
専門学校を中退したからといって、人生終わりではありません。なぜなら、未経験者歓迎の求人も多く、中退者向けの就職サポートも充実しているからです。できるだけ早く就職活動を行ったり、粘り強く求人に応募し続けたりすることで就職の成功率を高められるでしょう。
ただ、専門中退だと最終学歴が高卒になるため応募できる求人数が減ったり、企業からマイナスの印象を持たれやすかったりする傾向にあります。就職活動が思うようにうまくいかないと「専門中退は人生終わりだ」と悲観的になってしまうのも無理はありません。
本記事では、専門学校を中退しても人生終わりではない理由や中退後の選択肢について解説します。
専門学校を中退したいけれど本当に良いのかと悩んでいる方は、本記事を参考に新たな一歩を踏み出してください。
この記事の目次
専門中退でも人生終わりではない4つの理由
専門中退でも人生終わりではない理由を、以下で4つ解説します。
- 専門学校を中退しても就職できるから
- 就職活動では人柄や意欲が評価されやすいから
- 未経験から就職・転職しやすい状況だから
- 中退者向けの就職サポートが豊富にあるから
専門学校を中退しても就職しやすい傾向にあるため、人生終わりとは言い切れません。生活費を自分で稼ぐことができれば、働きながら今後の方向性を定められます。
就職活動を乗り越えられるか不安な方は「就業意欲がある」と企業にしっかり伝えることで、採用されやすくなるでしょう。
1.専門学校を中退しても就職できるから
専門学校を中退しても就職できるため、人生終わりではありません。実際に、専門中退者と専門卒生の就職率は以下のとおりです。
正社員就業までの期間 | 離学前 | 離学〜3ヶ月以内 | 3年以内 | 3年超 | 正社員時期不明 |
専門中退者 | 1.0% | 8.5% | 12.8% | 4.1% | 9.7% |
専門卒生 | 2.8% | 47.9% | 6.2% | 2.7% | 6.6% |
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学中退者の就労と意識に関する研究」
上記の表から専門中退者の就職率は36.1%、専門卒生の就職率は66.2%とわかりました。就職率は、正社員就業までの期間が離学前〜正社員時期不明までの数値を合計して算出しています。
専門中退者は専門卒生より就職率は低いものの、就職している割合は一定数存在しています。「専門学校を中退したから」と悲観的にならず、積極的に就職活動を行うことが大事と言えるでしょう。
2.就職活動では人柄や意欲が評価されやすいから
専門中退者が転職活動をする際は、人柄や意欲を重視される傾向にあるため、専門中退しても人生終わりとは言い切れません。
実際に、企業は若手を採用する際はポテンシャルを重視して採用をする傾向にあります。理由は以下のとおりです。
- 長期的な戦力として活躍が見込めるから
- 他の会社と比較せずに自社のルールを覚えてもらいやすいから
自分の強みややる気を就職活動でしっかり伝えることで、専門学校を中退していても十分に就職できるチャンスがあります。専門学校が合わなくて中退したとしても、自分に合う就職先を見つけられれば毎日楽しく過ごせるでしょう。
3.未経験から就職・転職しやすい状況だから
未経験からでも就職や転職がしやすい状況のため、専門学校を中退しても人生終わりにはならないでしょう。未経験OK求人の数と未経験職種への転職者数が年々増加傾向にあるためです。
dodaの「20代未経験職種への転職時決定年収レポート」によると、2019〜2023年度にかけて、職種未経験可の求人数は約4倍に増加しています。つまり、専門学校を中退して挫折してしまったと強く感じている人でも、挽回しやすい状況といえるでしょう。
まずは未経験歓迎の求人にチャレンジして仕事の幅を広げていけば、専門学校を中退していたとしても、少しずつ自信を取り戻すことができるはずです。
4.中退者向けの就職サポートが豊富にあるから
中退者向けの就職サービスは豊富にあるため、専門学校を中退しても就職しやすい状況です。専門中退者が活用できる就職サポートサービスは以下のとおりです。
- ハローワーク
- ジョブカフェ
- 若者サポートステーション
- 転職エージェント
上記のサービスは、すべて無料で活用できます。また、就職先が決まるまで何度でも相談ができるため、就職するまでの不安な気持ちや就職活動の進め方に関する悩みも解消できます。
自分一人で抱え込まずに専門家へと相談することで、専門学校を中退してもより良い就職先が見つけられるでしょう。
専門中退が人生終わり・やばいと言われる5つの理由
専門中退が「人生終わり」や「やばい」と言われている理由は、以下のとおりです。
- 最終学歴が高卒になるから
- 即戦力の求人に応募する必要があるから
- 学校からの就職サポートを受けられないから
- 「中退した人」というイメージがつきやすいから
- 周りと比べてしまい自己肯定感が下がりやすいから
専門中退者は専門卒生よりも就職しづらい傾向にあります。即戦力の求人に応募する場合、仕事をしている方がライバルになる可能性があります。未経験者は就職で不利になりやすいでしょう。
また、専門卒生は学校で就職サポートを行ってもらえますが、専門中退者は就職サポートを自分で探す、もしくは一人で就職活動を進めなければなりません。中退者というイメージを払拭するためには入念な対策が必要だからこそ、就職活動に力をいれる必要があります。
1.最終学歴が高卒になるから
最終学歴が高卒になることは「専門中退がやばい」と言われる理由の一つです。たとえば、最終学歴が高卒になると以下のデメリットが生じます。
- 専門卒以上の求人に応募ができなくなる
- 昇給や昇進が大卒者よりも遅い場合がある
- 生涯年収が低くなりやすい
実際、令和2年における都内の専門卒向け求人の数は21,372件ありました。(参考:東京労働局「令和2 年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果」)
つまり、専門学校を卒業していれば、応募できる東京求人の数が2万件増えるということです。より多くの選択肢から仕事を選びたい方にとって、最終学歴が高卒になるのは避けたいところでしょう。
しかし、企業によっては実力主義で昇給・昇進できる場合もあります。成果を出し続ければ、専門卒生よりも高い報酬が期待できるでしょう。
特に中小企業や未経験者歓迎の業界では、ポテンシャルを重視して採用する傾向が強くなっています。学歴だけにこだわらずに、自分の強みを明確にし、強みを活かせる職場に就職するなど早めに行動することが重要です。
2.即戦力の求人に応募する必要があるから
専門学校を中退をした場合は即戦力の求人に応募する必要があるため、就職難易度が高くなり「人生終わりだ」と感じる場合があります。中途採用枠の求人だと実務経験者が採用のライバルになる可能性があるためです。
企業は実務経験者に対して、以下のような印象を持つでしょう。
- 即戦力として期待できる
- 業界知識や専門スキルを有している
- ビジネスマナーを身につけている
専門中退者は未経験者だからこそ、業界知識やビジネスマナーをこれから身につけていく必要があります。未経験者への教育にかける時間がない企業は、実務経験者を優遇する可能性が高いでしょう。
ちなみに、3年以内に学校を卒業した専門中退者は新卒枠での応募が可能です。(参考:厚生労働省「3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!」)ただし、企業によっては新卒枠として受け入れていない場合があるので、即戦力求人で応募するのを避けたい方は、事前に新卒枠で応募できるかを確認しておきましょう。
3.学校からの就職サポートを受けられないから
専門学校を中退すると、学校からのサポートが受けられなくなることが「人生終わり」と言われる理由の一つです。在学中であれば、専門分野で学んだスキルを活かせる求人を紹介してもらいやすく、就職活動を比較的スムーズに進められます。
一方で、専門学校を中退するとサポートが受けられなくなり、自分一人で就職活動を行わなければいけません。さらに、専門外の分野で仕事を行いたい場合は、未経験の業界にゼロから挑戦する必要があり、就職活動の進め方がわからずに不安が大きくなるでしょう。
どう就職活動を行ったらいいかわからない場合は、中退者向けの就職支援サービスを活用すれば、効率的に就職活動を進められます。
4.「中退した人」というイメージがつきやすいから
専門学校を中退した場合、企業からは「中退した人」とネガティブな印象を持たれる場合があります。マイナスな印象をプラスに変えたい場合は、以下のように対策するのがおすすめです。
企業が中退者に持つイメージ | イメージを挽回する方法 |
---|---|
すぐに辞めそう | 応募理由と入社後に成し遂げたいことを具体的に説明する |
計画性がない | 目標に対するキャリアプランを細かく話す |
忍耐力がない | 中退への反省と中退後に得た学びを前向きに伝える |
できるだけ具体的に中退理由や学んだことを伝えると、あなたの良さや性格が企業に伝わりやすくなります。
5.周りと比べてしまい自己肯定感が下がりやすいから
専門学校を中退すると、周囲と自分を比べてしまい、自己肯定感が下がってしまう可能性があります。SNSなどで同年代の友人や知人が学校に通っている姿を見ると「なぜ自分は同じようにならなかったのか」と悲観的になる場合もあるでしょう。
さらに、インターネットで「専門中退」と検索すると「人生終わり」や「就職できない」といったネガティブな情報も出てきます。「専門中退は良くないものだ」と思い込んでしまうと、自信を失ってしまうはずです。
ただ、ネガティブな感情は誰にでも起こり得る自然な反応です。他人と比較するのではなく、現状を受け入れて今できる行動に集中するようにしましょう。
専門学校を中退する3つの理由
専門学校を中退する場合、大きく以下の3つの理由が考えられます。
- 学校生活に馴染めず学ぶ意欲がなくなったから
- 働こうと思ったから
- 授業についていけなくなったから
専門学校を中退する理由は人によってさまざまです。自分と同じような理由で中退している人がいた場合はぜひチェックしてみてください。
また、学校生活や授業の難易度が自分に合うかどうかは、実際に入学してみないとわからないものです。オープンキャンパスで学校の様子を細かくチェックしていたとしても合わない場合はあるので、専門中退を選んだ自分を責める必要はありません。
1.学校生活に馴染めず学ぶ意欲がなくなったから
学校生活に馴染めずに学ぶ意欲がなくなることは、専門学校を中退するよくある理由の一つです。実際に、令和5年度の専門学生の中退理由のうち、最も多い回答は「学生生活不適応・修学意欲低下(25.2%)」でした。(参考:文部科学省「令和5年度 専⾨学校⽣の中途退学者・休学者数等の調査結果」)
クラスの雰囲気や人間関係が合わず、次第に通学することが苦痛になってしまうケースも少なくありません。もし学校に馴染めずに中退したことに対して引け目を感じている場合は「自分だけが悩んでいる」と気にする必要はありません。
2.働こうと思ったから
働こうと思うことも、専門学校を中退する主な理由の一つです。
調査によると、専門学校の中退理由のうち「就業・起業等」は13.1%、「経済的困窮」は5.4%を占めています(参考:文部科学省「令和5年度 専⾨学校⽣の中途退学者・休学者数等の調査結果」)。学費や生活費の負担から、早期に就職を選択する学生も少なくありません。
働く意欲が明確であれば、前向きな決断として企業から評価されることもあります。
3.授業についていけなくなったから
専門学校を中退する理由として、授業についていけなくなったというケースもあります。
実際に調査結果では、12.2%の人が「学力不振」を理由に専門学校を中退しています(参考:文部科学省「令和5年度 専⾨学校⽣の中途退学者・休学者数等の調査結果」)。実習や課題の多い学校では、授業についていけないことで焦りや不安を感じ、中退を選択する学生も多くなるのでしょう。
専門学校では専門的な知識や技術を短期間で習得する必要があり、授業の進行スピードが速く、授業内容も難しい傾向にあります。専門スキル・知識を身につける意欲がなければ、授業についていけなくなる可能性が高くなるでしょう。
専門学校を中退した後の7つの選択肢
専門学校を中退した後は、さまざまな選択肢があります。一般的な選択肢は、以下の7つです。
- 就職する
- 大学・別の専門学校に入学する
- 公務員試験を受ける
- 資格を取る
- スキルをつける
- 海外へ留学する
- 休養をとる
専門学校中退後は就職する以外に、勉強を始める選択肢もあります。ただ、公務員試験や資格は就職に向けた勉強となるため、合格できない期間が続くと空白期間が長くなり就職しづらくなるでしょう。
また、大学や専門学校への入学、海外留学はお金がかかりやすくなります。金銭面は家族の協力が必要になる可能性が高いため、早めに相談しておかないと反対されてしまいかねません。
1.就職する
専門学校を中退した後に就職することは、一般的な選択肢の一つです。就職する方法としては、正社員だけでなくアルバイトや派遣社員などの非正規社員もあります。ただし、正社員と非正規社員では、以下のように生涯賃金に大きな差が生じます。
男性 | 女性 | |
正社員 | 2億880万円 | 1億5,440万円 |
非正規社員 | 1億2,950万円 | 1億810万円 |
参考:労働政策研究・研修機構「21 生涯賃金など障害に関する指標」
また、フリーター歴が長くなればなるほど正社員になれる割合が下がりやすい傾向にあります。(参考:労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書 No.213 2022」)
専門中退後にアルバイト勤務から正社員を目指そうと考えている方は、フリーター期間が長くなりすぎないよう注意しましょう。
2.大学・別の専門学校に入学する
専門学校を中退した後、大学や別の専門学校に入学するのも一つの選択肢です。大学や専門学校に入学するために必要な条件や勉強は、以下の表を参考にしてください。
進学先 | 必要な条件 | 必要な勉強 |
---|---|---|
大学 | ・高等学校卒業資格 | ・国語 ・数学 ・理科 ・地理歴史 ・公民 ・英語 |
別の専門学校 | ・高等学校卒業資格 | ・筆記試験対策(国語や数学、英語など) ・小論文 |
大学や別の専門学校は、一定の学力があれば入学が可能です。希望する進学先にあわせて、必要な対策を取りましょう。
3.公務員試験を受ける
公務員試験を受けることは、専門学校を中退した後も可能です。専門学校を中退していても、地方自治体の職員や警察官、市役所職員などの高卒以上を対象とした公務員試験を受けることで、公務員を目指せます。
また、公務員は安定した雇用や福利厚生、社会的地位の高さが大きなメリットです。一方で、合格までに長期間の勉強が必要な上、試験に不合格になると働いていない期間が長くなるといったデメリットも存在します。
公務員試験も筆記試験や面接があるため、合格するためには対策が必要です。くわしい条件は各都道府県によって異なるので、試験を受ける際は自治体の募集要項をあらかじめチェックしておきましょう。
4.資格を取る
専門学校を中退した後のおすすめの選択肢として、資格を取ることが挙げられます。学歴を問わずに取得できる資格は多くあり、キャリアの選択肢を広げられるメリットがあります。
専門学校中退者におすすめできる資格や特徴、どんな仕事で活かせるかなどを以下の表にまとめたので参考にしてください。
資格名 | 特徴 | 活かせる仕事 |
---|---|---|
日商簿記3級 | 企業の経理・会計業務の基礎を学べる資格 | 経理職 |
MOS | Microsoft社製のオフィスソフトの基本スキルが身につく資格 | 事務職 |
基本情報技術者 | ITの基礎知識や技能が学べる資格 | システムエンジニアなどIT関連の仕事 |
上記の資格は学歴や経験不問で取得できるため、未経験職種に挑戦したい方におすすめです。興味や目指したい業界に合わせて、必要な資格の取得を検討してください。
5.スキルをつける
専門学校を中退した後、スキルをつける方法は有効な選択肢の一つです。スキルを身につけておくと、就職する際に有利に働きます。
専門学校を中退した後にスキルを身につけるには、職業訓練校やスクールに通う方法があります。それぞれの特徴や習得できるスキル、活かせる仕事について以下にまとめたので参考にしてください。
特徴 | 習得できるスキルの一例 | |
職業訓練校 | ・国が就職支援を目的に行っている ・テキスト代以外は基本的に無料で通える | ・IT ・介護 ・医療 |
スクール | ・民間が就職に必要な能力を育成する ・授業料は有料である | ・IT ・デザイン ・英語力 |
職業訓練校やスクールでスキルを身につけたと応募書類に書いておけば「自ら学ぶ意思がある」と企業にアピールできます。
6.海外へ留学する
専門学校を中退した後、海外へ留学する選択肢もおすすめです。海外へ留学すると、以下のメリットが得られます。
- 語学力が身につく
- 視野が広がる
- 異文化への理解が深まる
- 行動力が身につく
- 自立心が養える
一方で、海外留学は高額な費用がかかったり、帰国後のキャリア設計が難しくなったりする可能性があります。海外留学で失敗しないためにも、目的と計画性をもって挑戦することが大切です。
7.休養をとる
専門学校を中退した後、ゆっくりと休養を取ることも重要です。調査によると、12.0%の人が「心身耗弱・疾患」を理由に中退している結果もあります。
文部科学省「令和5年度 専⾨学校⽣の中途退学者・休学者数等の調査結果」によると、12.0%の人が「心身耗弱・疾患」を理由に中退しているとわかりました。体調が万全でない時は、まずは病院へ行くなどして心身の回復を最優先にしましょう。
また、今後の方向性を定めるためにゆっくりすることも大切ですが、働いていない期間が長くなると、以下のデメリットが生じやすいと頭に入れておくのをおすすめします。
- 空白期間ができ、就職難易度が上がりやすくなる
- 生活リズムが乱れる場合がある
- 就労していないことに対して自己肯定感が下がりやすくなる
休養中でも無理のない範囲で将来のキャリアに向けて準備を進めることが大切です。
専門中退後に就職を成功させる4つのコツ
専門学校を中退した場合、以下4つのコツを押さえておくと就職の成功率が高まりやすくなります。
- できるだけ早く就職活動を始める
- やりたいことを明確にする
- 応募条件にこだわりすぎない
- 専門学校の中退理由を伝えられるようにする
専門中退後の空白期間が長くなればなるほど、就職難易度も上がりやすくなる傾向にあります。働いてから自分に合っている仕事、もしくは合っていない仕事だと分かる場合もあるので、興味のある求人は積極的に応募するようにしましょう。
1.できるだけ早く就職活動を始める
専門中退後に就職を成功させるには、できるだけ早く就職活動を始めることが不可欠です。就職までの空白期間が長くなると、以下のようなさまざまなデメリットが生じてしまいます。
- 空白期間についての質問への回答が難しくなる
- 「働く意欲が低い」と企業に判断されてしまう
- 就職活動をしなくて大丈夫か不安な気持ちになりやすい
実際、空白期間が長くなればなるほど就職が難しくなりやすい傾向にあります。できるだけ早めに就職活動を行い、新たなステップへと進みましょう。
2.やりたいことを明確にする
専門中退後の就職活動を成功させるには、やりたいことを明確にすると効果的です。どの仕事であれば自身のやりたいことを実現できるか考えたうえで、行動していきましょう。
たとえば「安定しているから公務員がいい」とやりたいことを明確にせずに選んでしまうと、実際仕事をした時に「思っていた仕事ではない」と思う可能性があります。
一方で「社会のためになる仕事がしたい」と明確な目的をもって公務員を目指すと、仕事に就いたときに「人の役に立つ仕事ができている」と満足しながら働けるでしょう。
やりたいことを見つけるためには、以下の方法を試してみてください。
- 自分の価値観を洗い出す
- 好きなことや得意なことを振り返る
- 過去にやりがいを感じた経験を整理する
やりたいことをもとに仕事を探せば、楽しいと思える仕事と巡り合えるでしょう。
3.応募条件にこだわりすぎない
応募条件にこだわりすぎないことも、専門中退後の就職を成功させるうえで重要なポイントです。応募条件にこだわりすぎると、以下の問題が生じるでしょう。
- 求人の選択肢が狭くなる
- 就職するまでの期間が長引く
- 条件以外の項目を見落としてしまう
応募条件だけでは仕事の良し悪しや相性はわかりません。実際仕事をしてみると「期待以上に良かった」と思える場合もあります。
また、どんどん理想が高くなると、就職までに期間がかかるケースもあります。条件だけで判断せず、興味があればまず求人に応募してみましょう。
4.専門学校の中退理由を伝えられるようにする
専門中退後に就職を成功させるためには、中退理由をわかりやすく伝えましょう。面接官は応募者が中退理由をうまく説明できない場合、以下のように思う傾向にあります。
- 働こうと思っていなかったのではないか
- すぐに辞めてしまわないか
- 将来のキャリアを考えられていないのではないか
面接官からの印象を良くするためにも、中退理由はポジティブかつ明確に説明する必要があります。
具体的な例文や、伝える際のポイントを状況ごとに解説します。
学校生活に馴染めず専門中退した際の例文
学校生活に馴染めずに専門を中退した場合、馴染めなかった原因やどのように改善しようとしたかを伝えましょう。たとえば、以下の例文のように伝えると、面接官に「状況を改善しようと前向きに取り組める人だ」という印象を与えられるはずです。
専門学校では人間関係に悩み、学校に通うことが苦痛になってしまって中退しました。馴染めなかったのは同級生とコミュニケーションを積極的に取らなかったことが原因だと考えています。 そのため、専門学校中退後のアルバイトでは、自ら積極的にコミュニケーションを取るように努め、人との関わり方に前向きに取り組めるようになりました。 |
例文のように伝えると、中退した原因分析や改善に向けての取り組みなどをポジティブに受け取ってもらえるでしょう。過去の失敗を反省しつつ、自分なりに工夫してきた姿勢を伝えると、中退していてもポジティブな評価につなげられます。
働きたくて専門中退した際の例文
働きたくて専門学校を中退した場合は「なぜ専門学校を辞めてまで働きたかったのか」を明確に伝えましょう。以下のように働く目的をポジティブに伝えると、好印象につながるはずです。
アルバイト勤務する中で仕事が楽しいと感じ、専門学校で学ぶよりも、早く社会に出て働きたい思いが強くなりました。卒業後に働く選択肢も検討しましたが、家計が苦しいこともあり、やりたい仕事に専念したい気持ちが強くなったため専門学校を中退しました。 今後はアルバイトでつちかったスキルや経験を活かしつつ、正社員でより幅広く貢献していけるように、スキルを磨いていきたいと感じております。 |
企業は「なぜ中退するのか」という理由を気にしている傾向にあります。企業の懸念を先に払拭できるよう伝えられると、納得してもらいやすくなるでしょう。
学業不振で専門中退した際の例文
学業不振で専門学校を中退した場合「勉強が難しかったから」とだけ伝えるのではなく、中退から何を学び、どう行動したかを伝えることが重要です。反省と前向きな姿勢をセットで示すことで、面接官からの評価も大きく異なります。
例文は以下を参考にしてみてください。
専門学校で学ぶ内容は想像していたよりも難しく、理解が追いつかなかったため中退しました。事前に授業内容や自分の適性を把握せずに入学したことに問題があったと反省しております。 就職では同じ失敗を繰り返さないよう、自分の適性に合う仕事を明確にしたうえ企業研究を進めてまいりました。その中で貴社の仕事内容に強く惹かれ、応募した次第です。 |
企業は失敗から学んで行動できる点や、自己分析ができる点を評価してもらえるでしょう。専門中退を挫折経験で終わらせず、成長の機会だと述べるようにすると、マイナスな印象にはならないはずです。
病気やケガで専門中退した際の例文
病気やケガによる中退は、現在の状態や仕事への影響について正確に伝えることが重要です。体調に問題がない場合は「現在は問題なく働ける」ことを、通院が必要な場合は「業務に支障が出ない範囲で通院している」と補足しましょう。
病気やケガを理由に中退した際の伝え方の例文は以下を参考にしてください。
在学中に病気を患い、治療に専念するために中退しました。現在でも月1回の通院を必要としていますが、医者からの許可も得ており、業務に支障なく取り組める状態です。自身の健康状態と向き合いながら、前向きに業務を遂行できればと考えております |
具体的な状況を企業側に伝えると、誠実な印象を企業に与えられます。学歴面や病気・ケガなど不安な点は多いかもしれませんが、前向きかつ丁寧に回答することが重要です。
まとめ
専門学校を中退しても、人生終わりではありません。理由は以下のとおりです。
- 専門学校を中退しても就職できるから
- 就職活動では人柄や意欲が評価されやすいから
- 経験から就職・転職しやすい状況だから
- 中退者向けの就職サポートが豊富にあるから
専門学校を中退してから将来についてじっくり考えると、働いていない期間が長くなる傾向にあります。空白期間が長ければ長いほど、就職で不利になりやすいでしょう。
また、やりたいことを明確にしたうえで気になる求人があれば、積極的に応募するのが就職成功のコツです。
面接では専門学校を中退した理由を聞かれる傾向にあるため、将来に対して前向きな様子を伝えるようにしてみてください。
「専門中退で人生終わりだ」と後悔しないためにも、できるだけ早く今後の方向性を定めて行動しましょう。

こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
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