大学を退学しても就職できる? 中退との違いや正社員就職のコツを解説

大学を退学しても就職できる? 中退との違いや正社員就職のコツを解説

大学退学しても、正社員として就職することは可能です。なぜなら、学歴よりも人柄や意欲を重視して採用を行う企業は多いからです。

退学という選択肢にはリスクもチャンスもありますが、「最終学歴が高卒になる」「就職に不利では?」などの不安があっても、正しい情報と戦略があれば適切に対処できます。

本記事では、退学の基礎知識から退学後の進路、メリットとデメリット、後悔しないために知っておきたいことを解説します。

この記事を読むと、退学を決断する前に知っておくべき現実と、退学後に後悔しない方法が分かります。これからのキャリアにつなげるため、正しい一歩を踏み出しましょう。

記事のPoint
  • 一般的に、中退は自ら学校を辞めることで、退学は学校側から辞めさせられること
  • どちらのケースでも、履歴書には「中途退学」と記載するケースが多い
  • 大学を退学したとしても、一般企業への就職は可能
  • 「大学退学後に就職を成功させるポイント 6選」を実践して、正社員就職しよう!
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
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「退学」の基礎知識

退学とは、卒業する前に正式な手続きを経て学校を辞めることです。よく似た言葉に「中退」がありますが、これは「中途退学」の略で、自主的な理由で辞める場合に使われるのが一般的です。

一方「退学」は自主退学のほかに、学校側の判断によって強制的に辞めさせられる「退学処分」も含まれます。

本章では退学と中退の違いや、自主退学と退学の違い、大学の退学理由、退学届を出す方法と注意点について解説します。

「中退と退学はどのような違いがあるの?」と思った方は、以下の記事もご覧ください。

1. 退学と中退の違い

大学を辞める方法は、退学と中退の2種類が存在します。そもそもこの違いは何なのでしょうか。

中退とは、中途退学を略した言葉となり、大学を途中でやめることを意味します。
一方、退学とは、何らかの理由で学校側から辞めさせられる場合を指します。

中退と退学はやめること自体に違いはありませんが、中退は自ら学校を辞めることで、退学は自分の意思ではなく学校側から辞めさせられることです。

学校を卒業することなく辞めた点に違いはないため、履歴書に書く際は「中途退学」と記載するケースが多いです。ただし、大学を中退もしくは退学した経歴を隠して、記載しないことは学歴詐称となります。

大学中退や退学によって悪いイメージを持たれることもありますが、必ず履歴書に嘘は書かないようにしましょう。

2. 自主退学と退学の違い

自主退学と退学に大きな違いはありません。

自主退学とは、その名の通り自分の意思で学校をやめることを指します。
一方、退学とは学校側もしくは自ら大学を退学することです。

自主退学と退学に大きな違いは存在しておらず、履歴書にはそれぞれ同じく「中途退学」と記載することになります。

しかし、大学を強制退学となった場合、履歴書には「強制退学」と記載が必要です。強制退学とは、学生の意思は関係なく大学側から強制的に退学を言い渡されることを指します。

履歴書に中途退学と記載されていても空白期間や中退理由を問われるだけですが、強制退学の場合は人格や行動に問題ないか確認されるケースが多いです。大学を退学経験のある人は、どのような形で退学になったのか把握しておく必要があるでしょう。

3. 大学の退学理由

大学を退学する理由は、人によって大きく異なります。文部科学省「新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けた学生等の学生生活に関する調査等の結果について(13p)」によると、以下の通りです。

  • 経済的な理由:16.7%
  • 転学:16.1%
  • 学校生活不適応:15.3%
  • 就職:13.9%
  • 学業不振:6.9%
  • 心神耗弱疾患:3.6%
  • 病気、ケガ、死亡:3.2%
  • 海外留学:0.5%

最も多い「その他」の回答を除くと、経済的な理由で大学を辞める人が最も多いようです。
大学に入学するためには学力が必要ですが、同時に金銭的な部分も用意が必要となります。

また、転学や学校生活でうまくコミュニケーションを取れないなども、大学を退学する理由となるようです。

4. 退学届を出す方法・注意点

大学で退学届けを出す方法は、以下の通りです。

  • 学生課(事務室など)で「退学届」を受け取る
  • 退学届に必要事項の記入と捺印
  • 大学担当者に退学届を確認してもらうい、問題ない場合は学生証を返却して退学手続き完了

基本的に退学届けを提出する際に、複雑な手続きは必要はありません。
退学届を受け取り、記入と捺印が完了した指定の場所に提出するだけです。

また、退学届が受理された場合、数日〜週間後に大学から退学証明書が送付されてきます。
大学を退学したことを証明する書類となるため、必ず受け取り保管しておきましょう。

退学届を出す際の注意点は、期日までの提出が必要な点です。一般的に大学は、前期(4月~9月)後期(10月~3月)に分かれており、前期もしくは後期が始まるまでに大学を提出する必要があります。

退学届の提出に遅れてしまうと、次の時期の学費を支払う必要があります。場合によっては前期もしくは後期の学費を全額支払う必要があることもあるため、退学が決まった場合はいち早く手続きを進めましょう。

中退と退学について知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。

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大学を退学したらどうなる? 正社員就職はできる?

大学を退学しても、正社員として就職することは十分に可能です。大卒が条件の求人もありますが、学歴だけで採用が決まる時代ではなくなりつつあるからです。

企業によっては、人物重視の採用やポテンシャル採用を行っており、退学後にどのような経験を積んだか、どのような姿勢で働こうとしているかが重要視される場合があります。

また、退学後にフリーターとして働きながら社会人スキルを磨く人や、専門性のある職種に進む人も少なくありません。

退学は人生における選択肢の1つであり、将来の可能性を閉ざすものではありません。正しい準備と行動によって正社員就職の道は十分に開けます。

大学を退学しても就職できる

大学退学にネガティブなイメージがある場合は「大学を退学しても、一般企業へ就職できるの?」と疑問を持つことがあるでしょう。

しかし、大学を退学したとしても、十分一般企業へ就職が可能です。独立行政法人労働政策研究研修機構が実施した調査によると、大学中退者の26.4%が正社員として働いているようです。

中退者の約2割以上が正社員としての就職に成功していることから、現実的に不可能なことではありません。大学退学者に適した方法で就活することで、希望する会社へ就職できるでしょう。

参考元:独立行政法人労働政策研究研修機構が実施した調査(28p)

退学者の将来は必ずしも暗くはない

大学を退学した場合、最終学歴が「高卒」となるため、大学卒業者よりも就職面で不利になったり、世間からの悪いイメージを当てはめられやすいです。

しかし、大学退学者の将来が必ずしも暗いわけではありません。大学を退学したことで、自分の将来について深く考える時間が持てたり、やりたいことへいち早く取り組むことができるようになります。

大学を退学したことで、結果的にやりたい仕事を始めることができ、仕事面プライベート面でも充実している人も存在しているのです。一般的に「大学を退学した」と聞くとネガティブなイメージを持たれがちですが、その後の行動で将来は大きく変わります。

大学を退学しただけでは将来が暗くなることはありませんので、自分の将来について深く考えて、最適な退学後の行動を行いましょう。

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退学のメリット

退学にはネガティブなイメージがつきがちですが、自分の意思で進路を変更することで新たな目標に集中できたり、経済的な負担を軽減できたりするなど、状況によってはプラスに働くケースもあります。
また、退学後にできた時間を有効活用して、社会人経験に時間を費やせる点も大きなメリットです。

このように、退学は必ずしも後ろ向きな選択ではなく、自分にとって前向きな道を切り開く一歩にもなります。

1. やりたいことに集中できる

退学すると、多くの時間を「自分の好きなこと」や「やりたいこと」に充てられます。

大学では決まったカリキュラムに沿って勉強を進める必要があり、自分の興味や関心と合わない授業にも出席しなければなりません。

一方、退学後はこうした時間を自由に使えるようになります。例えば起業したい、資格の取得を目指したいなど、明確な目標がある場合は退学によって時間的な制約がなくなるため、すぐに実践できるのです。

このように、大学を退学すると時間を自由に使えるため、自分の目標や好きなことに集中できる点は大きなメリットといえるでしょう。

2. 金銭面の負担が大きく減る

退学すると学費の支払いが不要になるため、金銭的な負担を大きく減らせます。

大学では年間で数十万円から百万円以上の学費が必要となるうえ、教科書代や交通費、生活費なども必要です。

さらに、実家を離れて暮らしている場合は、家賃や光熱費などの固定費も大きな負担になります。

退学するとこれらの支出を抑えられるため、経済的な余裕が生まれます。その分、資格の取得やスキルアップのための講座、就職活動や独立の準備に充てることが可能です。

退学後はアルバイトや正社員として早めに働き始めると、収入を得られる時期も前倒しになり、金銭面での自立も早まります。学費や生活費に悩んでいる人にとって、退学は現実的な方法といえるでしょう。

3. 社会人経験をすぐに積める

退学によって同世代よりも社会人経験を早く積めるのは大きなメリットです。大学に通っている間は、ビジネスの現場で働く機会は限られていますが、退学後はすぐにアルバイトや正社員として働けるからです。

若いうちから実践的なスキルやビジネスマナーを身につけられるため、履歴書にも具体的な職歴として書けるようになります。

また、早いうちに社会人として働くと、責任感やコミュニケーション力も養われます。これらは学歴では得られない「即戦力」として評価されるケースも多く、企業からの信頼にもつながるのです。

大学に残るよりも「社会で学ぶこと」を選ぶことで、実際の仕事を通じ、将来的に役に立つ経験を早く積める可能性もあるでしょう。

退学のデメリット

退学にはメリットがある一方で、最終学歴が「高卒」となる点には注意が必要です。

応募条件に「大卒以上」を求める企業が多くあり、その場合は選考の対象にならないケースがあります。また、退学の理由によっては採用担当者にネガティブな印象を与える恐れもあります。

さらに、学生という身分を失うため、学割や学生向けのサービスが使えなくなるのもデメリットの一つです。

1. 最終学歴が「高卒」になる

大学を退学すると、最終学歴は「高卒」となります。そのため、応募条件に「大卒以上」と記載されている求人に応募しても、書類選考の時点で不利になるのが退学の大きなデメリットです。

特に大手企業や一部の専門職では、いわゆる“学歴フィルター”(※)が存在する場合があり、就職のチャンスを逃す恐れがあるのです。

また、転職市場でも学歴が評価基準の1つとなるケースがあるため、キャリアの選択肢が狭まるリスクがあります。

従って、退学は就職や転職の場面で不利になりやすく、今後の進路を狭める可能性がある点は大きなデメリットといえます。

※学歴フィルター:応募者を機械的に絞り込むために、大学名や偏差値などを選考の基準とすること

2. 中退理由によっては採用で不利になる

採用担当者は履歴書や面接を通じて「なぜ中退したのか」という点に注目するため、中退理由によっては、就職活動で不利になる場合があります。

中退の理由が曖昧な場合や、ネガティブな印象を与えた場合は「就職してもすぐに辞めるのでは」と採用担当者が不安を抱く恐れがあるからです。

例えば「授業に興味が持てなかった」「大学に行きたくないから辞めた」などの理由は評価を下げる原因になります。

このように、中退理由の伝え方次第では採用担当者に不安を与えるため、就職活動で不利になる点はデメリットとして押さえておきましょう。

3. 学割などのサービスが使えなくなる

大学を退学すると学生の資格を失うため、学割や学生向けのサービスが使えなくなります。例えば、電車やバスの通学定期券の学割、映画館や美術館、博物館などの学生割引なども対象外になります。

これまで当たり前のように受けていた恩恵がなくなるため、出費が増えると感じるかもしれません。

また、学生ローンの利用や学生専用クレジットカードの契約も継続できなくなります。このような制度面の変化は見落とされがちですが、金銭的かつ精神的に影響を受ける場合もあります。

学生の身分を失うことで様々なサービスが利用できなくなることも、退学をするデメリットとして押さえておきましょう。

退学後に後悔しないために知っておきたいこと

退学後は就職先の選択肢が狭まる、生涯年収が下がる恐れがあるなど、人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、退学を決意する際は、将来的なリスクを正しく理解しておくことが重要です。

これらの現実を知らずに勢いだけで退学すると「あの時もう少し考えておけばよかった」と感じるかもしれません。

後悔しない選択をするためには、データや事実をもとに正しい情報を理解し、自分の将来像と照らし合わせながら判断しましょう。

1. 就職先の選択肢が狭まる

退学すると、大卒以上を応募条件とする求人へエントリーできず、就職先の選択肢が狭まる恐れがあります。

大学を退学した場合、最終学歴は高卒となり、大卒以上を条件とする求人には応募できないことが一般的です。特に大手上場企業や研究職では、大卒または大学院卒を必須とするケースが多く、書類選考の段階で対象外となる可能性があるのです。

一方、スキルや人柄を重視する企業では、学歴よりも熱意や適性を評価する場合も多く、中退者にも採用のチャンスが残されています。そのため、就職先が完全になくなるわけではありません。

ただし、応募可能な就職先の選択肢が狭まる点は事実です。従って、退学を選ぶ場合は現実的な影響を正しく理解することが必要です。

2. 生涯年収が下がる可能性がある

退学によって最終学歴が高卒になると、生涯年収が大きく下がる可能性があります。学歴は初任給や昇進、昇給などに影響するケースが多く、生涯年収に直結する場合があるからです。

労働政策研究・研修機構の調査によると、高卒と大卒では生涯で約4,000万円の収入差があるとされています。

定年までの生涯賃金(2023年・退職金を含まない場合)

性別高卒大卒(差)
男性2億880万円2億5,150万円4,270万円
女性1億5,440万円2億190万円4,750万円

出典:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024|21 生涯賃金など生涯に関する指標」p.303-304

ただし、すべての人がこの統計どおりになるわけではなく、スキルアップや転職、独立や起業によって収入差が逆転する人もいます。退学を決める場合は、その後の学習意欲やスキルの獲得、キャリアの方向性を明確に持って行動できるかがポイントです。

3. フリーター期間が長くなると就職で不利になる

フリーターとして長期間働き続けると、正社員への移行が難しくなる傾向があります。

フリーターの期間が長くなるほど、企業は「なぜ正社員として働いてこなかったのか」「定着性に問題はないか」などの点を懸念するからです。

労働政策研究・研修機構の「若者のワークスタイル調査」では、フリーター歴が長くなるほど正社員として就職するのが難しい現実が明らかになっています。

男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合

出典:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から|図表4-33 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合」p.128

「フリーター歴1年以内」であっても正社員になれる割合は下がりますが、1年を超えてフリーター生活を送っている人の正社員就職率はさらに低下します。

これは、年齢を重ねると「未経験者歓迎」の求人が減り、求められるスキルや実績が高まるのが主な理由です。

また、フリーターとしての経歴が長くなると、面接時に説明を求められたり、他の応募者と比較されたりした際に不利になる場面も出てきます。

「とりあえずフリーターを続けようかな」と何となく過ごしていると、気付いたときには正社員就職で不利になっている恐れがある点は理解しておきましょう。

退学後の5つの進路

退学した後の進路は1つではなく、正社員として働く道、フリーターや派遣社員、契約社員として働く道、公務員を目指す道、別の学校へ進学する道など、さまざまな選択肢があります。

それぞれの進路にはメリットだけでなくデメリットもあります。収入の安定性や将来のキャリア、学び直しにかかる費用や時間など、確認すべき点は多くあるため、自分の価値観や目標、経済状況も踏まえて、無理のない方法を選びましょう。

1. 正社員として働く

退学後の進路として、安定した生活を目指せるのが正社員として働く方法です。若年層であれば、未経験OKや学歴不問の求人も多く存在し、中退後も比較的チャレンジしやすいといえます。

正社員として働くメリットは、安定した給与や福利厚生、社会保険への加入、昇給や賞与などが得られる点です。また、キャリアの形成にもつながりやすく、長期的なスキルアップや昇進も見込めます。

ただし、多くの企業では大卒を条件にしている場合もあるため、応募できる求人の幅が限定される点には注意が必要です。

履歴書や面接では退学の理由を前向きに伝えつつ今後のビジョンを明確にすると、学歴にとらわれない評価を得られる可能性が高まります。行動が早いほど就職先の選択肢が広がるため、まずは情報収集から始めてみましょう。

2. フリーターとして働く

退学後にフリーターとして働くという方法は、生活費をすぐに得る手段として現実的なうえ、時間の自由度も高いというメリットがあります。未経験からでも始めやすく、職種の幅も広いため、自分に合った仕事を見つけやすいのも特徴です。

また、時間に余裕を持たせて自分のやりたいことに取り組んだり、資格の取得や副業などと並行しながら働いたりすることも可能です。

一方で、フリーターは収入が安定しづらく、社会保険や福利厚生が受けられない場合がある点は大きなデメリットといえます。さらに、フリーターの期間が長引くと正社員への就職が難しくなるケースがあり、将来的なキャリアにおいて不利になる可能性もあるのです。

そのため、フリーターを選ぶ場合は目先の収入にとらわれすぎず、「いつまでに正社員になるか」「どのような職種に就きたいか」といった明確な目標を持って行動するのをおすすめします。

3. 派遣や契約社員として働く

大学を退学した後は、派遣社員や契約社員として働く方法もあります。正社員よりも採用のハードルが低いケースが多く、学歴不問や未経験歓迎の求人が多く存在するからです。

実務経験を積む中で、自分に向いている業種や職種を見極められたり、社会人マナーを学べたりと、こうした点も派遣や契約社員として働くメリットといえます。

「紹介予定派遣(※)」として働ける案件もあり、この場合は派遣から正社員へのステップアップも可能です。

ただし、派遣社員や契約社員はあくまで非正規雇用です。雇用の安定性や収入の多さといったことは、正社員よりも期待できない点があることを理解しておきましょう。

※紹介予定派遣:正社員(または契約社員)になることを前提に、一定期間「派遣社員」として働く仕組み

4. 公務員として働く

安定した生活を重視したい人にとって、公務員を目指すのは1つの有力な選択肢です。公務員は国や地方自治体に雇用(任用)される職業であり、雇用の安定性や福利厚生の充実度が高いうえ、試験で実力が評価される点が魅力です。

公務員試験には「高卒程度」など学歴別の区分があるため、大学中退者も受験可能な枠が設けられています。また、専門的なスキルがなくても、筆記試験や面接の対策を適切に行えば合格を目指すことが可能です。

ただし、公務員試験は倍率が高く、合格には十分な準備と継続的な学習が必要です。経済的に余裕があれば、予備校や通信講座を活用して学ぶ方法もあります。

安定した将来を目指す人にとって、公務員という進路は魅力的な選択肢の1つです。

5. 別の学校に進学する

大学を退学した後、自分に合った学校へ進学し直すという方法もあります。「今の学部や学科が自分に合わなかった」「他に学びたい分野が見つかった」などの理由で、別の大学や専門学校に進学する人は多くいます。

再進学のメリットは、自分の意思で選んだ環境でモチベーション高く学べることに加え、将来的に大卒や専門卒の学歴を得られる点です。これにより、就職やキャリアの選択肢も大きく広がります。

一方で学費が必要なため、経済的な計画が必要です。場合によっては奨学金や教育ローンの利用も視野に入れ、無理のないプランで再スタートを切りましょう。

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【3ステップ】大学退学後に正社員就職を成功させる方法

大学を退学した後に正社員就職を成功させるには、求人に応募するだけではなく、戦略的な準備とサポートの活用が重要です。

大学中退者を積極的に採用している企業や、サポート体制が整った就職支援サービスが存在しているため、学歴だけで未来が決まる時代ではありません。

本章では、大学退学後に正社員就職を成功させる方法を、3つのステップで解説します。

  • ステップ1:就職支援サービスに登録する
  • ステップ2:未経験でも採用されやすい業界・職種に絞る
  • ステップ3:退学者がよくされる質問への回答を考える

ステップ1:就職支援サービスに登録する

大学退学後は、就職支援サービスに登録してプロのサポートを受けるのが成功への近道です。求人の紹介や履歴書の書き方、面接対策まで一貫して無料でサポートしてくれるため、1人で悩まずに就職活動を進められるからです。

大学中退者向けに特化したサービスでは、学歴よりもポテンシャルや人柄を重視する企業とのマッチングを支援してくれるため、ミスマッチを防げる点が大きな強みといえます。

大学退学後は「正社員として就職したいが、何から始めればいいか分からない」というケースが多いため、まずは就職支援サービスの登録からスタートしましょう。

ステップ2:未経験でも採用されやすい業界・職種に絞る

退学後の就職活動では、求人を幅広く探すよりも、未経験者の採用実績がある業界や職種に狙いを定めましょう。大学退学者は新卒枠ではなく中途採用枠での応募となるケースが多いため、社会人経験がなくても応募できる求人を選ぶことで就職成功率が高まるからです。

未経験でも採用されやすい業界や職種は次のとおりです。

  • 営業職
  • 接客・販売職
  • 介護・福祉業界
  • 未経験可のITエンジニア職

これらの分野では学歴よりも人柄や意欲を重視する企業が多く、面接で前向きな姿勢や長く働く意志を伝えれば、内定につながる可能性が高まります。

一方で、学歴不問・未経験可を強調する業界の中には、長時間労働や法令順守が不十分な企業も存在します。そのため、応募前には企業の口コミや離職率、業績などを確認しましょう。

ステップ3:退学者がよくされる質問への回答を考える

面接でよく聞かれる退学理由や空白期間の過ごし方への回答を準備し、ポジティブに伝えましょう。就職活動では大学を中退した理由や、その後の過ごし方について質問される可能性が高いからです。

面接で曖昧な答えやネガティブな内容を伝えると採用担当者に不安を与えるため、内定の獲得が難しくなるかもしれません。

特に退学理由は面接官が知りたいポイントのため、納得感のある説明が求められます。空白期間については、何もしていなかったと思われるとマイナス評価になる可能性が高いため、自己研鑽や行動実績を交えて伝えましょう。

退学理由

面接で退学理由を伝える際は、事実を簡潔に伝えたうえで、学んだ点と今後の意欲につなげると面接官に良い印象を持たれます。

大学退学について質問された場合、特に重要なのは伝える順番です。

おすすめの流れは「事実 → 退学に至った理由 → 退学後に得た学びや成長 → 今後の意欲」です。この順序を意識すると、感情的な説明を避けつつ前向きな印象を残せます。

退学という事実のみを伝えるとマイナスに映りがちですが、進路を真剣に考え直した結果として説明すれば、主体性や判断力として評価されます。

退学理由の例文は次のとおりです。

経済学部に在籍していましたが、理論よりも人と直接関わる仕事に強いやりがいを感じるようになりました。そのため、自分の進路を改めて見直す必要があると考え、大学を中途退学しました。
退学後は接客業のアルバイトに取り組み、お客様との信頼関係を築く経験を重ねました。現在は、人と向き合いながら成果を出せる営業職に挑戦したいと考え、御社を志望しています。

このように、退学を成長の起点として説明すると、納得感のある話になります。

空白期間の過ごし方

空白期間がある場合は、その期間をどのように過ごしたかを具体的に伝えましょう。「何を考えて、何に取り組んでいたか」を強調すると印象が良くなります。

空白期間の過ごし方の例文は、次のとおりです。

退学後は、将来どのような環境で働きたいかを明確にするため、自分自身と向き合う時間を意識的に取りました。
まず自己分析を行い、得意なことや価値観を整理しました。そのうえで業界研究や企業研究を進め、人と信頼関係を築きながら成果を出す仕事にやりがいを感じると気づきました。
あわせて、就職後すぐに業務へ対応できる状態を目指し、ビジネスマナー講座を受講しました。WordやExcelの基本操作も学び、資料作成やデータ入力を想定した練習を重ねました。
大学を自主退学してからの日々の中で、目的を持って行動する重要性を特に痛感しました。現在は営業職として、相手の課題を理解しながら提案できる人材になることを目指しています。

このように、空白期間を「成長の時間」として説明すると、印象を大きく変えられます。面接での説得力を高めるためにも、自分の言葉で練習し、自信を持って答えられるようにしておきましょう。

大学退学後の就活のポイント

大学を退学した後に就職を目指す場合、成功のポイントとなるのはスピード感と準備、周囲のサポートです。

具体的には、できるだけ早く行動して情報収集を始めること、資格やスキルを習得して面接でアピールできる材料をつくること、そして信頼できる人からアドバイスをもらい、自分を客観視すると内定の獲得につながります。

退学という選択に不安を感じるかもしれませんが、早めに行動を起こし、適切な準備を重ねれば正社員就職は十分に目指せます。

次に紹介するポイントを参考に、内定を目指しましょう。

1. できるだけ早く行動する

大学退学後に就職を目指す場合は、出来るだけ早く行動することを意識しましょう。大学を退学すると次の進路が決まるまで、空白期間として履歴書に記載されることになります。

履歴書の空白期間が長ければ長いほど、面接時に伝える方法が難しくなり、面接官から「この人は行動が遅い人なのかな?」と思われてしまいます。面接時にこれまでの出来事を事細かに伝える時間はないため、行動で示す必要があるのです。

また、就活までの行動が遅いほど、次のアクションへ進みづらいです。どんどん就職活動が億劫になってしまい、現状のフリーターや非正規雇用ニートとしての生活から抜け出せなくなります。

行動に移すことができなければ履歴書の空白期間が伸びるだけですので、メリットは存在しません。就職成功率を下げる前に、出来るだけ早く行動するようにしましょう。

2. 資格やスキルを身につける

大学退学後に就職を目指すなら、資格やスキルを身に着けることも重要です。出来るだけ早く就活を始めて就職を成功させることもできますが、一部の企業には資格がなければ応募すらできないことがあります。

自身の希望する企業や業界が決まっている場合は、需要の高い資格がないか確認しておきましょう。資格なしで応募できる場合でも、取得しておくことで大幅に就職成功率をアップさせられることがあります。

資格を取得することで効率的に就活できるなら、資格学習に力を注いだ方がいいことがあるため、目標に合わせて選択が必要です。ただし、必ずしも資格が求められるわけではありません。

現場経験がなければ取得できない資格も存在するため、資格取得のメリットと活動を始めるメリットを十分に検討した上で行動するようにしましょう。

3. 周りに相談して「客観的な意見」をもらう

大学退学後に就職を目指す場合は、周りに相談するようにしましょう。自分一人で就活を進めていると、現状を客観視できないことがあります。

周りから見て自分の状態はどうなのか、採用したいと思われる人材なのか、など周りに相談することで見えてくることがあります。家族や友人など、信頼できる人に相談することで、効率的な就活を実現可能です。

また、客観的に自身を把握する際は、人からの意見だけではなく自己分析を行うようにしましょう。自己分析とは、自分の強みや弱み向いている仕事を把握して、就活の参考にする方法です。

就職できた場合でも自分が苦手とする業界なら、上手く本体の力を発揮できないことがあります。一方、自分に合った職種企業へ就職することができれば、無駄な労力を使うことなく仕事を進められます。

就職してもすぐ離職してしまうなら、真の意味での就職成功とは言えません。自分が納得のいく企業に就職するためにも、周りへの相談や自己分析は積極的に行うようにしましょう。

4. 採用されやすい企業業種を選択する

大学退学者が一般企業へ就職した場合は、採用されやすい企業業種を選択することが重要です。特に学歴不問や若年層を中心に応募している求人は、大学退学者でも十分に就職できる可能性が高いです。

また、大学中退で就職を目指す場合は新卒ではなく、応募枠が中途採用者になります。大学退学者で社会経験がない場合は、未経験でも採用可能としている企業を積極的に応募しましょう。面接対応や面接官との対応に問題がなければ、就職に成功する可能性が高いです。

ただし、大学退学者でも採用されやすい企業業界の中には、長時間労働や労働基準法を守らない企業があります。いわゆるブラック企業は、入社してしまうと辞めるまでのハードルが高く、勤務中に精神的に疲れてしまう可能性が高いです。

経歴不問未経験可の求人に応募する場合は、従業員の口コミや業績など、事前に企業分析を実施しておきましょう。

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大学退学後の履歴書の書き方

ネガティブなイメージを持たれがちな大学退学ですが、就職を成功させるためには履歴書の書き方が非常に重要です。ここでは、理由ごとの大学退学の履歴書の書き方を解説します。

やむを得ない理由で退学した場合

家庭の事情や両親の介護など、やむを得ない理由で大学を退学した場合は、履歴書に簡単な内容を記載するようにしましょう。

両親の介護で退学したなら「両親の介護のため」と記載し、経済面で退学した場合は「経済的な理由」として、中途退学と記載するようにしましょう。やむを得ない事情を事細かに履歴書へ書く必要はなく、簡潔に内容を記載するだけで問題ありません。

また、やむを得ない事情が解決している場合は、その旨も併せて記載しておきましょう。

ポジティブな理由で退学した場合

留学や専門学校への進学など、ポジティブな理由で大学を退学した場合は、積極的に履歴書へ詳細を記載しましょう。大学を退学したこと自体はマイナスイメージと捉えられがちですが、目的に向かって活動している場合、アピールポイントになります。

アメリカに英語学習のため留学した場合は「〇〇大学 中途退学(アメリカ〇〇大学に語学学習のため留学)」と記載すれば、退学のマイナスイメージを減らして調整した内容をアピール可能です。

退学にマイナスなイメージがある場合でも、積極的にポジティブな理由を記載することで、行動力をアピールできるでしょう。

ネガティブな理由で退学した場合

出席日数が足りない学業不振など、ネガティブな理由で大学を退学した場合は、細かい内容の記載は不要です。履歴書には「〇〇大学 中途退学」と記載するだけで、大学を退学したことを伝えられます。

中退理由について一言伝えたい場合は「一身上の都合により」と記載しておきましょう。ただし、面接時に退学理由を問われることが多いため、回答は事前に用意しておきましょう。

履歴書には正しい情報を書く必要がある

就活時に必ず記載する必要のある履歴書ですが、原則正しい情報を書く必要があります。大学を退学したことを記載することなく、卒業したことを記載することは禁止です。

また、大学に入学したにもかかわらず、高校卒業後の進路を記載しないことも学歴詐称となります。ネガティブなイメージを持たれがちな大学退学ですが、誤った情報を記載することが1番のNGです。

大学を退学したこと自体に問題はありません。面接官が大学を退学した理由を問うのは、自社で問題なく働けるかを確認するためです。面接官の主観ではないため、学歴を詐称するのではなく、正しい情報を伝えて企業の戦力になる人材であることをアピールしましょう。

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
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まとめ

大学を退学することにメリットデメリットは存在するものの、行動自体に問題はありません。大学を退学した場合でも、履歴書の書き方や面接対応など、ポイントを抑えることで就職を成功させることが可能です。
また、一人で就活を進めるのではなく、周りに相談したり専門的なサービスを利用したりすることが重要です。

就職活動が不安な場合は、就職エージェントの利用がおすすめです。専任アドバイザーが自己分析から、企業研究、面接対応までサポートしてくれます。

この記事で、大学を退学した人も就活のポイントを把握し、就職カレッジ®を利用して就職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

中退就職カレッジのご紹介
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  • 学歴に自信がないから就職できるか不安
  • 就職について、誰に相談したら良いか分からない
  • 中退しようかどうかを迷っている
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ABOUT US
小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。