
大学中退するとどのような末路が待っているのか、という疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、大学を中退してしまうと就職に不利になることがあるなど、あまり好ましくない末路が待っていることもあります。なぜなら、大学を中退することで、その後の就職活動の進め方が分からなくなって停滞してしまう方も多いからです。
本記事では、大学を中退する理由や就職で不利な時に何をすればよいのかを解説しています。最後までご覧いただければ、大学中退後はどのように就職活動を進めれば良いか分かるようになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 大学中退者の末路としては「就職が不利になる」傾向。就職サービスを活用しよう
- 大学中退したその後はフリーターになる人が多い
- 中退して良かったと感じるには、「空白期間」に次に繋がる経験や準備をすること




大学中退した末路
大学中退した後に末路として、就職で不利になることや、中退したことを後悔したときに再受験が必要になる、大学の友人と疎遠になることなどが挙げられます。
しかし、これらの末路を必ず迎えるということはなく、努力次第で将来を変えることもできます。
ここでは、大学中退した末路とその末路を回避する方法について解説します。
末路1:就職で不利になる
大学中退後の就職活動では、大卒以上を条件とする求人に応募できないことや、中退したことがマイナスイメージに繋がり、不利になることがあります。
労働政策研究・研修機構の調査によると、「中退後の就職活動中に、何か困ったことや不利益を感じた経験があるか」という質問に対して「ある」と答えた人の割合は45.7%でした。
不利に感じた理由としては、「応募(学歴条件・選択肢限定)」「面接(中退理由説明)」が多く挙げられています。
不利に感じた理由 | 回答数 |
---|---|
求職活動(履歴書の書き方など) | 33 |
求職活動(手段・資源 | 27 |
応募(学歴条件・選択肢限定) | 198 |
面接(中退理由説明) | 112 |
雇用条件(給与など) | 11 |
資格・職歴 | 60 |
精神的なダメージ・不安・心配・意欲減退 | 42 |
印象・イメージ・不利な扱い | 55 |
その他 | 31 |
病気・けが、経済的理由などの特別な事情がない限り、大学中退の経歴がネガティブに捉えられてしまうことは、残念ながら避けられないでしょう。「がんばれば卒業できたはずなのに、努力が足りなかったのでは」「嫌なことからすぐに逃げてしまう人なのでは」という印象を与えてしまいやすいのです。
しかし、学歴不問で応募できる求人はたくさんあり、中退した過去ではなく、中退後に就職して活躍できるかを評価して採用してくれる企業があるため、就職は無理ではありません。
大学中退の就職のポイントに関してさらに知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。大学中退からの就職を成功させるポイントや中退からの就活の現状について解説しています。
末路2:もう一度受験勉強が必要になる可能性も
大学を中退すると、一部を除いて、再入学はできない大学が多いのが現実です。中退してからしばらくして「やっぱりまた大学へ行きたい」「大卒資格がほしい」と一念発起したとしても、そのときはまたゼロから受験勉強をすることになります。
現役・浪人時代だったら長時間の勉強もがんばれたかもしれませんが、ある程度時間が経ってから大学の受験勉強を始めるのは、相当に大変なことです。お金や時間の面で現実的に難しかったり、途中で心が折れてしまったりして、再度の大学進学を断念せざるを得なくなる可能性もあります。
末路3:奨学金の返済が始まる
大学を中退したら所定の手続きをして、奨学金が振り込まれないようにする必要があります。また、通常は、中退後に返済がスタートすることになります。
奨学金の滞納を続けると、利子がついて返済額が膨らんでしまう可能性があります。すぐに返済が難しい場合には、減額や返済猶予ができることもあります。しかし、通常は「中退後は奨学金を返さなければいけない」が基本です。
人によっては、中退したのに、奨学金を返済し続けることで損な気持ちになり、ストレスを感じてしまうかもしれません。
末路4:大学で仲良くなった友人と会えなくなる
中退後は、大学時代の友人と会う機会が減っていくでしょう。というよりも、「気まずくて会いにくくなる」「徐々に会いたくなくなってくる」というケースのほうが多いかもしれません。
相手は大学生活を楽しんでいたり就職を決めたりしているのに、自分は中退してニートやフリーターをしている…などの場合、相手との違いを感じるようになって避けてしまい、気づくと疎遠になってしまうこともあり得ます。
末路5:何もしない空白の期間が生まれる
中退前に就職や進学が決まっている場合を除けば、中退後は、何もせずに過ごす期間がどうしても発生します。少なくとも数か月以上は、いわゆる「ニート」として生活することになるでしょう。
この空白期間がどんどん長くなるほど、就職が遠のいてしまうリスクがあるため要注意です。また、就活をスタートしても、空白期間は「ブランク」とみなされてしまい、「何をやっていたのか」を厳しく聞かれる可能性もあります。
大学中退後の後悔について知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。


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大学中退のメリット
大学中退をすることによるメリットには、以下があります。人によっては、大学中退という選択がプラスに働くこともあるでしょう。
メリット1:やりたいことに集中して取り組める
大学へ通うと、やはり一定時間は学校や勉強に拘束されます。
「大学生はそんなに忙しくないんだから、中退しなくても自由な時間はたくさんあるだろう」と考える人もいるかもしれません。ですが、1~2年のうちは週4、5日ほど学校へ通う人も多いですし、3年生までに単位をほぼ取得しても、4年生では卒業制作(卒業論文)の取り組みがあります。また、課題やテストをクリアする必要もあるため、それらの準備時間も必要です。実習や研究などが多い大学は、ずっと勉強漬けということもあるかもしれません。
大学を中退すると、それらの一切から解放されるため、自分のやりたいことにすべて時間を費やすことができます。
メリット2:学費を払わなくて良くなる
大学の学費は、決して安くありません。国立でも200~300万円台、私立文系ならば300~400万円以上、私立理系ならば500万以上は、最低でもかかります。途中で留年や休学をした場合も、基本的には学費は免除にならないため、さらに学費がかかることになります。
どうしても大学へ行く意欲が起きず「お金の無駄」と感じるのであれば、中退して就職すれば学費の支払いはなくなり、むしろ収入を得られるようになります。
メリット3:人間関係などの環境をリセットできる
大学とは、中退してしまえばそこからの関わりはほぼほぼなくなります。たとえば大学の人間関係に悩みがあり苦痛を感じていたとしても、中退後はもう学校へ行くことがないため、その人たちと会うこともまずないでしょう。
大学は広く人数も多いため、たとえ一部の人間関係でトラブルがあったとしても、その人たちと接しない・なるべく会わないようにすることはできます。ですがどうしても嫌で耐え切れない・学校の雰囲気そのものが苦手だという場合には、大学を中退すればそれらの環境はリセットできます。
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大学中退したその後の実態
大学中退後の進路の実態をデータで見てみると、正社員を目指しているものの、結果的にフリーターになる人が多いという傾向があります。
これは、就職活動の進め方が分からなかったり、アルバイトのシフトが多くて就活に十分な時間を割けないことが原因になりやすいためです。そのため、意識的に就職活動の時間を確保しつつ、就活支援のプロに相談することが重要だと言えます。
また、大学中退後に正社員を目指す場合は、具体的なビジョンを持ち、空白期間をできる限り短くするために、迅速な行動が求められます。
ここからは、大学中退後の進路の実態について、より詳しく解説していきます。
1. 正社員を目指すもフリーターになる人が多い
調査結果にある、「中退した直後にしたいと思ったことと実際にしていること」をまとめると以下の通りです。
項目 | 中退した直後にしたいと思ったことの割合(%) | 中退した直後に実際にしていたことの割合(%) | 差分 |
---|---|---|---|
正社員として就職したい | 46.6 | 32.1 | 14.5 |
アルバイトをしたい | 21.4 | 31.8 | -10.4 |
在学中から行っていたアルバイトを継続 | 11.1 | 27.3 | -16.2 |
資格を取得したい | 11.4 | 10.6 | 0.8 |
他の学校へ入学したい | 12.8 | 3.9 | 8.9 |
職業訓練を受けたい | 3.6 | 3.7 | -0.1 |
特に何も考えていない(何もしなかった) | 16.4 | 8.5 | 7.9 |
引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.138大学等中退者の就労と意識に関する研究」
差分がプラスの場合は、大学中退直後にしたいと思っていたものの実現しなかったこと。差分がマイナスの場合は大学中退直後には考えていなかった進路だが、結果的にその進路に着地したこととしてそれぞれの項目を読み取ることができます。
その読み方で調査結果を分析してみると、大学中退直後にはおよそ半数の人が正社員としての就職を目指していることが分かりますが、その一方で正社員就職ができずにアルバイトとして生活することになった人が多いという結果になっています。
つまり、何らかの理由で正社員になることを途中で諦めてしまい、フリーターとして生きていくことにした大学中退者が多いという実態が見て取れます。
2. 就活の方法やバイトのシフトの多さが問題になりやすい
上記のような実態になってしまっている理由としては、大きく2つが考えられます。
1つ目は、就活の方法がそもそも分からないという理由です。
大学中退後は大学のキャリアセンターが利用できなくなりますし、周りに就活をしている人がいない環境になってしまいます。自分から就活の情報収集をすることができなければ、そもそも就活の方法が分からずに手をつけられないことになるため、結果的に正社員就職を諦めてしまうのです。
2つ目は、バイトのシフトの問題です。
大学中退後に生活費を稼ぐ目的で行っているバイトに、たくさんのシフトを入れてしまえば就活を進める時間も気力もなくなってしまうでしょう。
これらの理由から、正社員就職とフリーターという進路にギャップが生まれていると考えられます。
3. 大学中退後の具体的なビジョンを持っておくことが大切
なりたいと思っていた姿とは別の進路に進まなければならない状態は、どんな人にとってもストレスがかかるものです。大学中退後に正社員として就職する希望を叶えるためには、具体的なビジョンを大学中退までに持っておくことが大切です。
いつまでに就活を始めるのか、どういった求人に応募し、いつ内定を獲得しておきたいのかなど、就活の基本的なスケジュールから逆算してライフプランを設計するようにしましょう。
もし将来のビジョンを一人で考えるのが難しいのであれば、就職支援サービスを利用して第三者に相談してみるのもおすすめです。
4. 空白期間が長いと就職で不利になる
大学を中退した後にフリーターや無職として空白期間が長引いてしまうと、正社員就職を目指す上で不利になります。企業側は空白期間が長い人に対して、「その期間なぜ働いていなかったのか」「中退後に何をしていたのか」といったネガティブな印象を持ちやすくなります。
大学中退のその後に正社員として働いていなかったとしても、アルバイトや資格取得の勉強、ボランティアなど何かしら行動していた場合は、履歴書の経歴欄に記載すると良いでしょう。
同時に、面接においては空白期間を過ごした理由や背景を説得力を持って話せる準備をしておくことが大切です。




大学を中退して良かったという人も多い
大学を中退して、むしろよかったと感じている人の意見には、以下があります。
- 自分に合う企業に就職でき、学生時代より充実している
- 空白期間に、就職してからではできないような経験ができた
- 自分と真剣に向き合うきっかけになった
- 追い込まれたことで、かえって人生に本気になれた
- 親への甘えがなくなり、自立することができた
大学を中退して「何者でもない時期」を過ごしたことが、その後の仕事選びや人生によい影響をもたらした人もいそうです。また、中退して後がない状態になったことで本気で就職活動をした人、就職して精神的・経済的に自立できたことで自信がついた、という人もいるようです。
文部科学省「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」によると、2020年の4~12月までに大学を中退した学生のうち、「その他」が17.5%、「就職・起業等」は14.1%、「転学」は12.9%、「海外留学」は0.7%です。
もちろん、このなかにはネガティブな理由で中退した人もいるでしょう。しかし、大学を中退したからこそ、新たな人生を切り開くことができた人も決して少なくないことが予想されます。
まとめ
「大学中退者の末路はどうしようもない」などと悲観する必要はありません。中退後から人生を立て直し、就職して社会人として活躍している人もたくさんいます。大学中退からキャリアを築いていくのには当然大変なこともありますが、その後の人生が満足いくものになれば、あとから振り返って「あのときの自分には、中退がベストだったんだ」と思えるでしょう。
大学中退後の末路が最終的にどうなるかは、自分次第です。ネガティブに捉えるのではなく、その経験を活かす方法で考えていきましょう。
大学中退で人生終了と感じている方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
「大学中退 末路」によくある質問
大学中退をした末路として就職が不利になることがあります。不利に感じた理由として求人を見てみると大卒以上で求人を出されていることが多いため、不利に感じる方多いようです。この記事では「大学を中退した末路は「就職が不利になる」という影響」について解説しています。参考にしてみてください。



こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
当社の就職に関するコンテンツの中から、大学中退後の就職活動に不安を感じている方向けに、就活で困りがちなことを解決するための記事をまとめました。
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