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専門学校を中退する人は多い?中退する理由や辞めた後の進路を解説

専門学校を中退する人は多い?中退する理由や辞めた後の進路を解説

専門学校を中退する人は、全体で見ると多くはありません。文部科学省「令和6年度 専門学校生の中途退学者・休学者数等の調査結果」によると、中退者の割合は全体の約6.05%でした。

しかし、思っていた学校生活と違っていたり、将来の方向性を見直したりして中退を考える人が一定数いるのも事実です。

中退という選択はネガティブに捉えられがちですが、見方を変えれば自分の進むべき道を選び直すチャンスでもあります。

大切なのは、自分の目標を明確にし、具体的な行動を取ることです。この記事では中退理由やその後の進路、中退のメリット・デメリットなど、これからの進路に悩む方に役立つ情報を紹介します。

専門学校を中退したいと考えて不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。

専門学校を中退する人は多い?

文部科学省の調査結果によると、専門学校を中退する人は全体の約6.05%であり、多くはないと考えられます。

以下の表に過去3年間の中退者数と中途退学者の割合をまとめました。

年度中退者数中途退学者の割合
令和6年度28,450人6.05%
令和5年度31,986人6.44%
令和4年度30,403人6.31%

参考:文部科学省「令和6年度 専門学校生の中途退学者・休学者数等の調査結果」
参考:文部科学省「令和5年度 専門学校生の中途退学者・休学者数等の調査結果」
参考:文部科学省「令和4年度 専門学校生の中途退学者・休学者数等の調査結果」

上記の表からわかる通り、中途退学者の割合は約6%、中退者数は約30,000人で推移しています。専門学校を中退する人は、全体の割合で見ると多くはないですが、毎年一定数いると考えられるでしょう。

専門学校を中退する理由は何ですか?

専門学校を中退する理由として、学生生活に適応できず学習意欲が下がったことなどが挙げられます。

文部科学省の調査によると、最も多い中退理由は学生生活不適応・就学意欲低下で、その次は心神耗弱・疾患でした。

以下の表にその他の理由と割合をまとめています。

中退理由割合
学生生活不適応・修学意欲低下25.0%
心神耗弱・疾患12.6%
就業・起業等12.5%
学力不振11.7%
転学等8.6%

参考:文部科学省「令和6年度 専学校生の中途退学者・休学者数等の調査結果」

ここでは専門学校を中退する主な理由を紹介します。自分が中退したい理由と照らし合わせた上で、本当に中退するかどうかを考えてみてください。

1.学生生活に適応できず学習意欲が下がったため

学生生活に適応できず学習意欲が下がったという理由は、中退理由の中で25.0%を占めており、最も多い回答でした。

学生生活に適応できなくなるのは、以下のようなギャップがあったからだと考えられます。

  • カリキュラムに取り組んだ時に自分には合わない仕事だと思った
  • 想像していた学習内容と違っていた
  • 課題や試験の負担が想像以上に大きかった

専門学校はプロになるためのスキルを身につけられる場所です。厳しい面もあるため、想像以上の大変さについていけなくなる人が多いと考えられるでしょう。

2.精神的に疲れてしまったため

中退理由として「精神的に疲れてしまったため」と回答した人は全体の12.6%と、2番目に多い理由でした。

専門学校は、実習や資格試験対策などの負担が大きく、精神的にストレスを溜めやすい環境です。

また、実習時にクラスメイトと接する機会も多く、人間関係が合わないとより精神的に疲れてしまいます。さらに、授業以外にもアルバイトや課題などでやることが多く、心身の負担が大きくなるケースもあるでしょう。

こうした状況が続くと中退を考える人が出てきても不思議ではありません。中退はネガティブな印象を持たれがちですが、自分の心身を守るための選択であることも多いのです。

3.就職・起業するため

専門学校を中退する理由の中で「就職・起業するため」という回答は全体の12.5%を占めていました。

背景には、家庭の事情で学費を負担し続けるのが難しかったり、授業内容が自分に合わず早く働いて経験を積みたいと考えるケースなどがあります。

また、近年は若いうちからスキルを磨き、現場で実力を試すことでキャリアを築こうとする人も増えています。

実際に中小企業庁「小規模企業白書 2025」によると、起業家のうち29歳以下の人が全体の37.2%を占めているとわかりました。この調査結果は、20代の起業への関心の高さを示しています。

明確な目的を持って早めに就職・起業へ踏み出すのは前向きな選択肢の一つと言えるでしょう。

4.授業についていけなくなったため

中退理由として「授業についていけなくなったため」と回答している人は11.7%でした。

専門学校は実践的な技術を学ぶ場なので、基礎ができていないとついていけない場合があります。基本的な知識はわかっている前提で、実習が進んでしまうこともあるでしょう。

また、専門学校は課題や試験が多いのも特徴です。アルバイトや慣れない1人暮らしなども重なり、想像以上の負担に対応できなくなってしまう人もいるでしょう。

専門学校はプロとして働けるスキルを身につけられる場所だからこそ、その厳しさについていけず、中退してしまうと考えられます。

5.転学するため

中退理由として「転学するため」と回答した人は全体の8.6%でした。入学したものの授業内容に興味が持てず、別の分野を学びたいと考えるケースが多いです。

また、学校のカリキュラムや講師の指導方法が合わなかったり、事前の情報不足によるミスマッチで「思っていた内容と違う」と感じることもあります。

上記のような理由から、より自分に合う学校へ進路を選び直す人が一定数います。長期的には本当に学びたい分野へ進むための前向きな選択と言えるでしょう。

専門学校を中退した後の7つの進路

専門学校を中退した後は、正社員として就職する進路を選ぶ人が多いです。専門学校で学んだ知識や過去のアルバイト経験を活かして働くことで、早い段階から実務経験を積むことができます。

一方で、フリーターとして収入を得ながら将来を考える人、改めて他の専門学校や大学へ進学して学び直す人もいます。ほかにも、公務員試験や資格取得に挑戦するケースなど、中退後の進路はさまざまです。

大切なのは中退をネガティブにとらえるのではなく、自分の意思で明確な目標を決めて行動することです。

ここで紹介する進路を踏まえて、自分がどんな働き方・生活を望んでいるのか整理してみてください。

1.正社員に就職する

専門学校を中退した後の進路で最も多いのは正社員に就職する道です。労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、中退直後に「正社員として就職したい」と回答した人は46.6%にのぼり、他の選択肢と比べて最も多い結果でした。

実際、専門学校を中退して資格や経験がなくても、未経験から始められる仕事はたくさんあるため、就職は可能です。具体的には以下のような仕事が未経験からチャレンジできます。

  • 営業職
  • 介護職・福祉職
  • 接客・販売職

就職活動の面接では、専門学校を中退した理由について必ず聞かれます。正社員を目指すのであれば、しっかりと対策をしておきましょう。

2.フリーターとして働く

労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、専門学校を中退後にアルバイトをしたいと思っていた割合は2割程度います。

実際にアルバイトになろうと行動した人の割合は3割に増えているので、中退後の進路としてフリーターを選ぶ人も多いと考えられるでしょう。

アルバイトの求人は数が多く手軽に働きやすい一方で、長期的にフリーターを続けると正社員になれる割合は少なくなりやすいです。

以下の表はフリーター継続期間と正社員になれた割合をまとめたものです。

フリーター継続期間正社員になれた割合
1年以内68.8%
1年〜2年61.2%
2年〜3年56.6%
3年〜4年61.1%
4年〜5年37.9%
5年以上32.3%

参考:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容」

上記の表からもわかる通り、将来的に安定した働き方を望むなら正社員就職をおすすめします。

3.他の専門学校に進学する

専門学校を中退した後、別の分野に興味を持って他の専門学校に進学するのも進路の一つです。

進学する場合は、その学校の入学条件や学費などをあらかじめチェックしておくと安心です。試験の受験資格には何が必要なのか、入学金はいくら必要なのかなど具体的に調べてみてください。

インターネットで調べるのもいいですが、気になる方は直接入学したい学校へ問い合わせてみるのもおすすめです。

直接話を聞いたり、資料をもらったりした方が詳細まで理解できるでしょう。

4.大学・短大へ進学する

専門学校を中退した後、大学・短大へ進学するのも一つの進路です。専門学校の学びが期待外れだった場合やより高度な知識・スキルをつけたい場合、将来の選択肢を広げたい場合などにおすすめです。

ただし、大学や短大で学びたい内容が明確でないと、入学してからのギャップが生まれやすくなります。自分が何を学びたいのかしっかりと言語化してから、進学する大学・短大を選びましょう。

また、専門学校を中退してから進学する場合は一般入試を受験するのが基本です。入試をクリアするために受験勉強をする必要があるでしょう。

5.公務員試験を受ける

専門学校を中退した後、安定して働ける仕事を目指したい方は公務員試験を受けるのも一つの進路です。

地方公務員であれば、専門学校を中退した最終学歴の高卒程度でも受験が可能です。各自治体によって規定が異なるので、詳しくは働きたいエリアの公務員試験情報を検索しましょう。

また、試験は一般的な教養科目や作文、面接があります。幅広い分野から問題が出るため、合格までには計画的な勉強と対策が必要です。

ただし、働きながら公務員試験合格を目指す場合は、徹底したスケジュール管理が必要です。早く合格したい方は予備校などに通いながら勉強すると良いでしょう。

6.資格取得やスキルをつけるために勉強する

専門学校を中退した後は、スキルや知識をつけるために勉強するのも一つの選択肢です。資格を取得したり、スキルを身につければ、就職に有利に働きやすいでしょう。

おすすめの資格を以下の表にまとめたので参考にしてみてください。

資格名特徴活かせる仕事
ITパスポートITの基礎知識を幅広く学べる国家資格。・IT企業のサポート職
・一般事務
日商簿記会計・経理の基礎を学べる。
経理・財務への就職に有利。
・経理
・経理事務
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)Word・Excel・PowerPointなどオフィスソフトのスキルを証明できる。・一般事務
・営業事務

ただし、独学で勉強すると時間がかかりやすいです。早く就職したい場合は職業訓練校やスクールに通うのがおすすめです。

7.留学する

専門学校を中退した後、語学力をつけたい方や将来海外で働きたい方は留学することも一つの選択肢です。

実際に海外へ住んでみると実践的な語学力が身につくため、今後の就職に役立ちやすいでしょう。

ただ、留学には多額の費用がかかるため、金銭的に余裕がないと難しいです。また、全く話せない状態でいきなり留学すると生活に困りやすいので、日常会話レベルの語学力は必要でしょう。

費用が準備できるのか、自分の語学力はどのレベルかなど、しっかりと考えた上で判断してみてください。

専門学校を中退するメリット2選

専門学校を中退するメリットは、早い段階で進路を切り替えられることです。

無理に続けて時間やお金を消費するよりも、合わないと感じた時点で次の道を選んだ方が将来にとってプラスになる場合があります。

また、途中でやめることでその後払うはずだった学費をおさえられるという経済的なメリットもあります。早く気づいて行動することで、時間と費用の両方のリスクを減らせるでしょう。

大切なのは中退をネガティブに捉えるのではなく、次にどう活かすかを意識することです。


中退によって得られるメリットを理解したうえで、自分にとって最適な選択肢を考えてみてください。

1.早い段階で進路を切り替えられる

早い段階で進路を切り替えられるのは専門学校を中退するメリットの一つです。

合わないと思いながら学校に通い続けるよりも、早めにやりたいことを見つけて行動した方が意味のある時間を過ごしやすくなります。

スパっと決断して新たなことにチャレンジすれば、早い段階で本当にやりたいことに気づける可能性もあるでしょう。

2.学費をおさえられる

専門学校を中退すると、その後払うはずだった学費をおさえられるのがメリットです。

特に、学費を払うのが困難だった場合は大きなメリットになり得るでしょう。学費を払わなくてすむ分、就職活動の費用にあてたり、スクール代に費やせたりします。

自分にとって本当に意味のあるところにお金をかけられるようになるでしょう。

専門学校を中退するデメリット2選

専門学校を中退するデメリットは、中退に対してマイナスなイメージを持たれやすいことです。


履歴書に「中退」と書いてあると、企業の採用担当者に「続ける力がないのでは」と不安を抱かれる場合があります。中退理由について聞かれたときに答えられないと、就職活動で不利になりやすいでしょう。

さらに、中退してしまうと資格取得ができず、専門スキルが十分に身につかないまま社会に出ることになるリスクもあります。

即戦力としての強みが弱い状態で就職活動をすることになってしまいます。


中退のデメリットを正しく理解したうえで、自分なりの強みをどう作るか考えてみてください。

1.中退に対してマイナスなイメージを持たれやすい

専門学校を中退すると、就職活動でマイナスなイメージを持たれやすいです。面接では専門学校を中退した理由を聞かれる傾向にあります。

答えられないと「物事を長く続けられない人だ」というマイナスな印象を持たれてしまう場合があります。中退理由を聞かれた場合は、できるだけポジティブな内容で回答しましょう。

中退理由をしっかり答えられるように、以下の回答例を参考にしてみてください。

専門学校で学ぶうちに、本当にやりたい分野が別にあると気づきました。無理に続けるよりも早めに切り替えた方が成長につながると考え、中退を決断しました。今はその経験を活かし、御社で長く働きながらスキルを磨きたいと思っています。
専門学校では基礎的な知識を学びましたが、早く実務を通じて成長したいと感じ、中退を選びました。アルバイトで培った経験を活かしつつ、今後は御社で実践的な力を身につけていきたいと考えています。

2.資格取得ができない

看護師や保育士、調理師など資格取得が必要な仕事では、専門学校を中退すると受験資格が失われてしまいます。

また資格が必須でない仕事であっても、専門学校を中退すれば、本来習得するはずだったスキルが身につきません。学習していた内容に関連する仕事に応募しても、即戦力だと思ってもらえない場合があります。

もし学んだ内容に関連する仕事をしたい場合は、何のスキルを身につけたか、具体的に企業へ伝えましょう。事前に自分のスキルレベルを伝えておけば、企業もどの程度の力があるのか把握しやすくなります。

専門学校中退者が多いどうかに関するよくある質問3選

ここからは専門学校中退者が多いかどうかに関するよくある質問について紹介していきます。

疑問を解消して自身の進路を決める参考にしてみてください。

1.専門学生の中退率は?

専門学生の中退率は、文部科学省「令和6年度 専門学校生の中途退学者・休学者数等の調査結果」によると、約6.05%でした。その中でも、学生生活に適応できず修学意欲が低下したことを理由に中退する人が最も多い結果となっています。

授業内容が自分の思っていたものと違っていたり、課題や試験の多さについていけなかったりしたことから、勉強するモチベーションが下がってしまったと考えられるでしょう。

2.専門学校を辞めてよかったと思う人の特徴は?

専門学校を辞めてよかったと思う人の特徴は、自分の目標を明確にして行動したことです。

辞めたあと何をしたいのかが明確になっていれば、迷わずすぐに行動できます。行動すれば、結果もついてきやすく、辞めてよかったと感じやすいでしょう。

逆に目標が明確になっておらず、学校生活がつらい・合わないからという理由だけで辞めてしまうと後悔する可能性が高いです。

自分がどうしたいのかをはっきりさせてから行動できる人が、辞めてよかったと思えるでしょう。

3.専門学校を辞めたいが後悔したくない時の方法は?

専門学校を辞めたいが後悔したくない時は、休学したり周囲の人に相談したりするのがおすすめです。

辞めたいと思っているときは、視野が狭くなっている可能性があります。一度休学してゆっくりと自分を見つめ直したり、信頼できる人から客観的な意見をもらったりすることで、冷静に考えられるようになります。

一時の感情に流されず、中退についてさまざまな面からじっくり考えることで、後悔のない決断ができるでしょう。

まとめ

専門学校を中退する人の割合は約6%と決して多くはありません。理由は「学生生活への不適応」や「学習意欲の低下」「心神耗弱・疾患」などさまざまです。

中退はネガティブに捉えられがちですが、早い段階で方向転換できることや学費を節約できることはメリットと言えます。

中退後は正社員就職や転学、留学などさまざまな進路があるので、専門学校を辞めた後にやることを決めて行動すれば、明るい未来が待っているでしょう。

今回の記事で紹介した中退理由や進路を参考に、焦らず自分に合った選択をしてみてください。

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ABOUT US
小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。