大学を中退することで同年代よりも早く社会経験が積めたり、ストレスから解放されるといったメリットはあるものの、応募できる求人の幅が減ったり、初任給が下がるなどの注意点がありますので、後悔しない選択をしましょう。
この記事では、大学中退の定義や中退理由、その後の進路から中退手続きの流れまで分かりやすく解説します。




この記事の目次
大学中退とは?
大学中退とは、在学中の大学を卒業する前に、自身の意思で退学することを意味します。大学を中退する理由は様々であり、学業を継続することが困難になることや進路変更などが挙げられます。
大学を中退することで、最終学歴が高卒になるほか、社会的な評価や就職先の選択肢にも関わるため、短期的な観点だけでなく中長期的な視点で判断することが重要です。
また、親に学費を払ってもらっている場合は、あらかじめ親に相談した上で大学中退の判断をすることが重要です。
経済的な事情や入学した大学とのミスマッチなど、自分だけでは致し方がない状況にあるかもしれませんが、一度中退してしまうと基本的には復学することができないため、慎重に検討することが求められます。
大学中退するとどうなる?
大学を中退すると最終学歴は高卒になるため、大卒以上の学歴を求める求人に応募できなくなります。加えて、新卒として就活ができなくなることから、1社目の就職で大企業を狙うことが難しくなったり、初任給が大卒に比べて低くなるなど様々なデメリットが挙げられます。
一方、若いうちから社会経験を積む機会が得られますので、社会に出たら学歴よりも経験が重視される日本社会においては少なからずメリットがあります。
それだけでなく、学歴や経験に関係なく就職できる求人は多く募集されており、大学中退したからといって就職できなくなるわけではありません。
大学中退する場合は、就活を見据えて「自身がなぜ中退したいと考えているのか」や、中退後の就活計画を明確にすることを意識しましょう。
大学中退の現状
大学中退者は増加傾向
文部科学省の令和5年分のデータによると、大学中退率は2.01%です。大学生の50人に1人が中退しており、大学中退は珍しいこととは言えません。
また、直近での大学中退者は増加傾向にあることが分かります。令和4年の大学中退率が1.94%だったのに対し、令和5年度は2.10%となっています。
年度 | 大学中退者数 | 学生数に占める中退者数の割合 |
---|---|---|
令和5年度 | 56,710人 | 2.10% |
令和4年度 | 52,459人 | 1.94% |
令和3年度 | 57,875人 | 1.95% |
令和2年度 | 57,913人 | 1.95% |
令和元年度 | 74,129人 | 2.50% |
参考:令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について
参考:学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査【令和3年度末時点】
大学中退者の増加の背景には、学費の負担や将来への不安、大学生活でのミスマッチなどが挙げられます。また、近年では早期に社会に出て経験を積む選択を選ぶ学生が増加しているといった特徴が見られます。
新卒一括採用や終身雇用など、従来のキャリア形成の方法が崩れてきていることもあり、大学を中退しても将来生きていけなくなることはありませんので安心してください。
大学を中退する人は何年生が多い?
労働政策研究・研修機構の調査によると、大学を中退する人は2年生が1番多いという結果になっています。男女別に見てみると男性は4年生以上が多く、女性は2年生が多いです。
中退年次 | 男性 | 女性 | 合計 |
---|---|---|---|
1年生 | 12.3% | 27.5% | 17.0% |
2年生 | 28.4% | 37.1% | 31.1% |
3年生 | 26.4% | 17.9% | 23.8% |
4年生 | 32.9% | 17.5% | 28.1% |
2年目で中退する人が多い理由としては、入学時の期待と現実のギャップが明らかになりやすいタイミングであることが挙げられます。
また、大学によって3年次に進む際に必要な単位が設けられていることもあり、うまく単位が取れずに留年が決まった段階で中退する人が一定数いることの裏付けとも捉えられます。
大学を中退する理由
大学を中退する理由は人によって様々ですが、就活を見据える上で自身の大学中退理由を明らかにしておく事は非常に重要です。ジェイックが発表した「2023年度中退データ集」によると、大学中退理由は以下のようになっています。
- 授業内容に興味が持てなかったから(27.9%)
- 留年したから(22.8%)
- 経済的事情・家庭問題(17.9%)
- 授業についていけなかったから(14.8%)
- 体調不良(7.2%)
- サークルや部活、バイト等に熱中したから(4.5%)
- 気の合う友人がいなかったから(4.1%)
- 同期や友人が就職・卒業したから(0.7%)
このように、大学中退理由は自身の家庭環境や大学に通うモチベーションの低下などが大部分を占めています。
ここからは、統計データをもとに主な中退理由を詳しく解説しますので、自身の置かれている状況と照らし合わせてみてください。
授業内容に興味が持てなかったから(27.9%)
大学の授業内容が興味や将来の目標と合っていないことに気づき、学び続ける意欲を失ってしまう人は多くいます。特に入学時に興味を持っていた学部に入学したものの、実際の授業やカリキュラムが想像と異なり、モチベーションを保てなくなることがあります。
学ぶ興味が持てない状態が続くと、出席率や成績が下がって単位が取れなくなり、結果として留年や中退に繋がりやすくなります。
こうした理由の場合、進学前の情報収集や授業内容の把握不足が原因であることが多いため、中退を検討する際は進路変更や転学などの選択肢も含めて判断することがおすすめです。
留年したから(22.8%)
単位が足りずに留年してしまう事は、大学中退理由の中でも2番目に多く見られる原因です。必修科目で単位が取れなかったり、出席日が不足しているなどの原因で進級ができずに在学期間が伸びてしまうと、学費や生活費の負担が増えてしまいます。
特に私立大学では年間の学費が100万円を超えることも少なくなく、留年による家計への影響を鑑みて、親と相談した上で中退を選ぶ学生も見られます。加えて、同級生が先に卒業してしまうことで大学に通うモチベーションが下がり、自ら中退の意思を決める人もいます。
留年が数年間に及ぶと、卒業までの時間や金銭的コストが増加しますので、経済的な事情がある場合は中退をして正社員就職に切り替える判断が必要になることもあります。
経済的事情・家庭問題(17.9%)
大学に入学したは良いものの、学費や生活費の負担が大きく、大学生としての生活が難しくなるといった中退理由も見られます。例えば親の収入が減ってしまったり、家計の急変、親や親族で介護が必要になるなど、自分1人だけでは逃れられないような理由で中退する人は少なくありません。
経済的な事情の場合、奨学金やアルバイトで学費を賄おうとしても、学業との両立が難しく中退するケースも見られます。また、家庭内での問題が発生した場合は、時間的に学業の継続が困難になることもあるでしょう。
このような理由で中退を考えている場合は、利用できる奨学金の情報収集をしたり、生活費を減らす取り組みをするなどして、根本的な原因を解決することが求められます。
授業についていけなかったから(14.8%)
大学入学後に講義のレベルやスピードについていくことができず、自信を失って中退を選択する人も見られます。特に専門性の高い学部や理系学部では、入学後の学習不足が中退を引き起こすきっかけになることが多い傾向があります。
授業についていけない状況が長引くと、留年や再履修が重なって卒業までの期間や費用が増えてしまうだけでなく、精神的にネガティブな状況に陥ってしまい、大学に通うことに意味を見出せなくなることもあります。
この理由で中退を考えている場合は、出来る限り早く教員や周囲の友人に相談して学習方法を見直すことがおすすめです。
体調不良(7.2%)
病気や怪我、精神的な不調など、健康面の問題によって中退するケースもあります。特に長期間の入院や通院が必要になる場合、授業や試験の欠席が増えて単位取得が難しくなってしまいます。
また、近年ではメンタルヘルスの問題も増加傾向にあり、人間関係のストレスが中退に繋がることも少なくありません。
体調不良の場合は、復学の目処が立たないことが中退の原因になるケースが多いことから、最初は中退ではなく休学を検討すると良いでしょう。合わせて、学生相談室や医療機関に相談しつつ、カリキュラムを調整してもらえないかサポートをしてもらうことも検討すべきです。
サークルや部活、バイト等に熱中したから(4.5%)
サークル活動や部活、アルバイトに時間をかけすぎた結果、勉強がおろそかになって中退するケースも見られます。例えば生活費を補うことや趣味に使うためにアルバイトを始めたつもりでも、勤務時間が長くなることで大学生活との両立が難しくなることもあるため注意が必要です。
また、サークルや部活動では大会やイベントの準備に追われて出席やレポート提出が後回しになり、単位を落とすケースもあります。大学生活における勉強以外の活動は有意義なものではあるものの、うまくバランスを意識しないと留年や単位不足に繋がり、中退を招くことになりかねません。
学業がおろそかになっていることを自覚している場合は、自分の1日の過ごし方を見直すとともに、やるべきことの優先順位を決めましょう。
気の合う友人がいなかったから(4.1%)
せっかく大学に入学したものの、人間関係に対する不満や孤独感が原因で中退をする人も見られます。特にコロナ禍においては友人ができずに中退した人が多い傾向にありました。
友人が少ない事は大学に通うモチベーションが下がるだけでなく、授業や課題の情報共有ができず、単位取得にも悪影響が及ぶこともあります。
気の合う友人ができないと精神的なストレスにも繋がりますので、サークルやアルバイトなど新たな交流の場の活用も検討すると良いでしょう。
同期や友人が就職・卒業したから(0.7%)
同期や友人が先に中退や卒業をしてしまい、自分もついていくように大学を中退する人も見られます。特に留年や休学を経験した人に見られる傾向であり、周囲と自分の差に焦りを感じていることが根本的な原因であることと言えます。
また、実際に就職した同期や友人の話を聞くうちに、自分も早く社会に出たいという気持ちが強まることもあるため、必要以上に焦り不安を感じて判断を急がないようにすることが重要です。
周りの人に影響されて自身の進路を決めないためにも、キャリアセンターや就職支援サービスを活用して、客観的な視点で情報収集を行う意識を持っておきましょう。
大学を中退した後の進路
大学を中退した後の進路は多岐に渡ります。正社員としての就職やフリーターとして経験を積むケースが大半ではあるものの、中には公務員を目指したり、留学や資格取得でスキルを磨くような進路を選ぶことも可能です。
ここからは、大学を中退した後の進路について詳しく解説します。中退する場合は中退後の進路まで明らかにした上で決断を下すことが重要なため、どんな進路があるのかあらかじめはっきりさせておきましょう。
1. 正社員として就職する
大学中退後の進路として、正社員を目指す人は多く見られます。
大学中退により高卒扱いになるものの、全国的に人手不足の状況が続いていることから、未経験者を対象としたポテンシャル求人が多くあるため、就職エージェントなどを活用すれば大学中退から正社員になる事は可能です。
特に営業職や販売職、介護職、製造業などは学歴よりも人柄や熱意を重視する傾向が強く、面接で中退理由を前向きに説明することで早期の正社員就職を実現させるケースもあります。
大学中退後に正社員として就職することで、安定した収入と社会保障を得られるだけでなく、親から見てもフリーターより望ましい進路と考えられることが多いため、まずは正社員就職を目指すことをおすすめします。
2. フリーターとして働く
大学中退後にどうしてもすぐに正社員になれない場合は、一時的にフリーターとして働くような進路も考えられます。フリーターはすぐに収入を得られる一方、長期的なキャリア形成には向いていないため、ダラダラとフリーターを続ける事は避けるべきでしょう。
いきなり正社員になることに不安を感じている場合は、まずフリーターとして経験を身に付けた後、自分の仕事に対する価値観を明確にして就職活動に活かすのも1つの手と言えます。
ただし、フリーター期間が長引くと正社員就職の難易度は高まりますので、あらかじめフリーター生活に期限を設けておくことがポイントです。
3. 公務員を目指す
大学を中退したとしても公務員になる事が可能です。
大学中退後に公務員になることで、安定した雇用と福利厚生を得られるといった特徴があります。特に大学に通いながら公務員対策に取り組む事は物理的にハードなため、中退をして戦略的に勉強時間を確保する人もいます。
公務員を目指す上では特に筆記試験の対策が重要であり、独学だけでなく予備校や通信講座なども活用して計画的に学習を進めることが重要です。
また、公務員試験では筆記試験だけでなく面接も行われますので、中退後にアルバイトやボランティアなどで社会経験を積んでおくこともおすすめです。
4. 留学や資格取得
大学中退後の進路としては留学や資格取得も考えられます。
新しい知識をインプットすることで、自身の専門性やスキルを高めるだけでなく、将来的な仕事の選択肢を増やすことにも繋がります。特に何か学びたいことがある人にとっては、良い進路と言えるでしょう。
ただし、留学にしろ資格取得にしろ一定の時間や費用がかかるため、明確に目的意識を持つことが重要です。なんとなく留学や資格取得で時間を使ってしまうと、空白期間が長引いて正社員就職が難しくなるといったデメリットに繋がることがあります。
大学中退後に留学や資格取得を検討する場合は、将来のキャリアビジョンを想定し、必要なスキルを逆算して判断することを意識してください。
5. 起業・フリーランスになる
大学在学中にどうしてもやりたいことがあるような人は、自身で起業したりフリーランスになることがあります。
昨今ではWeb制作やライティング、Webデザイン、プログラミングなどスキルとパソコンさえあればビジネスが始められる状況ということもあり、自由度の高い働き方を実現したい人に適している進路と言えるでしょう。
もちろん、起業やフリーランスになることはリスクが高く、安定した収入を得るまでに時間がかかるといった注意点はありますが、働くことのやりがいや自分の夢を実現したいという人からすれば刺激的な日々を送れる選択になります。
どうしても大学中退後すぐに起業やフリーランスになりたいのであれば、当面の生活費に問題がないかを確認しておくことが重要です。
大学中退のメリット
大学中退はネガティブな印象を持たれやすいものの、いくつかのメリットが挙げられます。例えば、大学中退してすぐに就職すれば同年代よりも早く社会経験を積めますし、大学に通うストレスから解放されるため、精神的な負担を減らせます。
また、学費の支払いが不要になることから、経済的に厳しい状況に置かれている人にとって、大学中退は短期的に良いメリットをもたらすこともあります。
大学中退をする際は、デメリットだけでなくメリットも合わせて認識した上で判断すると良いでしょう。それぞれのメリットについて詳しく解説します。
1. 同年代よりも早く社会経験が積める
大学を中退してすぐに社会人として就職することで、同年代が卒業する前に社会経験を積めるため、早く実務経験やスキルを身に付けられるといったメリットがあります。
特に営業や接客などの人と関わる仕事では、経験の長さが昇進のスピードに直結しやすく、中長期的な収入アップにも繋がります。
社会人になってからは、学歴よりも実務経験やスキルが重視される傾向にありますので、若いうちから社会人としてのマナーや業務遂行能力を身に付ければ、新卒で大学を卒業するよりも自分にとって良い人生を歩めることもあるでしょう。
2. 大学に通うストレスから解放される
大学生活は自由度が高い一方で、レポートや試験、人間関係など様々なストレス要因があります。現時点でどうしても耐えられないストレスを感じている場合は、中退によってそれらから解放されることにより、精神的な安定を取り戻しやすくなるといったメリットに繋がります。
特に授業内容や専攻内容のミスマッチでストレスを感じていた場合、中退によって自身の活動範囲を広げられますので、新しい挑戦やキャリア形成に集中できる環境が作れるでしょう。
ただし、ストレスの種類によっては、中退しても再び違う場所で同じようなストレスを感じてしまう場合があります。そのため、中退をする前に自分がどういった状況でストレスを感じやすい性格なのか、あらかじめ言語化しておくことが大切です。
3. 学費の支払いが不要になる
大学に通い続ける場合、学費や教材費、通学費など多くのお金がかかります。特に私立大学は1年間通うだけでも数百万円かかることも珍しくなく、中退によって学費の支払いが不要になる点は実感しやすいメリットと言えます。
学費に使っていたお金を留学や資格取得に投資すれば、将来の選択肢の幅を広げることも可能です。一方、学費の支払いが不要になりますが、生活するための収入を確保しなければなりませんので、中退後にどのような収入計画を立てていくかはセットで考えましょう。
また、貸与型の奨学金を使って大学に通っていた場合は、中退してからおよそ半年後には返還が始まる点も合わせて認識しておく必要があります。
大学中退のデメリット
大学中退の判断は、中長期的な将来にわたってデメリットになることがほとんどです。例えば就活における学歴は高卒扱いとなるため、大卒以上を募集している求人に応募できなかったり、中退したことそのものが面接官からネガティブに映りやすいなどのデメリットが挙げられます。
他にも、多くの会社では大卒と高卒で初任給の水準を分けていますので、大学中退によって初任給が数万円程度下がることもあります。大学中退をする際はデメリットをしっかりと認識した上で、後悔のない判断を行いましょう。
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
1. 応募できる求人の幅が減る
大学中退によって最終学歴が高卒となることで、大卒以上を募集している求人に応募できなくなるといったデメリットがあります。特に人気の高い企業や総合職では大卒以上のみに募集制限をかけている場合が多く、就職における選択肢の幅が減ることには注意が必要です。
一方で、未経験歓迎や学歴不問の求人は多く募集されているため、応募できる幅が減るといっても、応募できる求人がなくなるわけではありません。
また、1社目で実務経験を積んで2社目以降でスキルを活かせる転職活動をすれば、大企業や有名企業に入社できることもありますので、中長期的には大きなデメリットにはならないと言えます。
2. 中退したことそのものがネガティブに映りやすい
大学を中退した事実は、採用担当者から「嫌なことがあったら途中で逃げ出す傾向があるのではないか」など、ネガティブに映りやすいといったデメリットも挙げられます。特に大学中退理由が曖昧だったり、衝動的な印象を与えてしまうと不利になりやすいため注意が必要です。
大学中退をネガティブに終わらせないためにも、中退に至った理由や、中退期間中にどのような行動をしていたかを面接ではっきり伝えることがポイントです。例えば、中退後に資格取得をしたり、アルバイトの経験を積んだことを伝えられれば、ネガティブな印象を和らげられます。
大学中退理由を面接でどのように伝えれば良いか分からない場合は、就職エージェントの模擬面接で対策をしておくのもおすすめです。
3. 初任給が下がる
大卒と高卒では初任給に差が設けられている会社が多く、場合によっては学歴の違いだけで数万円以上の差が出る場合もあります。
なお、厚生労働省が公表している学歴別の初任給は以下の通りです。
学歴 | 初任給 |
---|---|
大卒 | 22.8万円 |
短大卒 | 20.2万円 |
高卒 | 18.6万円 |
中卒 | 17.2万円 |
出典:厚生労働省「令和5年3月新規学校卒業者の初任給【職業別】」
※数値は男性のものを使用
このように、大卒と高卒の初任給で40,000円程度の差があるため、短期的に同世代の新卒で就職した人よりも収入が低くなる点は大きなデメリットと言えるでしょう。
ただし、年功序列よりも成果主義を採用している企業や、ITエンジニアのように学歴がそもそも関係ない仕事の場合は、就職後の活躍次第で学歴による給与差を縮められる場合もあります。
中退によって給料が下がることに不安を感じている場合は、学歴に関係なく稼げる求人を探す意識を持っておきましょう。
大学中退の流れ
大学を中退する際は、以下のような手順を踏むことが一般的です。
- 1.本当に大学中退すべきか自問自答する
- 2.親に相談する
- 3.教務課・学生課に申し出る
- 4.退学手続きをする
この手順で中退を進めることで、感情的に決断をすることを避けられるでしょう。
中退後にはすぐに正社員就活を進められるよう、あらかじめ中退の流れをしっかりと理解しておいてください。
1.本当に大学中退すべきか自問自答する
大学中退は、その後の人生に大きな影響を与える決断のため、まずは自分の気持ちや状況を冷静に整理し、本当に大学を中退すべきか自問自答しましょう。特に大学中退は取り返しがつきませんので、衝動的な理由か根本的な問題なのかを見極めることが重要です。
合わせて、中退後の進路について具体的な計画を立てることもポイントです。自分の中退理由の言語化とセットで取り組んでおけば、親に相談する時にも自信を持って話せます。
また、中退だけでなく休学の選択肢も取れないか検討した上で、最終的に中退が最適なのかどうかも考えましょう。
2.親に相談する
中退手続きを進めてしまう前に、親や家族に相談することも重要です。特に学費や生活費をサポートしてもらっている場合、今後の親子関係にも影響をもたらしかねないため、正直に自分の気持ちや悩みを打ち明けましょう。
いきなり中退の相談をすると、感情的な口論になりやすいこともありますので、あらかじめ中退理由の言語化と将来の計画の見立てをセットで伝えることがポイントです。仮に親が反対したとしても、具体的な行動計画を示すことで納得してもらえることもあります。
3.教務課・学生課に申し出る
中退手続きを正式に進めるには、大学の教務課や学生課を通す必要があります。教務課や学務課に中退を申し出ることで、必要書類や手続きの流れ、退学届の提出期限等の説明が受けられます。
手続きの相談にあたっては、どんな書類を提出すればいいかだけでなく、学費の返還有無や奨学金の手続き方法といったお金周りも確認しておきましょう。また、大学によってはゼミの教授や教務課と面談をすることもありますが、自分の思いを率直に話して問題ありません。
4.退学手続きをする
教務課や学生課で案内された必要書類を提出することで、正式に退学手続きが完了します。基本的に大学届には署名と捺印が必要であり、大学によっては保護者の同意が設けられていることもありますので、事前に親に相談しておくことが大切です。
また、退学手続きと合わせて住民票や健康保険の切り替え、家賃計画の見直しなど大学外の手続きも検討しなければなりません。したがって、中退前に中退後の生活をシミュレーションしておくことがポイントになってきます。
よくある質問
大学中退したら高卒と同じ扱いですか?
大学を中退すると、少なくとも就職活動においては高卒扱いになります。履歴書にも中退の事実を記載することが一般的であり、求人に応募する際も大卒以上を募集している企業からは書類選考で見送りになってしまいます。
ただし、在学中に取得した単位や資格は残りますので、面接の際にはアルバイト経験やスキル、入社意欲をアピールすることにより、学歴のハンデを乗り越えて内定をもらうことが可能です。
大学中退はバレますか?
大学中退の事実を履歴書や職務経歴書で正しく記載しないと、経歴詐称と扱われて採用取り消しや就職後に懲戒解雇の対象になることがあります。
大学中退がバレないと考えていることもありますが、採用後に卒業証明書や成績証明書の提出が求められることもありますので、基本的にはバレると思っておいた方が良いでしょう。
中退した事実を隠すよりも、なぜ中退したのかといった理由や、これからの思いを正直に話して熱意をアピールする方が、自分の将来にとって良い結果をもたらします。
中退という事実をポジティブに伝えたい場合は、就職エージェントの模擬面接を活用すると良いでしょう。
まとめ
大学中退は将来的な進路やキャリア形成に大きな影響を与えるため、中退をしたいと考えたタイミングで自分の思いを言語化しておくとともに、将来のキャリアプラン・ライフプランを考えておくことが大切です。
昨今では多くの企業で人手不足ということもあり、たとえ大学中退しても正社員就職できなくなるわけではありません。面接では中退理由をポジティブに伝えつつ、具体的なエピソードとともに自己PRを行えば正社員就職が可能です。
どうしても大学中退後に1人で就活を進めるイメージが湧かない場合は、大学中退者向けの就職エージェントの活用も検討してみてください。

こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
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