大学留年はいつわかる?留年確定のタイミングや事前連絡について解説

大学留年がいつわかるか疑問に感じている方は多いと思いますが、基本的には前期・後期の成績発表後、または学年末に実施される「進級判定審議会」「卒業判定審議」の後にわかることが一般的です。
大学生活は“自己責任”のため、留年しそうな学生に対して事前に連絡をしてくれる大学はほぼありません。ただし救済措置が用意されている場合もあるので、単位を取得できそうにないときは教務課や教授に相談してみましょう。
この記事では、大学留年がわかるタイミングや確認方法を紹介しています。留年するか心配な方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
【進級】大学留年が確定するタイミング
大学の留年が確定するタイミングは、前期の成績発表後、後期の成績発表後、そして進級判定審議会後の3つに分けられます。
後期でどれだけ努力しても必要な単位を満たせない場合、前期の時点で留年が確定することがあります。
年間の修得単位数がわかる後期の成績発表を見て、自分が留年となることを理解する学生も少なくありません。
また、多くの大学では「進級判定審議会」が開かれ、この会議で“進級不可”と判断されると留年が正式に確定します。
なお、留年には次の2つのパターンがあります。
- 進級要件を満たせず留年となる場合(例:1年から2年に進めない)
- 卒業要件を満たせず留年となる場合(例:4年で卒業できず5年になる)
まずは、進級できないことがわかるタイミングから見ていきましょう。
1. 前期の成績発表後(8月中旬~9月上旬頃)
前期の成績発表後(8月中旬から9月中旬頃)に留年が確定するのは、後期で単位を全て取っても進級要件を満たせない場合や、前期の必修科目を落とした場合です。
たとえば2年次に進級するために、1年次で30単位以上の修得が必要だとします。このとき前期終了時点で8単位しか取れていなければ、後期に22単位以上が必要です。
ところが1学期に修得できる単位数には上限があり、18単位ほどに制限されることが一般的です。そのため後期で取れる全授業の単位を取れても条件を満たせず、前期の時点で留年が決まってしまうのです。
また、前期の必修科目を修得していない学生の進級を認めない大学・学部も多くあります。
このように、後期を待たずに前期の時点で留年が確定することもあるのです。
2. 後期の成績発表後(2月中旬~3月中旬頃)
後期の成績発表後(2月中旬から3月中旬頃)に留年が確定するのは、進級に必要な単位が不足していることがわかった場合がほとんどです。
たとえば2年次に進級するために「1年次のうちに30単位以上修得すること」が要件だとします。この場合、前期の成績で15単位しか取れていなくても、後期で15単位以上を修得できれば進級要件を満たせます。
しかし後期の試験に不合格だったり出席日数が足りなかったりして、年間で25単位しか取れていなければ進級要件を満たせません。この場合、後期の成績発表時点で留年がほぼ確定してしまいます。
このように後期の成績発表によって年間の修得単位がわかるため、その結果によって次の学年に進めるかどうか理解できるのです。
3. 進級判定審議会の後(2月~3月頃)
多くの大学では、2月から3月にかけて「進級判定審議会」が実施されます。この会議で“進級不可”と判断されると留年が確定し、その後に結果が覆ることはほぼありません。
大学留年がいつわかるか正確な時期が知りたい方は、進級については「進級判定審議会の後」と理解しておくと良いでしょう。
この会議では主に以下の点が教授陣の間で確認され、最終的な結論が出されます。
- 年間修得単位数
- 必修科目の修得状況
- GPA(成績評価値)
追試などの“救済措置”が与えられることもありますが、基本的には進級基準に従い、各学生の進級可否が機械的に判断されることが一般的です。
学生が次年度に進めるかどうか最終的に決まる場のため、進級判定審議会によって決まった内容が変わることはほぼないのです。
【卒業】大学留年が確定するタイミング
自分が卒業できないことがいつわかるかと言うと、最終学年の前期の成績発表後や、後期の成績発表後、そして卒業判定審議会後の3つのタイミングが挙げられます。
後期で取れる単位を全て修得しても卒業に必要な単位を満たせない場合、最終学年の前期の時点で留年が確定することがあります。
これまでの総修得単位数が明らかになる後期の成績発表を見て、自分が卒業できないことを理解する学生も少なくありません。
多くの大学では2月下旬〜3月上旬に「卒業判定審議会」が開かれ、この会議で“卒業不可”と判断されると留年が正式に確定します。
1. 前期の成績発表後(8月中旬~9月上旬頃)
前期の成績発表後(8月中旬から9月上旬頃)に留年が確定するのは、後期に修得できる単位をフルに取っても卒業要件を満たせないことがわかったときです。
たとえば4年制の大学に通っており、卒業には124単位が必要だとします。この場合、4年次の前期終了時点で80単位しか修得できていなければ、後期で44単位以上を取る必要があります。
しかし、多くの大学では1学期で修得できる単位数に上限があり、18単位ほどに制限されていることが一般的です。そのため後期に最大限履修しても124単位に届かず、前期の時点で留年が決まってしまいます。
このように前期の成績発表の段階で自分が卒業できない、つまり留年が確定することもあるのです。
2. 後期の成績発表後(2月中旬~3月中旬頃)
最終学年の後期の成績発表後(2月中旬から3月中旬頃)に留年が確定するのは、卒業に必要な単位数が不足していることが明らかになるからです。
たとえば卒業に124単位が必要な場合、4年生の後期の成績発表で110単位しか修得できていなければ、その時点で留年がほぼ確定します。卒業要件に含まれる必修科目をまだ修得できていない場合も、卒業が認められないケースがほとんどです。
最終学年の2月頃には、卒業論文や卒業研究の提出・審査・合否判定も行われます。このとき、提出期限を守れなかったり、口頭試問や最終発表で不合格になったりした場合も卒業を認めてもらえないことがあります。
卒業の可否が決まるため、最終学年の後期は特に重要な時期といえるでしょう。
3. 卒業判定審議会の後(2月下旬~3月上旬頃)
卒業年度の学生を対象に、多くの大学では2月下旬から3月上旬にかけて「卒業判定審議会」が実施されます。
卒業判定審議会は、いわば“最後の砦(とりで)”のような場所です。この審議会を経て卒業要件を満たしていないことが教授陣の間で確認されると、留年がほぼ確定します。
この審議会では、主に次の内容が総合的に確認・判断されます。
- 最終的な修得単位数
- 卒業論文・卒業研究の合否
大学では教授会の審議によって“最終承認”という手続きを踏むことが一般的なので、教授陣が集まる「卒業判定審議会」で留年が確定することが多いのです。
自分は卒業できるのか、大学留年はいつわかるのかという正確なタイミングが知りたい方は、卒業については「卒業判定審議会の後」と理解しておきましょう。
大学留年は事前連絡や呼び出しはある?親に連絡は?
留年が確定するのは成績発表後や判定審議会の後のため、成績が確定する前に大学側から留年通知が届くことはまずありません。一部の手厚い大学を除き、留年のリスクがある学生を教授が呼び出すようなこともないでしょう。
留年が親にいつわかるか気になる人も多いかと思いますが、大学によっては留年確定後に保護者(保証人)宛てに「留年通知」を直接郵送するため、その時点で親に知られてしまいます。
「成績通知書」を保護者に送付する大学も増えており、この通知書には修得単位数が記載されているため、必要単位を満たせず留年したことが保護者にバレる可能性もあります。
留年の事前連絡が届くことはほぼない
学生の成績は学期末、または「進級判定審議会」や「卒業判定審議会」を経るまでは確定しないため、成績発表前に「あなたは留年します」という連絡が届くことはほぼありません。
そもそも多くの大学では「履修登録や単位修得状況の把握は学生本人の責任」としており、出席日数が不足していていても個別に注意を受けることはないでしょう。
留年が明らかに避けられない学生には、注意喚起や呼び出し、担当教員との個別面談を設定してくれることもありますが、こうした手厚い対応をしてくれる大学はごく一部です。
ほとんどの大学は「学業の管理は学生本人の責任」というスタンスを取っているため、留年の事前留年が大学側から届くことはまずないのです。
親あてに「留年通知」が届く大学もある
留年が確定した際、大学によっては学生本人に通知するだけでなく、保護者宛てに郵送で留年を知らせる場合があります。これは学費の支払いや今後の修学計画など、留年によって生じる経済的・生活的な影響を保護者に共有するためです。
ちなみに、保護者宛てに「成績通知書」を郵送する大学も増えています。たとえば早稲田大学では、取得単位数などが記載された「成績通知書」を保証人などに送付しています(一部の学部を除く)。
このように成績や修学状況を保護者に直接伝える大学もあるため、留年したことが親にバレてしまう可能性があることは理解しておきましょう。
参考:早稲田大学「保護者等のみなさまへ|教学に関するご質問 Q. 成績の状況を把握するためには何を見ればいいでしょうか。」
大学留年の確認方法
留年しているか確認する方法としては、「成績通知の確認」と「大学の窓口に問い合わせる」の2つが挙げられます。
まずはポータルサイトなどで成績を確認し、必要な単位を満たしているか自分で把握することが基本です。多くの場合、必要単位数と修得済み単位数が載っているため、これらを見比べることで進級や卒業の要件を満たしているかどうか判断できます。
自分だけでは判断できない場合は、教務課や学務課に問い合わせましょう。成績の管理は“学生本人の責任”ですが、場合によっては成績の見方や、留年がいつわかるのか、いつ確定するのかを教えてくれることがあります。
1. 成績通知を確認する
大学の成績通知書には「卒業に必要な単位数」や「修得済みの単位数」が明記されている場合が多いので、これらの情報から自分が進級・卒業要件を満たしていないことがわかります。
多くの大学は、紙の通知ではなく、学生自身が専用のポータルサイトやWebシステム上で成績を直接確認する形を取っています。
進級・卒業要件はシラバスや履修要項にも記載されているため、自分が要件を満たしているか知りたい方はこれらの資料も事前に確認しておきましょう。
2. 大学の窓口に問い合わせる
留年がいつわかるのか、あるいは自分が進級・卒業できるのかを確認したい場合は、大学の教務課や学務課に問い合わせるのも一つの手です。
基本的には学生自身で履修を管理する必要がありますが、履修制度が複雑で理解しづらかったり、成績通知の見方がよくわからなかったりすることもあるでしょう。
こうしたときは、大学の窓口に直接足を運んでみてください。疑問に答えてくれるだけでなく、今後の履修計画や再履修などの相談に乗ってもらえる場合もあります。
大学を留年しそうなときに知っておきたいこと
このままでは留年しそうなときは、「救済措置をお願いする」「成績異議申し立てを行う」「集中講義に参加する」といった方法を検討してみましょう。
大学や教授によっては、定期試験で不合格だった学生に追試や補習の機会を与えたり、特別課題やレポートを課したりすることで単位を認めてくれる場合があります。
成績評価に疑問がある場合は、大学や教授に成績の再評価を求める「成績異議申し立て」を行うのも一つの手です。
長期休暇中に行われる「集中講義」に参加することで、年間の履修上限単位数とは別に単位を取れる可能性もあります。
1. 大学留年の「救済措置」を設けている大学もある
大学や教授によっては「救済措置」を設けているため、仮に単位を落としても進級や卒業が認められる可能性があります。
一般的な救済措置は、以下の通りです。
| 追試・補習 | 定期試験で不合格になった学生に対し、再試験の機会を与えたり、補習を受けさせたりする |
| 特別課題・レポート | 追加の課題やレポート提出を課すことで単位を認定する |
こうした措置を行う大学や教授は多くありませんが、「コロナの影響で試験を受けられなかった」といったやむを得ない事情がある場合は認められることもあります。
救済措置があるかどうか知りたいときは、まずは教務課などに尋ねてみましょう。
2.「成績異議申し立て」ができる場合もある
成績に疑問や不服な点があるときは、大学や教授に対して「成績異議申し立て」を行える場合があります。
これは成績の再評価を求める制度で、申し立てが認められるとその授業の単位を修得でき、留年を回避できる可能性があるのです。
この制度は、以下のようなケースで適用できます。
- 対面でテストを受験したのに「欠席扱い」となっている
- シラバスに記載の評価基準と、実際の評価方法が明らかに異なっている
「なぜこの授業の単位が取れていないのだろう?」「評価の基準が違うのでは?」と疑問に思ったときは、成績異議申し立て制度を利用してみましょう。
3. 大学の「集中講義」で単位を取得するのも手
追加で単位を取れるため、このままでは単位が足りずに留年しそうなときは「集中講義」に参加しましょう。
集中講義とは、夏休みや冬休みなどに行われる3日〜1週間ほどの講義のことです。全ての講義に出席し、レポートを提出すると数単位を修得できるケースが一般的です。
集中講義の単位数は「年間の履修登録上限単位数」に含まない大学が多いため、すでに上限まで履修していても追加で単位を取れることがメリットです。
集中講義の申し込み方法や日程は、ポータルサイトなどで随時更新されます。詳細がいつわかるか気になる方は教務課に直接尋ねてみましょう。
大学留年についてよくある質問
留年がいつわかるかは大学によって異なりますが、進級できるかどうかは前期または後期の成績発表後にわかることが一般的です。
前期の場合、後期でどれだけ履修しても進級に必要な単位を満たせない場合などに留年が決定します。
後期の場合は、進級に必要な年間総単位数が不足しているときに留年が決まります。
ちなみに多くの大学では学年末に「進級判定審議会」が開かれ、この会議で“進級不可”と判断されると留年が正式に確定することも覚えておきましょう。
大学を卒業できないかも…留年はいつわかる?
卒業可否がいつわかるかも大学ごとに異なりますが、基本的には最終学年の前期または後期の成績発表後にわかるケースが一般的です。
前期に関しては、後期で修得できる単位を全て取得しても卒業単位数に届かないときに留年が決定します。
後期に関しては、卒業に必要な単位が不足していたり、卒業論文が不合格になったりした場合に卒業を認めてもらえません。
なお、多くの大学では最終年度の学年末に「卒業判定審議会」が開かれ、この会議で“卒業不可”と判断されると留年が正式に確定します。
履修登録のミスや、生活環境の変化などにより、大学1年生でも留年する人は多くいます。
高校と大学では授業の進め方が大きく異なり、履修登録の方法も複雑です。そのため「必修の授業を取れたと思っていたのに登録できていなかった」というミスが1年次に特に起こります。
必修科目を落としても2年生までは進級を認める大学・学部もありますが、医学部や薬学部のように必修科目を1つでも落とすと進級を認めない学部も少なくありません。
高校との環境の違いからメンタル面の不調に悩み、授業の欠席が続いたことで留年となる大学1年生もいます。
お子さんの留年が決定した場合、親御さんがまず取り組みたいのが「費用の把握と準備」です。留年によって、授業料や施設設備費などを追加で支払う必要があるからです。
留年生向けに授業料の減免制度を設けている大学もあるため、まずは大学の公式ウェブサイトや学生課・教務課に行き、制度の有無や支援内容を確認しましょう。
なお、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、留年すると支給が一時的に停止したり、卒業できないことが確定すると利用できなくなったりします。
そのため銀行や国の教育ローンを検討するなど、別の方法も考えておくことが大切です。
まとめ
留年かどうかは「前期・後期の成績発表後」にわかることが多いですが、具体的なタイミングは大学によって異なります。
大学留年がいつわかるか正確に知りたい方は、大学の学務課や教務課に問い合わせてみましょう。あわせて、留年生向けの救済措置や学費の減免制度があるか、集中講義で単位を追加取得できるか、といった点を確認しておくのもおすすめです。






















