大学院を中退すると就職できない?就活のやり方やポイントを解説!

大学院を中退すると就職できない?就活のやり方やポイントを解説!

大学院を中退した後でも約3人に1人が正社員として就職しており、大手企業に内定できるケースもあるため、大学院を中退しても就職は十分に可能です。

本記事では、大学院中退者における就活の実態やメリットとデメリット、就職活動の流れ、企業選びや面接対策のポイントなどについて解説します。

履歴書の書き方や就職支援サービス、おすすめの業界や業種についても紹介しているため、これから就職を目指す方も安心して行動に移せます。ぜひ最後までご覧ください。

記事のPoint
  • 大学院を中退する理由のトップは「就職」、次いで「転学」「学業不振」など
  • 大学院をポジティブな理由で中退するのであれば、必ずしも就職に不利とはならない
  • 「大学院中退を後悔しないためにするべき5つのこと」を参考にしよう!
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大学院中退者の就職活動の実態

近年は学歴よりもポテンシャルを重視する企業があるため、大学院中退者も就職は十分に可能です。

労働政策研究・研修機構やマイナビの調査によると、大学院中退者や既卒者のうち、一定数が正社員として就職しています。
就職のタイミングは離学直後だけでなく、数年後の場合もあり、時間をかけて正社員になるケースもあるのです。

また、上場企業の60%以上が既卒者を受け入れており、学歴だけでなくポテンシャルや人柄を重視していると推測されます。

小久保 友寛さんの写真

小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

「謙虚さ」や「主体的な姿勢」が大事

大学院を中退したからと言って就職できないわけではありません。しかし、社会に出るうえでは”勉強した量”よりも”行動して結果を出せる力”が重視されます。

企業によっては、同じ年齢でも社会に出て2~3年の実績を積んでいる人の方が評価されやすいこともあります。そのため、経験がない分、これから吸収していくという謙虚さや主体的な姿勢が大切です。

大学や大学院でこれまで努力してきた経験は、自分の強みとして必ず活かせます。これまで積み重ねてきた頑張る力や探究心を、新しい環境でも発揮し、「たくさん学びながら成長していきたい」という姿勢を示しましょう。そうすることで、未経験であっても「この人は吸収力がある」「伸びしろがある」と評価されやすくなります。

約3人に1人が正社員として就職している

労働政策研究・研修機構の調査によると、大学・大学院中退者の約3人に1人が正社員として就職しています。

離学後すぐに就職するケースだけでなく、数年後に正社員就職する場合もあり、時間をかけて安定した職に就く人も少なくありません。

【正社員就業までの期間(男女計)】

大学・大学院中退
離学前0.9%
離学~3ヶ月以内10.4%
3年以内11.8%
3年超2.7%
正社員時期不明8.1%
(合計)33.9%

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究|図表1-6 学歴別 正社員就業までの期間」p.21

さらに重要なのは、就職のタイミングが分散している点です。
離学直後だけでなく、3年以内やそれ以降に正社員就職するケースも一定数存在するため、「大学院中退後、すぐに就職できないと終わり」ではありません。

このように、大学院中退者の約3割が正社員として就職している現実があるため、悲観しすぎず、戦略的に就職活動を進めることが成功へのポイントです。

中退しても大手企業に就職できる可能性もある

60%超の上場企業が既卒者の応募を積極的に受け入れており、学歴や経歴に柔軟な姿勢を持つ企業があるため、大学院を中退しても大手企業に就職できる可能性があります。

【既卒者の応募を受け入れている企業の割合(予定)】

新卒で受け入れる中途枠で受け入れる
上場65.1%11.3%
非上場52.3%20.1%
製造53.0%17.2%
非製造53.3%20.8%
(全体)53.2%19.5%

出典:マイナビ「2026年卒企業新卒採用予定調査|既卒者採用について」(調査期間:2025年1月27日(月)~2月9日(日))p.126

一部の大企業では、既卒者を新卒と同様に扱うケースもあり、ポテンシャルや人柄を重視した採用が行われていることが特徴です。
そのため、大学院中退者も内定のチャンスを掴める可能性があります。

以上のことから、大学院中退者でも大手企業に就職できる可能性は十分にあるのです。

大学院中退は就職活動で不利になる?

中退の理由や、その後の行動次第で評価が大きく変わるため、大学院中退は就職活動で必ずしも不利になる訳ではありません。

企業は中退の事実だけで判断するのではなく、その背景にある考え方や行動力、将来への意欲を重視しています。

中退後の具体的なキャリアプランがある場合は、主体性や行動力がある人材として好印象につながります。
しかし、人間関係や学力の不振など、ネガティブな理由だけを伝えると、継続力や協調性に不安を持たれる恐れがある点には注意が必要です。

不利にならないケース

明確な目的意識を持って大学院を中退した場合は、就職活動で不利になる可能性は低いでしょう。なぜなら、むしろ企業に良い印象を与えられることが多いからです。

たとえば「研究で学んだ知識やスキルを社会で早く活かしたい」という理由で中退を選択し、実際に就職活動をしているのであれば、企業に対して熱意をアピールできます。

「大学院で培ったデータ分析力を活かして、御社では将来的にマーケティング業務に携わりたい」など、中退後のキャリアプランを具体的に伝えることで本気度もさらに伝わります。

このように明確な目的意識を持った中退、つまり「ポジティブな理由」であれば中退は決してマイナス要因にはならず、“主体性や行動力がある人”として評価される可能性もあるのです。

不利になるケース

ネガティブな理由で大学院を中退した場合は、就職活動で不利になる可能性があります。

なぜなら、「人間関係を作ることが苦手なのでは?」「物事を最後までやり遂げられないのでは?」といった懸念を面接官が抱いてしまうからです。

たとえば「研究室の人間関係がうまくいかなかったので中退しました」とだけ面接官に伝えると、協調性やコミュニケーション力に疑問を持たれるかもしれません。

「研究についていけなかった」という理由だけだと、課題解決力や学習意欲が低いと判断されてしまう可能性もあるでしょう。

このようにネガティブな中退理由をそのまま伝えてしまうと、就職活動で不利になるケースが多いのです。

大学院中退が企業からどう見られるのかについて詳しく知りたい方は、以下の動画もご覧ください。

【就活】大学院中退、企業からはどう見られている?
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大学院を中退して就職するメリット

大学院を中退して就職するメリットは、社会人としてのキャリアを早い段階でスタートできる点や、大卒として就職活動に臨める点など、いくつも挙げられます。

さらに就職活動のタイミングによっては、企業の採用ニーズが高まる時期と重なる場合もあります。その結果、大学院を修了してから就活するよりも、スムーズに内定を得られる可能性もあるのです。

加えて、進学を続ける場合と比較すると、学費や生活費の負担を抑えられる点も魅力です。浮いた時間を資格の取得やスキルの習得に充てれば、自分の市場価値を高められます。

1. 社会人経験を早く積める

大学院を中退することによって、本来大学院を卒業するまでにかかる期間を社会人生活に当てられるようになることから、社会人経験を早く積めるといったメリットが挙げられます。

社会人経験を早く積むことで、大学院に進学した同年代よりも仕事での実務経験を増やすことに繋がり、結果的に昇格のスピードが早まるなどのメリットになるでしょう。
もちろん、早く社会人になることによって、その分の収入を増やせる点もポイントです。

2. 大卒として就職活動を進められる

大学院を中退した場合の最終学歴は大卒となります。

確かに大学院を中退したという経歴が履歴書に残ってしまうものの、大卒として就職活動を進められれば、学歴上不利益になる事はほとんどないと考えられます。

大学院を中退してしまったとしても、学歴的に就職活動に支障が出る事がないだけでなく、一度大学院に進学できたということを地頭の良さのアピールに繋げることも可能なため、大学院卒には及ばないものの、学歴的には大きなメリットがあると言えます。

3. 有利な時期に就活できることもある

大学院を中退した後は、新卒枠ではなく既卒枠での就職活動をすることになります。

一般的に新卒枠の就職活動では、非常に多くのライバルと内定枠の争いをすることになるため、倍率が高くなる傾向にあります。

一方、大学院中退者が目指すことになる既卒枠については、時期によって有利に就活を進められるケースがあります。

特に企業側の求人が多く、応募者側のアクションが少なくなると言われている2月や8月であれば、就職倍率が低い中で内定を目指せる可能性が考えられます。

このように、好きなタイミングで就活を進められるというのは、大学院を中退して就職を目指すメリットと言えるでしょう。

4. お金や時間を有意義に使える

大学院に通う意義を見出せなくなったまま卒業を目指す事は、お金も時間も無駄にすることになります。

無理をして大学院に通い続けていると、数百万円の学費がかかってきたり、数年間学費を支払い続けなければならないなどある意味でデメリットとなってくるでしょう。

このように無理をして大学院に通う位であれば、中退をして社会人になった方が実務経験を早めに積めるだけでなく収入を稼ぐこともできますので、お金や時間を有意義に使えるといったメリットが受けられると言えます。

大学院を中退して就職するデメリット

大学院を中退して就職するデメリットは、新卒枠で応募できない、大学院卒よりも給料が低いなどです。

大学院修了を前提とした採用枠には応募できない場合があるうえ、研究職や専門職では修士・博士号が求められるケースも多く、中退すると応募条件を満たせなくなることもあるのです。

さらに、大学院卒と比較して初任給が低くなるケースが多いため、収入面に影響する可能性があります。加えて、中退者は新卒のようなサポートを受けにくく、自力で就職活動を進める必要があります。

1. 新卒枠で応募できない

大学院を中退することで、新卒枠としての就活ができなくなります。

新卒とは3月末に学校を卒業することを見込んで就職をする学生のことを指しますので、卒業ができない中退者は新卒とは言いません。

一般的に新卒枠は新卒を採用する企業がこぞって募集をかける傾向にありますので、1求人あたりの採用枠数が多いといった特徴があります。

加えて、新卒はポテンシャルを評価されて内定を獲得できることから、実務経験がなくても理想の会社に内定をもらいやすくなっています。

このように就職を考える上で様々なメリットがある新卒枠に応募できなくなるため、大学院を中退することで就活に苦戦しやすくなることもあります。

2. 研究職や専門職では不利になることも

大学院に進学する人の進路としては、民間企業への就職の中でも研究職を始めとした専門職に就職する人も少なくありません。

しかし、研究職を始めとした専門職は、大学院を卒業していることを条件としているケースが大半のため、中退により専門職に就職できなくなる可能性があります。

特定の専門職への就職を見据えた上で大学院に進学した人の場合は、仕事を選ぶ上で大きなデメリットとなりえますので注意が必要です。

3. 大学院卒よりも給料が低い

企業によって異なりますが、特に新卒においては学歴によって初任給が変わってくる傾向にあります。

厚生労働省が発表している情報によれば、各学歴における初任給は以下のようになっています。

  • 大学院修士課程修了:238,900円
  • 大学卒:210,200円
  • 高専・短大卒:183,900円
  • 高校卒:167,400円

参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給

このように、大学院卒と大卒でおよそ20,000円の月収の差が生じていることから、大学院を中退することで初任給が低くなってしまうといったデメリットが挙げられます。

もちろん初任給だけが違うということになりますので、就職後に実績を積んで活躍することができれば大学院卒以上に収入を増やすことも可能ではあるものの、社会人になってからの数年間は大卒と同じ給料になってしまう事はデメリットとして認識しておく必要があるでしょう。

4. 一人で就活を進める必要がある

大学院を中退する場合は、1人で就活を進める必要が出てきます。

大学院卒に限らず新卒就活を進める場合は、大学や大学院が用意しているキャリア支援を受けることができるため、大学内での合同企業説明会に参加したり、就活セミナーのサポートを受けられるといった特徴があります。

加えて、同期と一緒に就活の情報交換をしながら面接に臨めたりなど、1人で就活を進める必要がないため、精神的にも不安を感じることなく内定獲得を目指すことが可能です。

一方、大学院を中退する場合は、周りに就活仲間がいなかったり、そもそも就活をどのように進めていけばいいのかといったサポートがない中で内定を目指さなければなりません。

そのため、不安を感じやすくなるだけでなく、独学で就活を進めてしまってブラック企業に就職するリスクが高まる可能性もあるでしょう。

1人で就活を進めることに自信がない場合は、大学院を中退した後に就職エージェントを活用することも検討してみてください。

5. 研究室やゼミの推薦が使えない

特に大学院の場合は、研究室やゼミに設けられている推薦枠を使って就職するケースも少なくありません。

通っている大学院のレベルにもよりますが、中には有名企業の研究開発職や独立行政法人の選考枠など、魅力的な推薦枠が利用できるケースも見られます。

大学院を中退することで、それらの研究室やゼミの推薦を使った就活ができなくなるのは大きなデメリットと言えるでしょう。

大学院を中退しようとする人は、中退する前に自分の研究室やゼミが持っている推薦先にどのような企業があるのかを聞いた上で、本当に中退するのか検討することをおすすめします。

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大学院中退者の就職活動の流れ5STEP

大学院中退者が就職活動をする際は、「就活の期間を決める」「自己分析で強みと就活軸を見つける」「大学院中退者も応募できる求人を探す」「面接対策に取り組む」「入社の最終判断をする」という5つのステップで進めると効果的です。

まずは就活の期間を設定し、ゴールから逆算してスケジュールを立てましょう。
そのうえで自己分析を行い、強みや就活軸を明確にすると志望動機に一貫性を持たせられます。

さらに、大学院中退者も応募できる求人を探しつつ、面接対策に取り組みましょう。
内定後は条件や将来性を踏まえて、冷静に入社判断を行うことが大切です。

Step1. 就職活動の期間を決める
Step2. 自己分析で強みと就活軸を見つける
Step3. 大学院中退者でも応募できる求人を探す
Step4. 面接対策に取り組む
Step5. 入社の最終的な判断をする

Step1.就職活動の期間を決める

就職活動にかける期間を、あらかじめ決めてみましょう。

何事も締め切りが無いと、つい先延ばしにしてしまいがちです。
「〇月までに就職する」というように締め切りを自らに課すことで、そこから逆算してスケジュールを組み立て、具体的に何をするかを行動計画に落とし込むことができます。

「就職したい!」というモチベーションを維持するためも、短期集中の活動を心がけましょう。

Step2. 自己分析で強みと就活軸を見つける

自分の強みや就活軸を見つけるためにも、まずは自己分析に取り組みましょう。

人によっては、困難な研究を乗り越えた「粘り強さ」や、学会発表で培った「プレゼンテーション力」など、研究・開発職で活かせる強みを発見できるかもしれません。

「チームで目標に向かうことが好き」「1人で黙々と研究するほうが気持ちが楽」といった自分の価値観を明らかにすることで、就職活動の軸も定められます。

以上のことから、まずは求人を探す前に自己分析をしっかり行っておきましょう。

Step3. 大学院中退者でも応募できる求人を探す

書類通過率を高めるためにも、求人探しでは「大学院中退者でも応募できるか?」「中退者を歓迎している企業か?」という視点も持ってみてください。

具体的には、以下の記載がある求人への応募がおすすめです。

  • 中退者歓迎
  • 既卒歓迎
  • 業界・職種未経験OK

上記のような求人は大学院中退者の採用も積極的なため、応募をぜひ検討してみましょう。

Step4. 面接対策に取り組む

面接突破に向けて、面接対策にもしっかり取り組んでおきましょう。

大学院中退者は次の質問をされる可能性が高いため、あらかじめ回答を用意しておくことが大切です。

  • どうして大学院を中退したんですか?
  • どのような研究をしていましたか?
  • 中退をしたことで何を学びましたか?

どのように答えれば良いか分からない方は、就職エージェントに登録し、想定質問への答え方をキャリアアドバイザーに教えてもらうのもおすすめです。

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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

大学院中退者の面接対策のポイント

大学院を中退して就職に切り替える際は、「なぜ進学したのか」と「なぜやめたのか」を一貫性をもって説明することが大切です。

例えば、「当時は研究への情熱が強く進学を決めたが、研究を仕事にするイメージが持てなかった」というように当時の判断と今の考えを整理して伝えましょう。

そして、大学院で何を学び、そこで得た経験を今後の仕事にどう活かせるのかを具体的に伝えることも重要です。大学卒業時の自分ではなく、大学院で学んだ”今の自分”を採用するメリットを伝えましょう。

Step5. 入社の最終的な判断をする

内定をもらったら、その会社に入社するかどうかの最終的な判断をしましょう。

具体的には、会社から受け取る「条件通知書(内定通知書)」の内容をもとに、給与や勤務地、勤務時間などをチェックしてください。

会社の口コミが分かるWebサイトを参考に、社内の風通しの良さや、平均残業時間、有給消化率といった“リアルな情報”に触れておくことも大切です。

入社後に後悔しないように、実際に入社するかどうかは慎重に考えましょう。

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大学院中退者の就職成功のポイント・心構え

大学院中退者が就職に成功するためには、キャリアプランの作成と、ブランク期間の短縮が必要です。大学院中退の経歴は伝え方や行動次第で評価が大きく変わるため、就職活動を戦略的に進める必要があります。

まず、キャリアプランを明確に立てると、志望動機や自己PRに説得力が生まれるため、企業からの評価が高まります。

さらに、フリーターの期間が長期化すると就職率が低下するというデータがあるため、中退後のブランクをできるだけ短くすることも大切です。

1. キャリアプランを明確に立てる

新卒、第二新卒、既卒など、さまざまな募集枠がありますが、就職活動では「その人なりのキャリアプランを持っているかどうか」が重要視されることは共通しています。
特に大学院を中退する場合は、中退後のプランニングを問われるでしょう。

たとえば、1年後・5年後・10年後の目標を設定し、それぞれの達成に向けて何をするのか、考えてみましょう。
キャリアプランを明確にすれば、どんな経歴であれ、これまでやってきたことにも意義が与えられ、採用する側の期待値を上げる可能性があります。

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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

中退後のキャリアで大切なのは 目的意識 と再スタートの覚悟

大学院を中退した方に大切なのは、「これから何のために働くのか」という目的意識を明確に持つことです。

「もっと専門性を極めたい」「さらに研究を深めたい」という気持ちだけで大学院に進学し、中退してしまった場合は、“何のために”をしっかり考えることが大切です。目的が明確でないまま行動すると、同じように途中で迷ったり、方向転換を繰り返してしまうことがあります。

これから就職を目指すなら、「自分はなぜ働くのか」「どんな形で社会に貢献したいのか」といった軸を持つことが重要です。

これまで人一倍努力してきた分、プライドを手放すのは怖いかもしれませんが、中退は”リセット”ではなく”再スタート”の機会です。過去の努力を糧に、もう一度自分の目的を見つめ直し、前を向いて挑戦する姿勢を見せることで、採用担当者にも「覚悟を持っている人」という印象を与えられるでしょう。

2. 中退後のブランク期間を短くする

労働政策研究・研修機構の調査によると、フリーターの期間が短いほど正社員になれる割合が高い一方、フリーター歴が長期化するにつれて就職が難しくなることが分かっています。

男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合

出典:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から|図表4-33 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合」p.128

フリーター期間が1年以内でも正社員移行率は高くないですが、4年以上継続すると正社員への移行率は大きく下がります。
理由として、企業側が「長期間正社員になっていない理由」や「継続力・意欲」に不安を感じるためと考えられます。

さらに、空白期間が長くなるほど、応募者のスキルが会社で通用するか判断しづらくなるため、選考で不利に働く恐れがあるのです。

そのため、大学院中退後はできるだけ早く就職活動を開始し、空白期間を最小限に抑えることが重要です。

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大学院中退者の企業選びのポイント

大学院中退者が企業を選ぶ際は、「既卒・第二新卒枠に応募する」「業種・職種に捉われない選び方を意識する」「中小企業にも視野を広げる」ことがポイントです。

新卒枠よりも「既卒・第二新卒」として応募できる企業を探すと、選択肢を広げられます。また、業種や職種に対する固定観念にとらわれず、自分のスキルや適性を基準にすると、よりマッチ度の高い企業と出会えます。

大手企業だけでなく中小企業にも目を向ければ、内定をもらえる可能性も高まるでしょう。

1. 大学院中退者は「既卒・第二新卒」に応募する

大学院を中退すると「新卒」としての就活は難しいため、 既卒枠に応募する、または第二新卒枠への応募を検討しましょう。

それぞれの一般的な定義は、次の通りです。

  • 既卒・・・学校を卒業後、一度も正社員として働いた経験がない人
  • 第二新卒・・・学校を卒業後に就職したものの、3年未満で退職した20代

大学院中退者は、既卒として就職するケースが一般的です。

企業によっては第二新卒として受け入れてくれる場合もあり、新卒枠で応募できることもありますが、必ずしもすべての企業で受け付けているわけではありません。
そのため、まずは既卒の募集に応募してみることをおすすめします。

2. 業種・職種のイメージに捉われない

キャリアプランを設計し、中退の理由も明確に伝えることができれば、就職活動で著しく不利になることは考えにくいです。
しかし、特定の業界や職業への就職にこだわったり、逆に頑なに避けたりすれば、新卒採用に比べて内定獲得が難しくなってしまいます。

挑戦の幅を極端に狭めてしまえば、マッチングする求人の数が限られてしまいます。
これまで研究した専門分野にこだわらず、広い視野を持って企業を選ぶことが就職活動を成功させる秘訣です。

3. 中小企業なども視野に入れる

新卒枠で求人を出す企業のターゲットはあくまで「現役の新卒者」です。
企業によっては、残念ながら大学院「中退」という経歴を見て、新卒の選考対象からは外す場合もあります。

大学院中退者は、既卒枠または第二新卒の枠に応募することをおすすめします。
その理由は、通常、大学卒業から3年以内は既卒または第二新卒扱いとなるためです。

「第二新卒」は卒業後に一度就職している人のことを指すのが基本ですが、大学院中退のときの年齢が20代前半~半ばであれば、第二新卒枠として扱ってくれる企業もあります。

既卒枠や第二新卒枠は、新卒枠に比べて優良企業が少ないのではないかと考える人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

確かに、大手企業は少ないかもしれません。
しかし、BtoB(法人向け)企業であるために一般の知名度が低かったり、新卒採用に大きな予算を使えないけれど良いサービス・製品を提供していたり、従業員が活躍しやすい体制を整えている、中小企業や小規模企業もたくさんあります。

大学院中退後の就職活動は、新卒枠で現役の新卒と同じ土俵で勝負するより、既卒または第二新卒枠で自分に合った優良企業を探す方が効率よく就職活動を進められるといえます。

大学院中退者の履歴書の書き方

大学院中退の場合は「修士課程で中退」「博士課程で中退」「博士課程満期退学」の3種類があるため、履歴書に記載する際は注意しましょう。

修士課程で中退した場合は「〇〇大学大学院 〇〇研究科 修士課程 中途退学」と記載するのが基本です。

博士課程を途中で辞めた場合は「〇〇大学大学院 〇〇研究科 博士課程 中途退学」と明記します。

また、必要な単位をすべて取得して在籍期間を満たしたものの、学位(博士号)を取得せずに中途退学した場合は「博士課程 単位取得満期退学」と記載するのが適切です。

なお、中退理由は履歴書へ無理に書く必要はなく、面接で説明すれば問題ありません。

記載例:修士課程で中退した場合

修士課程で中退した場合、在籍していた事実と修了していないことを正確に伝える必要があるため、「修士課程 中途退学」と記載しましょう。
曖昧な表現を使うと、採用担当者に誤解を与える可能性があります。

修士課程で中退した場合は、以下のように記載します。

▼記載例

学歴
20254〇〇大学大学院 〇〇研究科 修士課程 入学
20263〇〇大学大学院 〇〇研究科 修士課程 中途退学

入学と中退をセットで記載すると、経歴が時系列になって分かりやすくなります。

また、中退理由は履歴書に書く必要はなく、面接で補足すれば問題ありません。
正確かつ簡潔に記載することが評価を下げないポイントです。

記載例:博士課程で中退した場合

博士課程で中退した場合は、学位を取得していない事実を示すため、修士課程の中退と同様に「中途退学」と記載しましょう。

▼記載例

学歴
20244〇〇大学大学院 〇〇研究科 博士課程 入学
20263〇〇大学大学院 〇〇研究科 博士課程 中途退学

「修了」は学位の取得を意味する表現のため、誤って記載しないよう注意が必要です。

事実に基づいた正確な表記を心がけると、丁寧で誠実な印象を与えられるため、応募書類における信頼性の向上にもつながります。

記載例:博士課程満期退学の場合

博士課程満期退学の場合、必要単位をすべて取得している点が評価される可能性があるため、「単位取得満期退学」と記載します。

「単位取得満期退学」という表現を用いると、必要な単位を取得し、研究に継続的に取り組んできた事実を伝えられます。
一般的な中退とは異なり、一定の研究過程を修了している事実を伝えられる点が大きな特徴です。

▼記載例

学歴
20234〇〇大学大学院 〇〇研究科 博士課程 入学
20263〇〇大学大学院 〇〇研究科 博士課程 単位取得満期退学

大学院中退者が知っておきたい面接対策の3つのコツ

大学院中退者が知っておきたい面接対策は、「大学院での学びや経験をアピールする」「想定される質問への回答を準備する」「中退理由を前向きに伝える」の3つです。

大学院での研究経験や論理的な思考力は強みとして評価されるため、適切にアピールできれば採用担当者への印象を高められます。

また、想定質問への回答を準備して、中退理由を前向きに伝えると評価アップにつながります。「なぜ大学院を中退したのか」と面接で問われる可能性が高いため、自分の言葉で前向きかつ一貫性のある質問を準備することが必要です。

1. 大学院で学んだことや経験をアピールする

大学院中退後に就職を成功させるためには、大学院で学んだことや経験をアピールすることも有効な方法の一つです。

大学院を早く中退してしまった場合は難しいかもしれませんが、最低でも半年以上在籍していたのであれば、必ず就職に活かせるスキルを見つけることができます。
応募先の業種や職種に関連する経験がある場合は、積極的にアピールしましょう。

仮に、直接研究や学業で学んだことがアピールできなくても、その過程で得たものは決して無駄にはなりません。
大学院で何を学んだのか、どんな経験をしたのかをまとめてください。

自分の大学院中退までの経験やスキルを棚卸しし、就職に活かせるポイントがないかどうか、振り返ってみることが大切です。

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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

研究室のアルバイトのアピール方法

理系分野で学んできた方の中には、在学中に研究や実験だけでなく、教授や研究室のサポート業務を任されていた方も多いでしょう。こうした経験は、立派な実務的スキルとして自己PRに活かせます。

たとえば「先生の研究サポートを通じて、実験手順の改善提案を行い、作業効率を高めた」「研究チーム内での連携を重視し、スケジュール調整を担当した」など、自分の工夫や貢献を具体的に伝えることが重要です。

研究そのものの成果や数値は、専門外の人には伝わりにくいことがあります。そのため、「結果」よりも「結果を出すためにどのように努力し、どんな課題を解決したか」を語る方が、社会人としての素養をアピールできます。

結果だけでなく、その過程を語ることで、努力を重ねる姿勢や成長意欲がしっかりと伝わる自己PRになります。

2. 面接の想定質問への回答を準備しておく

面接で慌てないように、想定質問への回答をあらかじめ用意しておきましょう。

大学院中退者の場合、特に次の質問をされることが一般的です。

  • どうして大学院を中退したんですか?
  • どのような研究をしていましたか?
  • 中退をしたことで何を学びましたか?
  • 中退後、どのように過ごしていましたか?
  • 大学院で得た経験は、当社でどのように活かせますか?

想定される質問への回答を準備しておくと、緊張していても落ち着いて受け答えができます。

中退理由を質問されたときの答え方は「4. 大学院の中退理由」で例文と共に紹介していますので、参考にしてみてください。

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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

企業が大学院中退者の採用で見ているポイント

企業が中退者を採用する際は、仕事で成果を出す力があるかだけでなく、「自社のチームにうまくなじめるか」「周囲と協力しながら成果を出せるか」といった人間関係の構築力や協調性も重視しています。

研究活動では、分野によっては一人で黙々と作業を進める場面が多いため、社会に出た際に新しいコミュニティに入っても柔軟に対応できるか、チームで仕事を進められるかがポイントになります。

面接では、過去にチームで取り組んだ経験や、他者と協力して成果を出したエピソードを交えて話すと良いでしょう。大学や大学院での研究が一人作業中心だったとしても、その中で「先生や仲間と連携して課題を解決した経験」などを伝えられれば十分です。

3. 大学院を中退した理由を前向きに答える

大学院を中退した理由を面接で聞かれたときは、前向きな説明を心がけることが重要です。
ネガティブな印象を面接官に与えてしまうと、選考に落ちる可能性が高まるからです。

たとえば「研究内容に興味が持てなかったので中退しました」ではなく、「研究を進めていく中で◯◯という分野に興味を持つようになり、◯◯分野の専門性を極めるために中退しました」と伝えると前向きな姿勢を示せます。

中退理由をポジティブな表現に変換すると面接官からの評価を下げずに済むので、ぜひ意識してみてください。

では、中退理由別に例文を5つ紹介します。

ケース1:研究内容に興味が湧かなかった

大学院では◯◯を専攻しておりましたが、研究を進める中で自分自身の興味がより実践的な分野、具体的には△△にあることに気づきました。

そこで、この分野で一日でも早く経験を積みたいという強い思いから中退を決意いたしました。

大学院での◯◯の研究を通し、課題発見力や分析力を養うことができたと考えており、今後はこうした力を活かし、△△の分野で社会に貢献できる仕事に就きたいと考えております。

ケース2:人間関係でストレスが大きかった

大学院ではチームで研究に取り組む機会に恵まれましたが、その中で自身のコミュニケーション力不足から意見の衝突が生じ、研究活動に支障をきたしてしまいました。

研究室にこのまま留まると、他の院生や教授に迷惑をかけてしまい、自分自身も研究に集中できないと判断し、中退を決意いたしました。

この失敗経験を通して、相手の立場や意見を尊重する重要性を痛感いたしました。

今後はこの反省をもとに、周囲と良好な関係を築きつつ、チームの目標達成に貢献できる人材を目指していきたいと考えております。

小久保 友寛さんの写真

小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

人間関係が理由で中退した場合の伝え方

大学院や研究室での人間関係が原因で中退した場合は、伝え方によっては「人間関係を築くのが苦手なのでは」「他責的な考え方をする人なのでは」と受け取られてしまう可能性があります。そのため、具体的な状況を説明し、他の環境で良好な人間関係を築けていたエピソードを伝えると良いでしょう。

たとえば、「教授とは合わなかったが、アルバイト先では店長と協力して売上管理やお客様対応を任されていた」などと話すことで、「教授との関係が特殊なケースだった」と伝わりやすくなります。

また、就職エージェントなどを利用する場合は、上手くフォローしてもらえるでしょう。たとえば、「客観的に見ても教授の方に問題があったように感じました」といった形で、第三者の意見として伝えてもらうことで状況を客観的に説明でき、より伝わりやすくなります。

ケース3:学業不振で中退せざるを得なかった

大学院在籍中は、研究活動と並行して将来のキャリアについて模索しており、就職活動にも注力しておりました。

しかし、限られた時間の中で両立を図ることは難しく、中途半端な状態で研究を続けることは今後のキャリアにとって最善ではないと判断し、中退を決意いたしました。

この経験から、物事の優先順位づけと、時間管理の大切さを改めて痛感しております。

今後はこの教訓を活かし、御社の仕事に計画的に取り組んでいきたいと考えております。

ケース4:やりたいことが見つかった

大学院で◯◯についての研究を進める中で、研究分野に関わるビジネスの可能性に強い魅力を感じるようになりました。

特に△△という分野に携わることで、自分自身の研究における学びや経験を活かしつつ、よりダイレクトに社会に貢献できるかもしれない、という考えに至りました。

具体的には、研究者として学術的な方面で社会に貢献するよりも、ビジネスの最前線に立ち、多くの人に役立つサービスを生み出す仕事をしたいという思いが強くなったため、中退を決意いたしました。

ケース5:経済的な事情で通学が難しくなった

大学院では◯◯について研究しておりましたが、家庭の事情により学費の工面が難しくなり、修了まで通学を続けることが困難となりました。

私自身、この経験を通して経済的に自立することの重要性を強く認識し、両親にこれ以上負担をかけないためにも、まずは就職をして経済基盤を確立することを決意いたしました。

現在は1人暮らしに向け、生活費を早く確保できるようにアルバイトを2つ掛け持ちしつつ、就職活動にも並行して取り組んでおります。

伏見さんの写真

伏見 卓真/就職アドバイザー

視野を広げて、キャリアの可能性を広げよう!

膨大な時間をかけて得てきた知識や経験を生かしたいという気持ちもわかりますが、勇気を持って今までと違う領域に視野を広げてみましょう。

学んできた分野とは違っても、これまでに培った探究心や努力する力が活かせる仕事はたくさんあるはずです。今の経歴で就職できる選択肢と向き合い、世の中の企業を徹底的に調べてみましょう。

自分自身が歩みたい人生にフィットした、次のキャリアの可能性が見えてきますよ!

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス

大学院中退者が使いたい就職支援サービス

大学院中退者が使いたい就職支援サービスは、就職エージェント、わかものハローワーク、サポステの3つです。

就職支援サービスでは、担当のキャリアアドバイザーが求人紹介や書類の添削、面接対策まで支援してくれます。

わかものハローワークは若年層向けの公的なサービスです。職業相談や応募書類の添削、面接対策だけでなく、セミナーや職業訓練の案内も行なっています。

サポステは「働くこと」に不安を感じる若者をサポートする公的機関で、働く自信をつける段階から寄り添ってくれる点が特徴です。

1. 就職エージェント

就職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが個別にサポートし、中退の経歴を踏まえたアピール方法や求人を提案してくれるため大学院中退者におすすめです。

大学院での研究経験や論理的な思考力は企業から評価されやすい一方で、自分だけではうまく言語化できないケースも多くあります。

この場合は就職エージェントを利用すると、強みの整理だけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策まで一貫した支援を受けられるのがメリットです。

非公開求人を紹介してもらえる場合もあるため、自分では見つけられない企業と出会える可能性も広がります。

このように、就職エージェントは大学院中退者の不安を解消しつつ、短期間での内定獲得を目指せる点でおすすめです。

2. わかものハローワーク

厚生労働省が管轄する公的な就職支援サービス「わかものハローワーク」は、担当者制を導入していることが特徴です。
自己分析から職務理解、応募書類の添削、面接対策など、段階的にサポートを受けられるため大学院中退者におすすめです。

大学院中退の場合、経歴の伝え方に悩む方も多くいますが、相談員が強みの整理や前向きな伝え方を丁寧にサポートしてくれるため、安心して就職活動を進められます。

さらに、就職後の職場定着まで見据えた支援が受けられる点も魅力です。「就職先になじめない」などの悩みや不安も相談できるため、安心して長く働ける環境づくりにつながります。

参考:厚生労働省「わかものハローワーク

3. サポステ

厚生労働省が委託する就労支援機関の「サポステ(地域若者サポートステーション)」は、15歳から49歳までの働くことに悩みを抱える人を対象に支援を行なっているため、大学院中退者におすすめです。

個別相談を中心に、コミュニケーション講座や職場体験などを通じて「働く力」を少しずつ身につけられるため、自信がない状態でも安心してスタートできるのが特徴です。

職場の定着までサポートが続くため、「長く働けるか不安」という悩みにも対応できます。

求人紹介がメインのサービスとは異なり、就職前の段階から就労支援を受けられるため、就職の基本から整えたい方にも適しています。

参考:厚生労働省「サポステ(地域若者サポートステーション)

大学院中退者におすすめの業界・職種

大学院中退者におすすめの業界・職種は、メーカーやIT業界、製薬業界など、専門性や論理的思考力を活かせる分野です。

大学院で培った課題発見力や仮説検証力、データ分析力は、多くの業界で即戦力として評価されます。問題を構造的に捉え、筋道を立てて解決できる力は大きな強みです。

また、専門性が求められる業界ほど、ポテンシャル採用やスキル重視の傾向が強く、大学院中退者にも十分にチャンスがあります。

1. メーカー(研究開発・品質管理・FAS)

メーカーは、大学院で培った実験設計力やデータ分析力が活かせるため、大学院中退者におすすめの業界です。

課題に対して仮説を立てて検証するプロセスや、データの再現性を追求した経験は、メーカーの技術開発や品質管理の現場で即戦力として評価されます。

また、FAS(フィールドアプリケーションスペシャリスト)などの技術支援職では、専門知識をベースに顧客へ技術的な提案・解決策を示す「論理的対話力」が大きな武器になります。

修了に至らなかったとしても、一定期間、高度な専門領域に身を置き、研究に従事した事実は、学部卒の応募者にはない明確な差別化要因です。

専門性を正当に評価する企業を選ぶことで、学びを無駄にせず、キャリアを再構築できる環境を見つけることが可能です。

2. IT業界(エンジニア・データサイエンティスト)

IT業界は、プログラミング能力や論理的思考力が重視されるため、大学院中退者におすすめです。

データサイエンティストは、統計解析やデータ処理の経験が評価され、大学院での研究内容と高い親和性があります。
仮説検証のプロセスやデータをもとに課題を解決する力は、実務でもそのまま活かせます。

また、エンジニア職はポートフォリオや制作物でスキルを示せるため、学歴よりも実力で評価される点が特徴です。

IT業界は成長市場で求人数も多く、未経験からでも挑戦できる環境が整っています。

専門性や思考力を活かして新たなキャリアを築きたい大学院中退者にとって、IT業界は有力な業界といえるでしょう。

3. 製薬業界(研究・開発・MR)

製薬業界は、化学・生物系の知識や研究経験が評価されるため、大学院中退者に向いている業界です。

研究・開発職では、実験スキルや論文読解力に加え、仮説検証のプロセスやデータの正確性を重視する姿勢が求められます。
大学院で培った研究経験は、業務に直結する強みとして評価される点が特徴です。

また、MR(医薬情報担当者)は、医師に対して医薬品の情報提供を行う仕事であり、専門知識を分かりやすく伝える論理的な説明力が重要です。

大学院中退の場合も、専門領域に関する知識や研究経験があれば評価されるケースが多く、ポテンシャルを重視した採用につながる可能性もあります。
加えて、医療分野は社会的ニーズが高く、安定したキャリアを築ける点も魅力です。

4. 金融業界(クオンツ・データ分析・リスク管理)

金融業界は数理的思考力を活かせるため、大学院中退者におすすめの分野です。

特にクオンツ(※)やリスク管理の職種では、複雑な金融事象を数理モデルに落とし込む力が求められます。
大学院で培った分析力や数理的な思考は、そのまま実務に活かせる点が特徴です。
また、複雑な情報を整理し、根拠をもとに意思決定を支援する力も重視されます。

大学院中退の場合も、専門的なスキルや分析力があれば評価されるため、実力次第でキャリアを築ける環境が整っています。金融業界は成果が重視される傾向があるため、スキルを磨くほど活躍の幅が広がるのです。

データ分析力や論理的思考力を活かして働きたい大学院中退者にとって、金融業界は有力な選択肢といえるでしょう。

※クオンツ:高度な数学的手法を使い、金融市場のデータ分析や投資戦略、金融商品のプライシングなどを行う専門職

5. コンサルティング業界

コンサルティング業界は、課題解決力や仮説思考などのスキルが重視され、研究経験と共通点が多いため大学院中退者におすすめの業界です。

データ分析や資料作成、クライアントへの提案など、大学院で培った論理的思考力や検証力を活かせる場面が多くあります。
複雑な課題を整理し、仮説を立てて解決策を導くプロセスは、研究活動と親和性が高い点が特徴です。

また、学歴よりも思考力やポテンシャルを重視する企業があるため、大学院中退者も挑戦できる可能性が高くなります。

コンサルティングの業務はハードな場面もありますが、その分スピード感を持って成長でき、市場価値を高められる点が魅力です。さまざまな業界の課題に関われる経験は、キャリアアップにつながります。

6. 公務員

公務員は学歴よりも採用試験の結果が重視されるため、大学院中退者におすすめです。
特に専門職公務員では、法律や経済、理系分野などの知識が求められる場合があり、大学院で培った知識や研究経験が評価につながるケースもあります。

また、業務では論理的に物事を整理する力や、情報を正確に扱う力が求められるため、研究で身につけた思考力を活かせる点も特徴です。

中退という経歴に不安がある場合でも、試験対策にしっかり取り組めば結果で評価されるため、挽回しやすい環境といえます。

さらに、公務員は長期的に安定したキャリアを築けるうえ、福利厚生や労働環境が整っているため、ワークライフバランスを重視したい方にも向いています。

大学院中退前にやっておくべきこと

大学院を勢いで中退すると、就職活動や将来の働き方において不利になる恐れがあるため、退学理由の言語化と休学の検討、信頼できる人への相談が必要です。

企業は「なぜ大学院を中退したのか」「その後どのように行動しているのか」を重視するため、中退理由や今後の方針が曖昧だと評価が下がる原因になります。

一方で、退学前に準備をしておけば、中退という選択も前向きなキャリアの一歩として説明できます。

1. 大学院を中退する理由を言語化する

大学院を中退する前には、自分が大学院を中退しようと考えている理由を言語化してみましょう。
なんとなく大学院を中退してしまうと、中退後に後悔をしてしまうリスクが高まりますので注意が必要です。

また、大学院の中退理由は、中退後の就職活動の面接においても頻繁に聞かれる項目となりますので、そのまま面接対策になるといったメリットもあります。

大学院を中退する理由を言語化することにより、中退以外でその理由を回避できる場合もあります。例えば学費が払えなくて大学院を中退しようとしているのであれば、利用できる奨学金を探したり、家族からのバックアップをしてもらうといった解決策が考えられます。

中退は最後の手段と捉えた上で、まずは自分が中退しようとしている理由を明らかにするところから始めてみてください。

2. 中退ではなく休学を検討する

大学院を中退すると、基本的には元に戻ることができなくなるため、慎重に判断することが重要です。

大学院に対するストレスを感じて正常な判断ができなくなっている可能性も考えられることから、まずは中退ではなく休学を検討することもおすすめします。

休学であれば自分が大学院に戻りたいと思ったタイミングで戻ることができますし、大学院を中退した後の生活を実感することも可能です。

一度大学院から離れて自分の状況を客観視することで、自身の将来像を見直すことにも繋がりますので、より後悔のない選択を実現できるはずです。

3. 信頼できる人に相談する

大学院を中退して良いかどうか自分1人では判断がつかない場合は、信頼できる人に相談するのも1つの手です。

例えば同じ研究室や大学院に通っている友人に相談してみることで、精神的なストレスが発散でき、前向きに大学院に通えるようになるかもしれません。

また、家族であれば自分の境遇を理解してくれるだけでなく、自分1人では思いつかなかったような解決策を導き出してくれることも考えられます。

どうしても身近に相談できる相手が見つからず、将来の就職の事に不安を感じているのであれば、就職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。

いずれにせよ、自分1人だけで中退の判断をしてしまうと後悔するリスクが高まりますので、あらゆる人に相談をして自分でも納得のいく判断をすることを心がけてみてください。

「大学院中退」によくある質問

大学院を中退した方がよく抱く質問に7つお答えします。

1. 大学中退者は就職が難しいですか?

大学院中退者(大学中退者含む)の約3分の1が正社員就職に成功しているというデータもあるため、中退者であっても就職できる可能性は十分にあります。
ただし同データによると、大学・大学院卒の正社員就職率のほうが高いので、大学・大学院卒予定の学生よりも選考対策などにしっかりと取り組むことが欠かせません。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究|図表1-6 学歴別 正社員就業までの期間(平成27年)p.21

2. 大学院中退の理由とは?

労働政策研究・研修機構の調査によると、大学院を中退しようと思った理由の1位は「教員とうまく関われなかったから」です。
2位は「経済的に苦しかったから」で、3位には「勉強に興味・関心が持てなかったから」という理由が続きます。出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 |図表2-9 中退しようと思った理由(平成27年)p.72
大学院中退を後悔しないためには?

3. 大学院中退を後悔しないためには?

大学院を中退したことを後悔しなくない方は、次の2つに取り組んでみてください。
・大学院中退の「その後」を考える
・第三者の意見も聞いて判断する
中退後のビジョンがないと「中退しなければよかった…」と感じやすいので、まずは中退後の具体的な行動計画を立てましょう。 
親や教授など、信頼できる第三者から意見を求めつつ、自分では気づかなかった視点や選択肢をもとに進むべき方向を決めることも大切です。

4. 大学院を中退するときに注意することは?

大学院中退者が特に注意しておきたいことは、「中退」の事実を企業に伝えずに就職してしまうことです。
内定後に中退の事実が判明すると、故意ではないにせよ、あなたに対する企業からの信用が一気に落ちてしまいます。
最悪の場合、内定取り消しや、学歴詐称として訴えられる可能性もあるので、大学院を中退したことは企業に確実に伝えるようにしましょう。

5. 大学院中退の人が使う相談先とは?

大学院中退ということで就職活動にプレッシャーや孤独感を感じている人もいるかもしれません。「ジェイック」は大学院中退の方も利用できる就職支援サービスを運営しています。
就職のプロが親身になってサポートしますのでまずはご登録をお待ちしております。

6. 大学院を中退した場合の最終学歴は?

大学院を中退した場合の最終学歴は「大卒」です。
最終学歴といえるのは、学位を取得している場合に限られるので、大学卒業までと見なされます。
注意したいのは、同じ「大卒」でも「大卒の新卒」にはならないことです。
大学院中退の場合は、「既卒」「第二新卒」として扱われることになり、企業によって募集枠が異なるため、確認が必要です。

7. 大学院中退は逃げか?

大学院を中退することは逃げとは限りません。
経済的な理由など、致し方ない場合もあるからです。大学院を中退して就職活動をする場合は、面接で大学院を辞めた理由をきちんと説明できれば問題ありません。
中退したことを恥じるのではなく、そこまで努力した経験やスキルを仕事に活かせるように、前向きに就職活動を行いましょう。

まとめ

大学院中退は、やはり修了した場合と比較すると就職活動でマイナスになってしまうことはあり得ます。

特別な事情がないのであれば、修了を目指してほしいと考えます。
しかし、中退したから就職できないというわけではありません。
大学院を中退しても「大卒」という学歴は残るため、キャリアにおける選択肢は広くなります。

ジェイックでは、大学院を中退した方、またこれから中退することを考えている方へ向けた就職支援にも力を入れています。

大学院中退後の就職をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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  • 学歴に自信がないから就職できるか不安
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ABOUT US
小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。