性がある
- 空白期間が長いと「仕事を長く続けてもらえないのではないか」と思われやすい
大学中退後どんな道を選択するにしても、まずは健康であることが最優先です。
一時的に休養し体調を整えることで、未来への選択肢が広がるでしょう。
大学中退でも就職を成功させる3つのコツ
大学中退でも就職を成功させる3つのコツは下記のとおりです。
- 自己分析で強みや弱みを把握しておく
- 大学中退の理由を伝えられるようにする
- 就職支援サービスを利用する
大学中退の方に対して、企業は「なぜ中退したのか」と疑問を抱く場合がほとんどです。
返答次第ではマイナスな印象に変わってしまう場合もあるため、伝え方を工夫する必要があるでしょう。
また、大学中退者に限らず、自分をアピールすることが就職活動において重要です。
企業にどう伝えたらいいかわからない、自分のアピールポイントが見つからない方は、就職支援サービスの利用も検討してみてください。
1. 自己分析で強みや弱みを把握しておく
大学中退者が就職を成功させるには、自己分析で強みと弱みを明確にすることが重要です。企業は学歴だけでなく、今後の成長を評価してくれる可能性があるためです。企業から「将来的に活躍できる人材だ」と思ってもらえれば、採用に至りやすくなるでしょう。
また、強みと弱みを知っておくと就職後にも役立ちます。強みを活かせる仕事に就けば楽しみながら作業を進められるようになり、弱みを前もって把握しておけば克服するために何をしたらいいかを自分で考えられるようになるでしょう。
自己分析で強みと弱みを把握する方法は下記のとおりです。
- 過去の経験を振り返る
- 仕事で大切にしたい価値観を考える
- 自分史を作成する
自分を知ることで説得力のある志望動機も作れるようになるでしょう。
2. 大学中退の理由を伝えられるようにする
大学中退でも就職を成功させるためには、大学中退の理由を伝えられるようにしておきましょう。
面接官は大学中退の理由を知ることで、次の2点を確認しているためです。
- これからの仕事に中退理由が影響しないか
- 就業意欲があるのか
「勉強についていけなかった」といった消極的な理由では、企業側は「仕事も同じように辞めるのでは」と不安を感じます。中退理由を前向きに伝えることができれば、企業の懸念を払拭できるでしょう。
中退理由を前向きに伝えるポイントは、中退後に行動したことや学んだことを具体的に説明し、中退後の経験が仕事にどう活かせるのかを明確にすることです。
効果的な回答例を以下の表にまとめました。ぜひ参考にしてください。
中退理由 | 効果的な伝え方の例 |
---|---|
目標変更 | 「周りから勧められて大学に進学しましたが、講義内容に興味が持てませんでした。 高校卒業前に将来を考えるべきだったと反省しています。 今回は自己分析や企業研究を通じて、相手の役に立つサービスを提供する側に立ちたいと思い、貴社を志望いたしました。」 |
経済理由 | 「家庭の事情で学費を工面するのが難しくなり、中退を決断しました。 今後は経理職に就きたいと考え、生計を立てながら簿記の資格を取得しました。 身につけたスキルを貴社で活かしたいと考えております。」 |
大学中退理由を面接で効果的に伝える方法は「大学中退理由は武器になる!履歴書/面接での効果的な伝え方」の記事を参考にしてください。
3. 就職支援サービスを利用する
大学中退者でも就職を成功させるには、就職支援サービスの利用がおすすめです。
就職支援サービスとは、仕事をしたい人と企業をマッチングするサービスのことです。
就職支援サービスを利用するメリットは次のとおりです。
- 大学中退者でも応募可能な求人を紹介してくれる
- 履歴書添削や面接対策を受けられる
- 大学中退理由の伝え方のコツについて的確なアドバイスがもらえる
主な就職支援サービスは、下記を参考にしてください。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
ハローワーク | ・求人数が多い ・個別サポートは他のサービスと比べると薄めである |
ジョブカフェ | ・若者向けにカウンセリングやセミナーを実施している ・地域によって提供サービスがが異なる場合がある |
就職エージェント | ・専任のアドバイザーがつく ・年齢制限が設けられている場合がある |
専門家のアドバイスを受けながら、自分に合った就職先を見つけましょう。

大学中退でもなんとかなると思う時によくある質問3選
大学中退でもなんとかなると思う時によくある質問3選は下記のとおりです。
- 大学を中退してよかったと思っている人の理由は?
- 大学中退者の体験談は?
- 大学中退を選んだ時の親の気持ちは?
ぜひ参考にしてください。
大学を中退してよかったと思っている人の理由は?
大学を中退してよかったと思っている人の理由は「在学中のストレスから解放された」「社会人経験を同世代より早く積めた」などがあります。
多くの人が新たな一歩を踏み出せたことにポジティブな価値を見出しています。
自分の選択に納得したうえで前向きに行動できれば、中退経験が人生の転機となるでしょう。
大学を中退してよかったと思っている人の詳細については「大学中退してよかった理由と後悔した理由を実際の声から解説」の記事も参考にしてください。
大学中退者の体験談は?
大学中退者の体験談では、大学生活とのミスマッチや学費や経済的な理由などさまざまです。しかし、大学時代につらさを感じていても、以下のように就職できた例もあります。
理学療法士を目指して大学に入学しましたが、学ぶうちに自分には合わないと気づき中退。中退後は就職支援サービスを活用して、インテリアの総合商社に就職。職場の雰囲気が明るく、大学中退も良い選択だったと実感。
大学中退者のほかの体験談については「大学中退者の今を聞かせてくれ|その後は就職できた?体験談を紹介」の記事を参考にしてください。
大学中退を選んだ時の親の気持ちは?
大学中退を選んだ時の親の気持ちは、子どもの将来を案じる不安や投資した学費への後悔が入り混じった複雑なものだと考えられます。しかし、多くの親は最終的に子どもの幸せを最優先に考えているはずです。
親は子どもが後悔しないよう不安だからこそ、中退が意味のある決断だと分かるような説明や今後の計画を誠実に伝えれば、理解を示してもらえるでしょう。
大学中退を選んだ時の親の気持ちについては「大学中退者が親不孝で終わらないための4ステップ」の記事を参考にしてください。
まとめ
大学中退していいのか悩むかもしれませんが、なんとかなる傾向にあります。
調査結果でも大学中退後に就職している人が大半でした。また、中退後の道は一つではなく就職・再入学・資格取得など選択肢もたくさんあります。
10〜20代は就職も学び直しもしやすい年代です。
中退を機に自分の本当にやりたいことを見つけられた人も少なくありません。
一方で、中退後に後悔しないためには、次のポイントを押さえることが重要です。
- 中退理由を前向きに説明できるようにする
- 自己分析で強みや弱みを把握しておく
- 大学中退者向けの就職支援サービスを活用する
ぜひ前向きな気持ちで一歩を踏み出し、自分らしいキャリアを築いていきましょう。

こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい
当社の就職に関するコンテンツの中から、大学中退後の就職活動に不安を感じている方向けに、就活で困りがちなことを解決するための記事をまとめました。
- 大学中退後の就活のやり方!正社員になるための6つのやり方
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