大学留年は恥ずかしい?理由やデメリット、前向きに受け止める方法を解説

大学で留年したのが恥ずかしいと感じてしまうのは、決してあなただけではありません。多くの学生が同じように不安や劣等感を心の奥に抱えています。
同級生が先に進級・卒業していく中、自分だけが取り残されたように感じる気持ちや、後輩と一緒に授業を受ける気まずさ、親への申し訳なさ、就活への不安があなたの心を押しつぶそうとしているかもしれません。
本記事では、大学留年を恥ずかしいと感じる理由と留年のデメリット、大学留年の割合と理由、前向きに受け止める方法と留年後の選択肢、留年の事実を親に伝える方法について解説します。
「留年してもチャンスがあるから大丈夫」と思えるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
「大学留年は恥ずかしい」と感じる理由
大学留年を恥ずかしいと感じる大きな原因には、周囲との比較や将来への不安があります。
同級生に先を越されると自分だけ取り残されたように感じたり、後輩と一緒に授業を受ける気まずさから劣等感や焦りを抱いたりするケースは多くあります。
さらに、世間体が気になり、学費や生活費を支える親に対する後ろめたさや周囲の期待に応えられなかった悔しさが重なるため、気持ちの負担が大きくなるのです。
就職活動で不利になるのではという不安も強まり、自信を失って自己肯定感が低下する場合もあります。
本章では「大学留年は恥ずかしい」と感じる主な理由について、具体的に解説していきます。
- 同級生が先に進級・卒業するから
- 下の学年の人と一緒に授業を受けるから
- 世間体を気にしてしまうから
- 親に申し訳ないと感じるから
- 周囲の期待に応えられなかったから
- 就職活動で不利になるのではと思うから
- 自己肯定感の低下につながるから
同級生が先に進級・卒業するから
同級生が次々と進級・卒業していく姿を見ると、自分だけが取り残されているような感覚になるため恥ずかしいと感じます。
大学生活は同級生との一体感が大きく、その中で自分だけが遅れる状況は孤立感を生みやすいものです。
SNSでの近況報告や進路の話題に触れるたびに比較してしまい、自信を失うきっかけにもなります。
留年による焦りや孤立感は多くの学生が抱える感情ですが、視点を変えれば新しい挑戦や学び直しのチャンスとして活かせる場合もあります。
下の学年の人と一緒に授業を受けるから
留年して下の学年の人と同じ授業を受ける状況は、自分が一度つまずいたことを周囲に示すようで恥ずかしいという気持ちを抱きます。
大学では年齢や立場の違いを強く意識する場合があるため「年下には話しかけづらい」「周りからどう思われているのだろう」と視線が気になります。
大学生活では同級生と一緒に学び進んでいくため、その流れから外れると孤立感や気まずさが増す人が多くいるのです。
心理的な要素が複合的に作用するため「下の学年と授業を受けることは恥ずかしい」と強く意識するのです。
世間体を気にしてしまうから
日本では「順調に大学を卒業することが当たり前」という価値観が根強く、それに反する状況に置かれると「恥ずかしい」と感じる場合があります。
親や親戚、知人などの視線を想像すると、世間体への不安が大きくなります。
「留年したの?」「なぜ単位を落としたの?」などの言葉がプレッシャーになり、自分を責める要因にもなるのです。
周囲からの視線や世間体への不安が重なり、留年は多くの学生にとって心理的に大きな負担となります。
親に申し訳ないと感じるから
大学に通う際は多額の費用がかかるため、学費や生活費を支援してくれている親への負担を考えると、留年に対して強い罪悪感を抱きやすくなります。
留年によって在学期間が延びれば、その分の学費や生活費も余計に必要となり「親に迷惑をかけてしまった」という思いが重くのしかかります。
さらに、親の期待を裏切ってしまったという後悔の気持ちも加わり、将来への不安と相まって気持ちが追い込まれる場合もあるのです。
親への申し訳なさが積み重なると、留年は「恥ずかしい」と感じる意識をいっそう強めてしまいます。
周囲の期待に応えられなかったから
家族や親戚、友人など、自分の周囲から注目されている自覚がある場合、その期待に応えられずに留年すると恥ずかしいと感じます。
「あの人は優秀」「真面目で努力家」という評価があると、留年によってイメージを壊してしまったと感じ、強い自己否定感を抱きます。
その結果、周囲に顔向けできないという気持ちが生まれ、恥ずかしいと思うようになるのです。
周囲の期待を裏切ったと感じるその重みが精神的な負担となり、のしかかってきます。
就職活動で不利になるのではと思うから
留年を経験した学生が不安を抱きやすいのが「就職活動で不利になるのでは」という点です。
「学業に取り組む姿勢に問題があるのでは」「計画性に欠けるのでは」と採用担当者からマイナスの印象を持たれるのではないかと心配になります。
また、同級生が順調に就職活動を進めたり、内定を獲得したりしている姿を見て、自分は遅れてしまったという焦りも重なります。
これらの不安が「留年は就活で不利になる」という意識を強め、恥ずかしいと感じるのです。
自己肯定感の低下につながるから
留年をすると、同級生が次々と進級や卒業をしていく中で、自分だけが取り残されているように感じるため、強い劣等感を生み自己肯定感を下げる大きな要因となります。
日本社会では「順調に卒業するのが普通」という価値観が根強く残っているため、留年によって周囲から否定的に見られるのではないかと不安を抱きやすくなります。
世間体を気にする気持ちが強まると、自分の評価を過度に低くするため、自信を失ってしまうケースがあるのです。
これらの心理的な負担が積み重なることで、自己肯定感の大きな低下につながります。
大学留年のデメリット6つ
大学を留年すると、学費と生活費の負担や奨学金の停止、卒業や就職の遅れ、就職活動でのハンデ、内定取り消し、精神的な負担など、多くのデメリットがあります。
在籍期間が延びると学費や生活費などの経済的な負担が増えるだけでなく、奨学金の支給が止まる場合もあります。
また、卒業や就職の時期が遅れるため、キャリアのスタートが後ろ倒しになる点も注意すべき点です。
さらに、就職活動では「留年=計画性に欠ける」と企業に受け取られる恐れがあり、不利に働く場合もあります。
すでに内定を得ているケースでも、卒業ができなければ取り消しとなるかもしれません。
加えて、留年によって劣等感を抱きやすく、精神的な負担も大きくなるのが実情です。
大学留年の主なデメリット6つについて、以下のとおり解説します。
- 学費や生活費が追加で必要になる
- 奨学金が停止される
- 卒業や就職が遅れる
- 就職活動で不利になる可能性がある
- 内定を取り消される恐れがある
- 精神的につらくなる
学費や生活費が追加で必要になる
大学で留年すると在籍期間が延びるため、予定外の学費や生活費が必要になります。
授業料や施設利用料が追加で発生し、場合によっては教科書や教材も買い直さなければなりません。
生活費については、実家から通っている場合でも交通費や食費がかかり、一人暮らしなら家賃や光熱費などが必要です。
アルバイトの時間を増やして学費や生活費を補おうとすると勉強時間が減り、再び単位を落とすリスクが高まります。
金銭的かつ時間的な負担は学生本人だけでなく、家族にも大きな影響を及ぼすため、留年のデメリットとして見過ごせないポイントです。
奨学金が停止される
大学を留年すると、追加の学費が必要になるにもかかわらず、奨学金を停止される恐れがあります。
日本学生支援機構(JASSO)のルールでは「修業年限で確実に卒業(修了)できる見込みがあること」が貸与の条件とされています。
そのため留年した場合は、在学中であっても新たに奨学金を申請することはできません。
すでに借りている奨学金については「在学猶予願(在学届)」を提出すると返還開始を先送りできます。
ただし、これは返済時期を延長できる制度であり、新たな貸与や給付が受けられるわけではありません。
奨学金の仕組みを知らずに留年すると、経済的な負担が予想以上に大きくなるため注意が必要です。
奨学金を申請する際は、制度の条件や在学猶予の仕組みを正しく理解しておきましょう。
参考:
独立行政法人 日本学生支援機構 在学猶予(在学猶予願の届出が必要な場合)
卒業や就職が遅れる
大学で留年すると卒業のタイミングが半年または1年、場合によってはそれ以上遅れてしまうため、同年代と比べて社会に出る時期が後ろ倒しになります。
その結果、キャリアの歩み出しが遅れ、職場での経験年数や昇進のタイミング、昇給の機会などで差が生じやすくなるのが現実です。
さらに、就職の遅れはライフプランにも影響します。
社会人として働き始める年齢が遅れると、結婚や住宅の購入、資産形成なども後ろ倒しになりがちです。
留年は学業だけでなく将来設計にも影響を及ぼす可能性があるため、慎重に向き合う必要があります。
就職活動で不利になる可能性がある
留年すると「能力や意欲、計画性に問題があったのでは」と採用担当者から思われて、就職活動で不利になるリスクがあります。
留年の理由が単位不足や試験の失敗、レポートの未提出などのネガティブな理由の場合、就職活動で不利に働く可能性が高まるのです。
面接では「なぜ留年したのか」を問われるケースが多いため、回答次第で印象が大きく変わります。
そのため、留年が自分の成長や学びにつなげられた経験を正直かつ前向きに伝えられれば、マイナスの印象を和らげることも可能です。
内定を取り消される恐れがある
多くの企業は「〇年3月卒業見込み」などの卒業を前提条件として学生を採用するため、留年により卒業できない場合は内定を取り消されるケースがあります。
理由は、大卒向けの求人条件を満たさなくなるからです。
ただし、留年が確定しても、必ずしも内定が取り消しになるわけではなく、柔軟に対応してもらえる場合もあります。
企業によっては、留年を報告して事情を説明すれば入社を待ってくれたり、翌年度に調整してくれたりするかもしれません。
企業の対応は業界や状況などによりますが、留年が分かった時点ですぐに企業へ相談しましょう。
精神的につらくなる
留年すると自分だけ取り残された気持ちになって自信を失うため、精神的につらくなる場合があります。
さらに、卒業の遅れは就職活動や将来の進路にも影響を与える可能性があり「留年した自分は、今後の人生で不利になるのでは」という不安が募ります。
大学の留年による精神的なダメージは気持ちの問題にとどまらず、日常の行動パターンにも悪影響を及ぼすケースがあるのです。
心の不安が強くなるほど生活リズムが乱れやすく、さらに状況が悪化してしまうこともあります。
大学留年の割合を紹介
J-STAGEの調査によると、大学留年の割合は全体で5.0%、男子6.1%、女子2.8%です。
およそ20人に1人が留年を経験しているため、決して珍しいことではありません。
男女の専攻別では、文系男子の留年率がもっとも高い点が特徴です。専攻別・男女別の割合は次のとおりです。
| 専攻・性別 | 留年率 |
|---|---|
| 文系(4年制)男子 | 6.7% |
| 文系(4年制)女子 | 3.2% |
| 理系(4年制)男子 | 6.2% |
| 理系(4年制)女子 | 2.4% |
| 6年制学部男子 | 3.7% |
| 6年制学部女子 | 1.8% |
女子の留年率が低いのは、学習や課題に対して計画的に取り組む傾向が強いと推測されます。
また、6年制学部では、入学時点で目的意識が明確な学生が多いため、留年率が比較的低いと考えられます。
留年を防ぐためには、早い段階から履修計画を立て、学業と生活のバランスを意識しましょう。
参考:J-STAGE 大学における休学・退学・留年学生に関する調査
大学留年の理由を順位別に解説
大学生が留年に至る理由は学業のつまずきだけでなく、学習意欲や生活習慣などが大きく影響しています。
大学中退者向けの就職支援を行う弊社ジェイックの調査では、留年経験者の多くは勉強に関する理由を挙げています。
また、サークルやアルバイト、部活動との両立が難しくなり、学業が後回しになってしまうケースもあるのです。
留年には個人的な事情も影響しますが、全体としては学習の継続が難しくなった点が大きな要因です。
本章では、大学留年の理由を詳しく解説します。
- 留年理由1位~5位を紹介
- 留年理由1位~5位を文系・理系別に紹介
参考:株式会社ジェイック 【調査】中退者の半数が「留年経験者」、留年理由1位は「授業についていけない」 中退者331名へのアンケート調査を公開
留年理由1位~5位を紹介
大学生が留年した理由の1位は「授業についていけなかったから」で、学習内容が理解できず単位を落とす結果につながりました。
2位は「授業内容に興味を持てなかったから」で、モチベーションの低下が影響しています。
3位は「サークルや部活、バイト等に熱中したから」で、勉強が後回しになりやすい傾向が見られました。
4位は「気の合う友人がいなかったから」で、孤独感を抱き、大学へ通う習慣が薄れる点が推測されます。
5位は「体調不良」で、出席日数の不足や試験・レポートへの影響が考えられます。
大学留年には学業だけでなく生活習慣や人間関係、健康面などのさまざまな要因が重なりやすいため、早めに対策することが必要です。
| 留年理由 | 割合 |
|---|---|
| 授業についていけなかったから | 35.6% |
| 授業内容に興味が持てなかったから | 34.4% |
| サークルや部活、バイト等に熱中したから | 19.0% |
| 気の合う友人がいなかったから | 7.4% |
| 体調不良 | 3.7% |
留年理由1位~5位を文系・理系別に紹介
文系と理系を比較すると、留年の理由にはっきりとした違いが見られます。
文系では1位が「授業内容に興味を持てなかったから」で、関心の薄さやモチベーションの低下が大きな原因です。
興味を持てない授業では出席や課題の提出がおろそかになるため、単位不足に直結します。
理系では1位が「授業についていけなかったから」で、難易度の高い内容が進級の壁となるケースが多く見られます。
専門的かつ高度な内容に対応できず、成績不良につながる学生が多くいるのです。
文系と理系で特徴は異なりますが、いずれの場合も早期に理由を把握して学習方法を工夫したり、友人や教員に相談するなどの対策を取ると留年の防止につながります。
| 留年理由(文系) | 割合 |
|---|---|
| 授業内容に興味が持てなかったから | 36.7% |
| サークルや部活、バイト等に熱中したから | 27.8% |
| 授業についていけなかったから | 21.5% |
| 気の合う友人がいなかったから | 8.9% |
| 体調不良 | 5.1% |
| 留年理由(理系) | 割合 |
|---|---|
| 授業についていけなかったから | 49.4% |
| 授業内容に興味が持てなかったから | 31.3% |
| サークルや部活、バイト等に熱中したから | 10.8% |
| 気の合う友人がいなかったから | 6.0% |
| 体調不良 | 2.4% |
留年を前向きに受け止める方法
留年の経験を「自分の人生の方向性を改めて見直す時間」として捉えると、今まで気づけなかった弱点や価値観に向き合えるチャンスになります。
留年は誰にとってもショックな出来事ですが、まずは「留年=人生の終わりではない」と強く意識しましょう。
次に、留年の原因を冷静に分析して改善プランを立てます。また、年下や後輩との交流を恐れず前向きに受け入れると、人間関係の幅が広がります。
そして、就職活動で留年を「逆境を乗り越えた経験」 として語れば、粘り強く努力できる人材だと評価されるでしょう。
留年を前向きに受け止める具体的な方法について、以下の4点を解説します。
- 「留年=人生の終わりではない」と意識する
- 自分の弱点を見直すチャンスと考える
- 年下の人との交流を前向きに捉える
- 就職活動で留年を強みに変える
「留年=人生の終わりではない」と意識する
大学で留年すると「自分はダメな人間だ」「もう終わりだ」と感じる人が多くいますが、あなたの人生が終わったわけではありません。
留年の事実をどのように乗り越えるかによって、今後の成長や可能性が大きく変わります。
周囲の目や同級生との比較によって劣等感を抱いたり「恥ずかしい」と思ったりしますが、
世の中には大学を留年した人がたくさんいます。
そして、彼らの多くは留年で得た学びや経験を強みに変えて、社会で活躍しているのです。
人生は長いため、キャリアをスタートする時期や年齢の差は大きな問題ではありません。
留年をきっかけに自分を見つめ直し、新しい一歩を踏み出せば、あなたの未来はさらに大きく拓けていきます。
自分の弱点を見直すチャンスと考える
留年は自分の課題に気づき、改善する絶好の機会です。
留年の原因は多くの場合、授業への出席不足や課題提出の遅れ、単位不足、時間管理の甘さなど、何かしらの弱点があるものです。
大学留年をただの失敗と捉えるのではなく、自分自身を見直す「成長の機会」として活かしましょう。
具体的な対処法は次のとおりです。
- 基礎から復習する
- 友人や教授に相談する
スケジュール管理アプリを活用する
社会に出てからも自分を客観的に振り返り、改善する力は非常に重要です。
今このタイミングで自分の弱さと向き合う経験を積めることは、将来的にも大きな財産になります。
年下の人との交流を前向きに捉える
年下との関わりは、新しい視点と成長をもたらすチャンスと捉えましょう。
留年して後輩と一緒に学ぶ場合、恥ずかしいと感じる人が多くいますが、新しい価値観や考え方に触れられる点がメリットです。
年下の人がどのような学び方をしているのか、自分とどのように違うのかを観察すると、思考の幅を広げられます。
また、自分が経験してきたことを後輩に共有できれば「頼られる存在」としての自信も芽生えるでしょう。
社会に出ると、年齢や立場の違う人と円滑にコミュニケーションを取るスキルが求められます。
そのため、年齢の壁を越えた関係性を築くことは、新たな強みとなります。
就職活動で留年を強みに変える
留年した後、どのように努力して改善できたかを面接で前向きに説明できると、経験を強みに変えられます。
多くの採用担当者が見ているのは「なぜ留年したのか」よりも「その経験をどのように乗り越えたのか」「どのような学びがあったのか」です。
留年の原因と改善方法、成果と今後の活かし方を具体的に語ると、企業が求める粘り強さや課題解決力、主体性の要素を備えていると評価される可能性があります。
「留年=不利」という思い込みに縛られるのではなく、自分だけのエピソードとして前向きに語れるよう準備すると、就活の成功につながります。
大学を留年した後の選択肢
留年が決まった後は引き続き大学に通う、中退する、休学してから復学する、編入や転学をするなど複数の選択肢があります。
どの道を選んでも正解・不正解はないため、自分に合った選択肢を見つけましょう。
そのためには焦って決断するのではなく、今の体調や学習意欲、将来のキャリアを冷静に見つめ直す必要があります。
進路ごとのメリットとデメリットを整理し、保護者や大学の教授、キャリアセンターなど信頼できる人に相談すると、より納得感のある選択ができるでしょう。
本章では、大学を留年した後の主な選択肢を4つ、それぞれ解説します。
- 卒業を目指して引き続き通う
- 中退して就職する
- 休学を挟んで立て直す
- 編入や転学を検討する
卒業を目指して引き続き通う
留年しても学び続けて大学を卒業すると、大卒の資格を得られるのが大きなメリットです。
大学を卒業すると大卒以上が条件の求人に応募できるうえ、大学院への進学など選択肢が広がります。
ただし、留年を再び繰り返さないようにするため、これまでの失敗を振り返り、改善する姿勢を持ちましょう。具体的な方法は以下のとおりです。
- なぜ留年したのか原因を明確にする
- スケジュール管理を徹底する
- 教授や学習支援センターに相談する
「留年は恥ずかしい出来事」と思われるかもしれませんが、冷静に受け止めて改善策を検討し、行動に落とし込めば、計画力や自己管理能力が身につきます。
留年から立ち直った事実は、社会に出てからも大きな強みとなるでしょう。
中退して就職する
近年は売り手市場のため、学歴不問の求人が増加しており、実力重視の業界では大学中退でも活躍できるチャンスがあります。
大学を中退するとマイナスイメージを持たれるうえ、高卒の扱いになるためデメリットになる場合もありますが、学費が不要になる点や学歴不問の企業に入社できる可能性がある点でメリットもあります。
中退して就職する際は、以下のように進めましょう。
- 中退の理由を面接で前向きに説明できるように準備する
- 実務経験を積みながらキャリアアップを目指す
- 資格の取得やスキルアップで差別化を図る
大学中退=失敗と決めつけず、計画的に動けば十分に成功できるでしょう。
休学を挟んで立て直す
留年の原因が精神的・身体的な不調の場合、休学してリセットする方法もあります。
無理に通学を続けて悪化するより、一度立ち止まって心身を整えてから復学した方が将来的にはプラスになります。
メンタル不調や燃え尽き症候群などがある場合は、専門機関のサポートを受けるのもおすすめです。
心身の不調により休学する際は、以下の点に注意しましょう。
- 休学制度について大学に確認する
- 休学中にやるべきことを明確にする
- 休学中は無理のない範囲で自己分析やキャリアの準備期間として活用する
- 復学後の過ごし方を計画する
休学期間は治療に専念しつつ、未来のための準備期間として前向きに過ごしましょう。
編入や転学を検討する
大学のカリキュラムや雰囲気、人間関係などがどうしても合わないと感じるなら、別の大学や専門学校への編入や転学を検討するのも1つの方法です。
新しい環境に移ると学習意欲が取り戻せたり、自分の将来像に合った専門性を深められたりする可能性があります。
編入や転学を検討する際は、以下の点に留意しましょう。
- 編入・転学の制度やスケジュールを早めに確認する
- 単位の互換性や必要条件を調査する
- 学費や生活環境の変化も踏まえて判断する
- 転学後の目標やビジョンを明確に持つ
編入や転学は大きな決断ですが、勇気を持って一歩を踏み出せば、新しい可能性が開けていくでしょう。
留年の事実を親に伝える方法
留年を親に伝えるときは、事実を隠さずに理由と改善策をセットで話しましょう。
曖昧な説明や言い訳だけでは親が不安に思うため、なぜ留年になったのかを冷静に伝え、そのうえで具体的な改善策を示すと理解を得やすくなります。
留年は多くの学生にとってショックな出来事であり、親に打ち明けるのをためらう人は多くいます。
しかし、事実を隠したままにすると後でトラブルになり、親子の関係がぎくしゃくする場合があるのです。
親は子どもの将来を心から心配しているからこそ、正直に話す姿勢と、留年を再び繰り返さないための具体的な計画を伝えると信頼につながります。
本章では、留年を親に伝える際の具体的な方法を以下のとおり解説します。
- 留年に至った理由を整理して伝える
- 親の気持ちに配慮する言葉を添える
- 今後の改善策や計画を説明する
留年に至った理由を整理して伝える
授業の出席不足やレポートの未提出、体調不良など、留年の事実を整理して親へ分かりやすく説明しましょう。
親は原因が分からないことに強い不安を感じる場合があるため、正直に状況を説明しつつ「今後はどのように改善するのか」という具体的な行動計画を伝えると、安心感を与えられます。
感情的に言い訳をせず、冷静に整理して事実を伝える姿勢が大切です。
例えば「カレンダーアプリでリマインド設定をする」「生活リズムを見直す」など、自分に合った改善策を挙げると前向きな姿勢を示せるでしょう。
親の気持ちに配慮する言葉を添える
留年の事実を親に伝える際は「迷惑をかけて申し訳ない」「心配をかけてしまいごめんなさい」など、気遣いの言葉を添えましょう。
事実のみを伝えるよりも、親の気持ちを思いやった言葉を加えると受け止め方が和らぎます。
多くの親は子どもの留年を聞くと、驚きや失望、不安などの複雑な感情を抱きやすいものです。
その気持ちを和らげるためには、親の立場に立って心から謝ると理解を得やすくなります。
親の気持ちを尊重しながら丁寧に伝えると感情的な衝突を避け、建設的な話し合いにつながります。
今後の改善策や計画を説明する
留年後の道筋を前向きに示すと、親へ安心感を与えられます。
親がもっとも心配しているのは「留年後にどうなるのか」という点です。そのため、改善策や具体的な行動計画を伝えましょう。
例えば「今後は休まずに学校に通う」「勉強時間を確保するために生活習慣を見直す」「アルバイトの時間を減らす」などの具体例を挙げます。
また、就職活動や卒業後のキャリアについても触れると、将来への前向きな姿勢を示せます。
前向きな計画を共有すれば、親も希望を持ってサポートしてくれるでしょう。
まとめ
「大学を留年すると恥ずかしい」と感じるのは、同級生に遅れを取る焦りや、後輩と授業を受ける気まずさ、世間体や親への申し訳なさといった心理的な要因が大きく影響します。
就職活動への不安や自己肯定感の低下も重なるため、精神的な負担が大きくなります。
ただし、留年の経験を「自分の弱点を見直す機会」として活かすことも可能です。
逆境を乗り越えた経験として就活の面接で伝えると、強みに変えられる場合があります。
大学留年は一時的なつまずきに過ぎません。人生の終わりや恥ずかしいことと受け止めず、未来の力へ変えていきましょう。





















