住宅業界の研究。業界や市場の特徴、人気の理由を紹介

住宅業界の研究。業界や市場の特徴、人気の理由を紹介

住宅業界は日常生活に欠かせない「住宅」を扱うからか、就職活動ランキングにおいて長年上位をキープしています。しかし実際の仕事内容や業界の現状について正確に把握している就活生はそう多くないでしょう。この記事では業界研究の一助となるよう、住宅業界についての情報を幅広く紹介します。

住宅業界とは?業界の概要と現状

住宅業界とは?業界の概要と現状

住宅業界とは一般的に戸建て住宅の設計・施行・販売に携わる住宅メーカーの事を指します。(マンションなどの管理業務を行っている一部デベロッパーを含む場合もあります。)

2009年にアメリカで発生したリーマンショックの煽りをうけ一時的に新規着工件数が減少していた住宅業界ですが、翌2010年には経済が復調し、新規着工数も増加の一途をたどっています。日本では2011年に発生した東日本大震災の被害を受け、耐震や耐火性能といった住宅の安全性に対する消費者の関心が高まっています。加えて環境問題への配慮として省エネ指向の住宅の需要も増加傾向にあります。

このような市況をふまえ、消費者に対してどのようにして「付加価値」をアピールし、住宅ニーズを喚起していくかするか各社が競い合っているのが住宅業界の現状といえます。

住宅業界を知るためのキーワード

住宅業界のジャンル

住宅業界を詳しく理解するために、知っておきたいキーワードがあります。企業のジャンルや施工方法、その他の専門用語を紹介します。

住宅業界の企業ジャンル~工務店とパワービルダー~

工務店とパワービルダーについてそれぞれ紹介します。

工務店

住宅業界において、店舗を構えている地域に密着して活動する企業の事を一般的に「工務店」と呼びます。活動規模はそれほど大きくなく、年間の着工数としては数棟~数十棟程度である事が多いでしょう。工務店はその地域で長年事業を営んでいる企業が多く、土地特有の生活習慣や気候に適した住宅を組み上げる事を得意とする傾向にあります。大規模に事業を展開しない一方で施主との対話を重視し、要望を丁寧に取り入れたオーダーメイド感の強いサービスが強みです。工法としては日本で古くから浸透している木造の在来工法的な建築を得意とする企業が多いと言えるでしょう、

施行に関してのノウハウが豊富である反面、工務店はそれ以外の業務にはあまり関与しないというケースも珍しくありません。例えば家を建てるためにはその住宅を建築するための土地が必要になります。大手企業の場合、住宅の建築を依頼する際に土地探しもサポートしてくれるケースが多いです。これは大手ならではのネットワークや人員を活用したものですが、中小の工務店ではこうしたサポート業務まで手を回す余裕がないのが現状と言えます。また、施主が住宅を購入する際には住宅ローンを組むのが一般的です。これに関しても工務店の場合はサポート対象外となるケースが多く、施主が直接金融機関に出向く必要が出てきます。完成した住宅に理想を反映しやすい一方で、施主の負担が比較的大きくなるのが工務店の特徴と言えるでしょう。

パワービルダー

床面積30坪程度の住宅を建設し、販売までの事業をトータルで行っているのが「パワービルダー」と呼ばれるタイプの企業です。他にも「地域ビルダー」「ホームビルダー」「ハウスビルダー」といった名称もあるので覚えておきましょう。住宅業界で大手と言われるのは「ハウスメーカー」と呼ばれる企業ですが、パワービルダーの事業規模は前述の工務店とハウスメーカーの中間あたりに位置しています。年間の着工数は数百棟~数千棟で、店舗の展開規模は1~3都道府県が目安と言えるでしょう。パワービルダーは比較的若い消費者層に重点を置く企業も多く、商品ラインナップの価格帯は2000万円~3000万円程度と比較的安価な設定が一般的です。工務店同様に地域密着型という側面が強いため、場所によっては大手のハウスメーカーと同等かそれ以上に人気のあるパワービルダーもあります。

一方、パワービルダーは工務店のように施主の要望に対して柔軟に対応しきれないという弱点もあります。パワービルダーは比較的小規模ながらもある程度の数の店舗を展開しているのが一般的であり、基本となる商品ラインナップが予め決められている場合が多いです。オーダーメイド制である注文住宅とは異なるため、消費者の細かなニーズに対応する事が難しくなります。

住宅業界~在来工法とプレハブ工法~

主な工法に「在来工法」と「プレハブ工法」があります。それぞれの概要を紹介します。

在来工法

在来工法は日本において伝統的な建築工法を現代事情に合わせて簡略したものとして知られており、歴史の長い工務店や住宅メーカーでよく採用されています。木材の柱・梁を骨組みにして建設を進めて行く事と、地震や強風といった自然災害対策として「筋交い」という部材を用いるのが特徴です。在来工法は柱と梁による間取りの自由度が高く、施主の要望を積極的に取り入れやすいというメリットがあります。また、在来工法は採用している企業が多いため、施主としても複数の企業に見積もりを依頼して比較出来るという点も魅力です。一方、在来工法は木材の加工や組み込みといった職人の手による工程が大部分を占めるため、比較的施行期間が長く建築コストもやや高くなる傾向にあります。職人の腕によって仕上がりのクオリティが大きく左右されるという点にも留意しておきましょう。

プレハブ工法

工場でまとめて材料を生産・加工して現場では組み立てるだけという手法が「プレハブ工法」と呼ばれるものです。部材は可能な限り工場で工程を作り込んでいるため品質が安定するという特徴が挙げられます。部材の数も工場で管理されているので、現場施行タイプの工法でありがちな材料欠損が発生する可能性が低い点もメリットです。プレハブ工法は施行担当者にとって負担が少ない手法であると言えるでしょう。また、事前に部材を揃えてから現場作業が開始となるため工期が短くなります。

住宅業界で大手と言われるハウスメーカーは、かつてプレハブ工法を主軸として事業を展開していた企業が多いと言われています。戦後の日本では住宅不足が深刻化しており、国民への安定した住まいの供給が急務となっていました。当時、大工職人が現場で部材を加工して組み上げる工法では住宅の供給が間に合わなかったため、白羽の矢が立ったのが安定性と工期の早さに定評のあったプレハブ工法だったのです。プレハブ工法によって住宅の売上を伸ばしたハウスメーカーは、時代の流れと共に消費者のニーズに柔軟な対応が可能な大手企業へと成長しました。

住宅業界~専門用語~

どんな業界にも多かれ少なかれ専門用語というものが存在します。最初から高度な専門用語を覚えておく必要はありませんが、就活において業界への熱意をアピールするためにはある程度の知識は備えておきたいものです。就活への備えとして最低限以下の3つの用語を覚えておきましょう。

スケルトン・インフィル住宅

建物本体を長持ちするように頑丈な造りにする一方で、内装に関しては後からでも比較的自由に変更出来るように設計するのが「スケルトン・インフィル住宅」と呼ばれるものです。購入者がライフステージの変化に合わせて内装を変える事が出来るため、賃貸よりも分譲住宅に多く見られます。一生モノの住宅を効率良く使えるとして注目を集めている住宅モデルです。

リノベーション

リノベーションとは元々ある建物に対して大規模な改修工事を行い、物件の性能を元の状態より高めて価値を向上させる手法です。リノベーションと混同しやすい用語に「リフォーム」というものが挙げられます。リノベーションが元の物件の価値を向上させる事を目的としているのに対して、リフォームは「老朽化した建物を改修して元の状態に戻す」というのが基本的な意味です。両者には明確な違いが存在しているので注意しておきましょう。

エコハウス

環境問題が注目されるようになってからは、「エコハウス」という住宅モデルにも消費者の関心が集まっています。エコハウスとは降雨・日照・風力など地域特有の気候を活用する事で、自然エネルギーを暮らしに最大限利用して自然環境への負担を減らそうという目的の住宅モデルです。2011年の東日本大震災以降、日本でもエネルギー問題に対する考え方に変化が見られるようになりました。エコハウスによって自家発電する家庭が増えれば、環境問題解決への糸口になるとして注目を集めているのです。

住宅業界における職種

住宅業界における職種

人の住まいを提供する住宅業界は、実に多くの人間が関わって成立しています。就活において「住宅業界で働きたい」と思い立っても、どんな仕事があるのかを知らなければ具体的な目標や対策を立てる事は出来ないでしょう。ここからは住宅業界に存在する職種として代表的なものを3つご紹介します。

施工管理

住宅を建設する際には必ず設計図・図面を基にして作業を進めていく事になります。作業が図面どおりに行われているか、スケジュール通りに進行しているかなど全体の監督業務を行う職種が「施行管理」です。段取りの確認や大工職人への指示といった作業現場での総指揮を執るポジションとなっています。着工前の資材調達や住宅購入者に対する工事内容の説明も、施行管理の重要な仕事です。住宅購入者は工事期間中、自分の住まいが順調に建設されているか気になっている人が多いと言えます。施行管理はこうした不安を解消すべく、建設作業が間違いないなく進行している事を住宅購入者に伝える窓口的な役割も担っています。

設計

住宅業界、あるいは建設業界と聞いて「設計」という職種を連想する人も多いでしょう。設計は消費者のニーズ・人気が高い住宅・住宅市場の動向などを踏まえた上で、具体的な仕様を設計して図面に落とし込むのが仕事です。住宅本体のデザインだけではなく、建設予定地の地質や地盤を正確に把握していく事も求められます。デザイン・機能性・安全性などすべての要素が揃った時点で図面に詳細を画き起こし、住宅購入希望者に提案を行うというのが一般的な流れです。なお、提案を行う際には自社の営業職と連携して仕事を進める事が多いので覚えておきましょう。設計の仕事は図面を描いたらそれで終わりではありません。施行管理の場合と同じく、設計も工事期間中の作業進捗状況を確認する事があるのです。現場の作業員や住宅購入者とも建設が終わるまで長期間に渡ってコミュニケーションを取っていく必要があります。

営業

どんなに優れた商品をラインナップしたとしても、それを消費者へ効果的にアピール出来なければ企業としては売上に繋げられません。住宅業界においても、営業というポジションは重要な役割を担っているのです。一般商社であれば自社で既に開発済みの商品を消費者に売り込むという図式が通常ですが、住宅業界の営業は購入希望者のニーズを「汲み取る」という作業が重要になります。住宅購入希望者がどのような住まいを望んでいるのかを丁寧にヒアリングして設計に伝達する事が重要なのです。住宅業界内に存在する職種の中でも特にコミュニケーション能力が重要視されると言えるでしょう。

住宅業界の営業職は飛び込み営業やテレアポというよりも、自社のモデルルームや住宅展示会に訪れた消費者に対してアプローチをかけるというのが一般的です。消費者は住宅の見学・相談から完成した住宅の引渡し、さらにはその後の問い合わせ窓口として基本的に企業の営業を頼ります。営業は消費者とかなり長期的な関係を保つ職種であると認識しておきましょう。

住宅業界の現状と課題、将来性

住宅業界の現状と課題、将来性

住宅業界の現状と課題、将来性について解説します。

住宅業界の現状

就活生としては業界の現状や推移が気になるところでしょう。2010年以降の住宅業界は事業規模が若干拡大傾向にあり、好調の兆しを見せています。これには首都圏を中心としてマンション価格が高騰した事が起因していると言われており、戸建て住宅の需要が高まっているのです。また、業界全体も見渡しても新しい息吹を取り入れた業界再編の動きが活発になっています。例えば異業種企業の住宅業界参入や、大手住宅メーカーとゼネコンによる資本業務連携締結などが代表的なものとして挙げられるでしょう。住宅メーカーは海外進出にも積極的な姿勢を見せるようになっており、新興国を含めた東南アジア諸国を中心として戸建て住宅の販売数を伸ばしています。さらには物流倉庫・賃貸物件・都市開発といった事業も展開しており、今後も海外での事業拡大は進んでいくと予想されているのです。

住宅業界の課題

一方、住宅業界では日本国内の消費者が減少傾向にある事が課題として挙げられています。これには国内の経済状況の他にも、少子高齢化が大きく影響していると言えるでしょう。少子高齢化によって住宅購入が多い30~40代の世代が今後も減少していく事が予想されており、それに伴った需要減も懸念されています。また、住宅業界に限らず就業人口の減少による人手不足も問題です。企業によっては人材不足によって商品の品質が低下しているケースもあります。品質の低下は消費者のニーズを満たす事が重要な住宅業界にとって深刻な課題となっている事を覚えておきましょう。

住宅業界の将来性、今後の展望

現代の住宅市場では普通の住まいではなく、高付加価値である「スマートハウス」という住宅モデルの需要が高まっています。若年層の収入が減少傾向にある事からスマートハウスの需要は比較的高齢者に寄っていると言われており、住宅業界としてはニーズに対応すべく高齢者が住みやすい住宅設計や耐震・耐火性脳の高い商品展開が進むと予想されているのです。

住宅業界にとって少子高齢化の影響は大きく、大手住宅メーカーでは非住宅分野への事業展開が着々と進められています。大型施設や高層ビルの建設などがその一例として挙げられるでしょう。2020年時点で既に国内の住宅数は世帯数を超えており供給過多となっています。今後は空き家となった住宅の中古販売事業をどのように展開していくかが住宅業界の鍵です。そのためにはリノベーションやリフォームといった手法のノウハウを企業として蓄積していく事も重要となります。加えて、住宅メーカーの海外進出は将来的にも加速していくと見られており、希望職種によっては外国語や文化的知識の習得も就活の手助けになるでしょう。

住宅業界のまとめ

住宅業界のまとめ

住宅業界は業績の安定感から就職活動において人気の業界です。当然倍率も高くなるため、住宅業界に就職する事は簡単ではありません。他の応募者との差別化を図るためには、業界を多角的に分析・研究し、、志望理由や将来設計に説得力を持たせることが必要です。業界の現状や将来性を正しく理解して、採用担当者の目に留まるアピールをしていきましょう。

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