大学を休学すると就職で不利になる?休学理由の伝え方や例文も解説

大学を休学する事は、必ずしも就職に不利に繋がるとは限りません。
不利になるかどうかで重要なのは、休学理由や休学期間の過ごし方をどのように面接で伝えるかです。どんな理由であっても事実を簡潔に伝えつつ、これから元気に働いていきたいと考えていることをポジティブに伝える意識を持っておきましょう。
この記事では、大学を休学したことを就職で不利にしないために知っておきたいポイントや、具体的な例文を解説します。既に休学している人やこれから休学を考えている人は、記事の内容を参考にしてみてください。
大学休学が就職で不利になるとは限らない
大学を休学したからといって就職で不利になるとは限りません。具体的な休学理由や休学期間中にどんなことに取り組んでいたかで、面接官からの評価は大きく変わります。
前向きな理由や挑戦を目的とする休学は評価されやすいものの、ネガティブな理由の場合は、説明方法によって誤解を招く可能性があるため注意が必要です。
まずは大学休学が就職においてどのような影響を与えるのかについて解説します。
不利になるかは休学理由次第
大学休学が就職活動で不利になるかどうかは、休学理由が前向きなものかネガティブなものかによって大きく変わってきます。例えば留学や資格取得、進路の再検討など前向きな理由の休学であれば、「自己成長のために行動していた」といったポジティブな評価に繋がりやすい傾向にあります。
一方「なんとなく大学に通うモチベーションがなくなった」「目的もなく休学した」などといった説明だと、採用担当者にネガティブな印象を与えかねません。したがって、休学理由を伝える際は、「休学した理由や休学期間で学んだこと」「休学を経てどのように成長できたのか」を論理立てて整理することが重要です。
休学に対して明確な目的や成果を伝えられれば、就職において必ず不利になるわけではありません。
うつ・精神的理由の場合は伝え方を工夫する
精神的な不調による休学は、伝え方を誤るとネガティブな印象に繋がる可能性がありますので、率直に伝えるとともにポジティブな言い回しに変換することを意識しましょう。
例えば「大学生活で過度な負担が重なって体調を崩したため休学しましたが、通院や生活習慣の改善を通じて回復しました」などと説明すると、状況を理解してもらいやすいでしょう。
合わせて「自己管理の大切さを学び、計画的に行動できるようになりました」など、成長意欲を添えることでポジティブに捉えてもらえる可能性が高まります。
就職活動においては、精神的な不調の再発リスクが低い状況にあることを伝え、安心感を与える意識を持つことが重要です。過去にあったことを克服できていることを伝えることにより、精神的な不調による休学であっても不利になる事はないでしょう。
友人と就活情報を共有しづらくなる点は不利
大学を休学することで、同年代の友人とスケジュールがずれてしまい、就職活動における情報共有がしにくくなるといったデメリットがあります。特に新卒採用においては、説明会やインターン、面接対策の情報を友人同士で交換するケースが多いため、休学によって孤立感を覚えることがあります。
ただし、友人と情報共有ができない不利な点については、就職エージェントを活用したり、大学のキャリアセンターを利用することで克服する事が可能です。もし休学をした場合は、積極的にさまざまなサービスを利用し、休学による不利を減らしていくことが重要です。
大学休学を就職で不利にしないためのポイント
大学の休学を就職活動で不利にしないためには、1人で抱え込まずに適切な支援を受けたり、休学中にアピールできる経験を積むことが重要です。これにより効率良く就職活動を進められ、休学経験があっても内定を獲得できる可能性が高まります。
また、休学で自由に使える時間が増えることを活かし、休学期間中から就職活動に取り組むこともおすすめです。時間をうまく使うことで、休学が就職に良い影響をもたらすこともあります。
ここからは、大学休学を就職で不利にしないためのポイントを3つの観点から解説します。
一人で就活を進めない
大学を休学すると、同年代の友人と就職活動のタイミングがずれるため、孤立感を感じて情報不足やモチベーション低下に繋がり、不利な状況を招くリスクがあります。こうした状況を避けるためにも、1人で就職活動を進めない工夫が大切です。
具体的には、大学のキャリアセンターを利用したり、民間の就職エージェントに登録するなど、専門的な人からのアドバイスやサポートを受けると良いでしょう。
第三者のサポートを受けることで、客観的なアドバイスや情報収集ができるようになり、安心感を持って就職活動に取り組めるようになります。
休学中にアピールできる経験を積む
休学を就職活動で不利にしないためにも、休学期間を単なる空白期間にするのではなく、就職活動でアピールできる経験を積むことも重要です。具体的には、資格取得に挑戦したり、インターンシップへの参加、アルバイトやボランティアを通じて社会経験を積むなどが挙げられます。
このような取り組みをすることで、面接において「休学期間をどのように過ごしたか」と質問されたときに、説得力を持って答えられるようになります。加えて、経験を積んで学んだことや成長に繋がった点を具体的に説明できると、自己PRに繋がってプラスの評価を受けることも期待できます。
ネガティブな印象に繋がりやすい大学休学ですが、休学中の過ごし方を戦略的に考え、前向きに伝える意識を持っておくことにより就職活動のアピール材料にすることも可能です。
休学中に就職活動に取り組む
大学を休学することで自由に使える時間が大幅に増えるため、学業にかかる負担が減る分、自己分析や業界研究、面接対策などにじっくり取り組むことがポイントです。特に自己分析や業界研究は時間がかかるため、休学期間中に取り組んでおくことで中長期的なキャリア形成が実現できます。
休学期間中に企業の選考に進む場合、採用担当者には休学した理由を「就職活動に専念するために時間を確保した」と説明できれば、積極的な人材として評価されることもあります。
また、もし休学中に内定を獲得できれば、復学後の学業と就活を並行する必要がなくなり、安心して大学生活を送れます。
就職活動での休学理由の伝え方・例文
大学を休学した経験がある場合、就職活動の面接ではなぜ休学したのかを問われることになります。休学理由の伝え方によって企業からの印象は大きく変わるため、事前にどのような伝え方をするのか整理しておくことが重要です。
また、履歴書と面接では伝え方が若干変わってきますので、休学理由の内容だけでなく、どのような表現にするのかもセットで考えるようにしましょう。
ここからは、就職活動での休学理由の伝え方を具体的な例文とともに詳しく解説していきます。
履歴書での例文
履歴書で休学理由を記載する場合は、簡潔かつ前向きにまとめることが重要です。休学理由を詳細に書きすぎてしまうと、ミスリードしてネガティブに伝わる可能性があるため、1〜2行程度で「理由→行動→結果」の流れを意識しましょう。
また、うつや家庭の事情などのデリケートな理由は、「体調不良のため」「家庭の都合により」などと簡潔にまとめることがおすすめです。理由を深く伝えるのは履歴書ではなく、面接の場で問題ありません。
うつ・精神的な理由が原因の場合の例文
「大学在学中は心身の不調により一定期間休学をしていましたが、医師の治療を受けながら生活改善を行い、現在は回復しています。休学期間中に自己管理の重要性を学び、学業と就職活動に積極的に取り組んでいます。」
治療を受けて改善したことを示し、うつや精神的なネガティブループが再発しにくいことを伝えて、安心感を与える意識をすると良いでしょう。
家庭の事情が理由の場合の例文
「家庭の事情により一定期間大学を休学しました。現在は家庭環境も落ち着いており、学業や就職活動に支障なく取り組めています。休学を経て物事に柔軟に対応する力を身に付けることができたため、就職後にも活かしていきたいと考えています。」
就職に影響を与えるような家庭の事情が、現在は解決済みであることを示すことがポイントです。合わせて、家庭の事情を経て学びがあったことを伝えれば、ポジティブな印象を植え付けられます。
経済的理由の場合の例文
「経済的な事情により休学し、学費や生活費を補うためにアルバイトに従事していました。アルバイト経験を通じて責任感や計画性を養うことができたため、現在は安定した家計状況で就職活動に専念しています。」
経済的事情による休学は理解されやすいため、休学期間中にアルバイト経験を経て成長できたことを示し、ポジティブな評価に繋げていくと良いでしょう。
留学や起業が理由の場合の例文
「国際的な視野を広げるために留学し、海外留学に6ヶ月間挑戦しました。異文化での生活を通じて語学力はもちろん、異なる価値観の人との協調性を高めることができました。その経験を活かしてグローバルに活躍できる人材を目指しています。」
留学や起業といった前向きな理由は、履歴書に具体的に書いても問題ありません。加えて成長や身に付けられたスキルを強調することで良い履歴書が作れます。
面接での伝え方
面接で休学理由を説明する際は、履歴書の時よりも1段具体的に伝えることが大切です。しかし、長く話すとそれだけで印象が悪くなってしまうため、履歴書と同じように「理由→対応→ 学び」の論理展開を意識し、簡潔に伝える意識を持っておきましょう。
面接においても、精神的な不調や人間関係を理由にしたセンシティブな話をする場合は、相手にネガティブな印象を与えないように克服した点・改善点を付け加えると効果的です。
留学や夢の追求など前向きな理由の場合は、得られたスキルや姿勢を具体的に述べることがおすすめです。
うつ・精神的な理由が原因の場合の伝え方
「うまく講義についていけなかったことをきっかけに、大学在学中に心身の不調で休学しましたが、医師の支援を受けて回復し、現在は学業に前向きに取り組めています。
どんな時でもネガティブに考えず、ポジティブ思考で物事を判断できるようになったため、就職後に挫折しても一つ一つ乗り越えていきたいと考えています。」
履歴書と同じく、現在は回復済みであることを伝えることが不可欠です。また、社会に出た後も同じように精神的に落ち込まない状況にあることを伝えると、ポジティブな印象に繋がります。
学業についていけなかった場合の伝え方
「一時的に学業に追いつけず休学しましたが、休学期間中で講義の基礎から学び直し、理解を深める努力を行いました。復学後には自ら学ぶ習慣が身に付き、学業についていけないと感じる事はなくなりました。」
自分の弱みを正直に伝えつつ、その弱みを克服するために行った行動と成果を伝えることで、休学理由をポジティブに印象付けられます。
人間関係が原因の場合の伝え方
「大学在学中に人間関係の悩みから留学したものの、周囲の人に相談したり、新しい環境でのボランティア活動を通じて視野を広げ、チームワークや適応力を身に付けました。現在は身の回りの人との協調性を大事にしながら、学業と就職活動を進められています。」
過去に人間関係に悩みを持っていたことを簡潔に伝えつつ、今は就職後に人間関係で悩むリスクが少ないことを明るく伝えましょう。
夢を追いかけていた場合の伝え方
「かねてより夢だった音楽活動に専念するために休学しました。休学期間中はライブを主催したり、音源を制作するなどの活動を通じて、粘り強さや計画力を身に付けました。
夢は破れたものの、現在は気持ちを切り替え、培った経験を社会で活かすべく就職活動に励んでいます。」
夢の追求のための休学は、追いかけていた夢によってネガティブに見られることもありますが、身に付けたスキルと現在は切り替えられていることを強調すると良いでしょう。
就職エージェントへの伝え方・例文
就職エージェントには自分の状況や背景を正直に伝えることが重要です。アドバイザーは企業と自分の間を取り持つ立場であるため、背景を隠すと、かえってミスマッチに繋がってしまい、自分の就職活動のためになりません。
ただし、必要以上にネガティブに伝える必要はありませんので、前向きな表現を意識しましょう。合わせて、休学中に取り組んだ経験や学びを簡潔に添えると、アドバイザー経由で紹介先の企業にもプラスに伝わりやすくなります。
【例文】
「大学在学中に家庭の事情で休学しましたが、休学期間中はアルバイトをしながら自身の将来について考える時間を大切にしました。現在は家族の状態も安定し、学業と並行して本格的に就職活動に取り組みたいと感じ、就職エージェントに登録しました。」
よくある質問
休学を理由に内定が取り消される事は基本的にありません。しかし、内定後に休学することになった場合は、早めに企業に報告することが重要です。
企業によってはそれによって内定取り消しになることもありますが、隠したときに後からばれるリスクを考えると、早めの報告をすべきでしょう。
また、休学理由が体調不良などの場合は、現在は回復していることを伝える意識を持っておきましょう。誠実な説明と前向きな姿勢を伝えることができれば、休学の事実が内定に影響する事はほとんどありません。
大学を休学する理由としては、留学や資格取得、進路の再検討などポジティブなものから、経済的事情や健康上の理由などネガティブなものまで様々です。採用担当者が重視しているのは、休学の事実や理由そのものよりも、休学の経験をどのように捉えて活かしていきたいと考えているかという点です。
たとえネガティブな理由であっても、ポジティブな説明ができれば評価されますし、簡潔に伝えることで説明力があるというプラスの評価を受けることができます。
休学の理由をポジティブに伝えるためにも自己分析に取り組み、自身の過去の経験を言語化しておきましょう。
大学を休学して就職活動に取り組むメリットとしては大きく3つあります。
第一に、学業にかかる時間を全て就職活動に使えるため、就活対策や面接に集中できる点です。第二に、同級生より早めに就活を始められれば、競争が緩やかな時期に応募でき、内定獲得の可能性を高められることが挙げられます。第三に、休学中は自己分析や資格取得に時間を投資しやすく、中長期的なキャリア形成で有利になることがある点です。
もちろん、休学によって経済的な負担などデメリットもありますが、工夫次第で十分にカバーできるため、休学をする際は目的を持って判断することを重視してください。
大学を休学しても、休学理由をしっかりと説明すれば就職できないという事はありません。むしろ休学期間で得た経験や学びをポジティブに伝えることで、就職活動を有利に進められるケースもあります。
大学休学理由を伝えるためには自己分析が欠かせません。自己分析のやり方が分からない場合は、就職エージェントのアドバイザーに相談してみることもおすすめです。






















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