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【出版業界とは】就活生が知るべき業界の今後や現状|仕事内容についても解説

出版業界研究!就活生が知っておきたい業界の現状や今後について

出版業界に興味があるが、実際どんな仕事をしてるのか?」「業界の今後を踏まえて就活を進めたい」という就活生も多くいると思います。出版業界、特に出版社は毎年主活性に人気の企業が多く非常に狭き門となっています。一方で、年々市場規模が縮小し、時に斜陽産業と言われることも年々増えてきました。この記事では、出版業界の仕組みや仕事内容、今後の展望や業界の現状について解説します。

※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

出版業界とは

出版業界の概要

出版業界とは、書籍や雑誌といった各種の出版物について、その企画や編集、発行に至るまでの一連のプロセスを担っている業界です。この出版業界には、出版社や出版取次、書店などの様々な業態の会社がありが、出版社が企画から制作までを手掛けた出版物を、取次会社が書店に流通させるという仕組みになっています。そのうち、出版社というは、業界のステークホルダーとして出版物についての様々な企画を一から考えて、執筆者とともに執筆作業を進めたり、デザイナーなどと一緒になってイラスト制作を行ったりする会社です。出版社の中には、多種多様なジャンルの出版物を扱う総合出版社と一定の分野について強みを有する出版社があります。出版取次は出版社と書店との間に立って、書店に対して出版物の販売を委託する役割を担っています。出版物に関する様々な情報を伝達するというのも出版取次が担う重要な役割です。最後の書店は、街中に店舗を構えてエンドユーザーである消費者に対して実際に出版物の販売を行ったり、大学などの教育機関や図書館などへの出版物の納入も行います。インターネットの普及によって実店舗を持たないオンライン書店も売り上げを伸ばしています。

また、出版業界を大きくわけると、「出版社」「出版取次」「書店」の3つに分類できます。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

出版社

出版社は書籍や雑誌の制作と発行を担当する会社です。総合出版社と、特定の分野に特化した出版社の二つに分かれます。総合出版社は幅広いコンテンツを扱い、特化した出版社はジャンルごとに強みを持っているのがそれぞれの特徴です。

出版社の業務は多岐にわたり「出版物の企画」「ライターや作家への執筆依頼」「印刷会社への依頼」「校正・検閲」「製本」などが含まれます。

また、取り扱うジャンルも幅広く、書籍、雑誌、地図、ムック本などがあります。よく勘違いされるのは、新聞は新聞社が発行するため出版業界ではありません。しかし、新聞社から分社化した出版社も存在しています。

出版取次

出版取次とは、出版社と書店の間で仲介をする会社を指します。主な仕事は、出版社から書店に書籍を提供することと、書店で売れ残った書籍を回収し出版社に返品することです。

出版業界の特徴的な事業が「取次」です。出版社を製造者と例えるなら、取次は卸売業者といえます。取次が出版物の流通を管理する役割を果たしています。

具体的には、出版物は委託販売制で、書店で売れ残った場合は取次に返品されます。また、出版社が製作した書籍やコンテンツを直販ルートで読者に提供する手段もあります。電子取次はデジタル化された書籍の配信や販売を専門とし、出版社や著者と協力して電子書籍をオンラインで提供ています。

また、出版取次は、出版社が製作した書籍を書店に卸す役割もになっています。最近だと、電子書籍の場合は、出版社から送られたデータを書店に送っています。

取次が、売上データや市場動向を提供することで、効率的な流通や取引が可能としています。書店の販売促進を支援し、売上を伸ばすことも取次の仕事の一環です。

書店・ネット書店・電子書店

書店はその名の通り、書籍を販売する店です。ジャンルを問わず扱うものもあれば、特定の分野に特化した書店も存在していて、馴染みもあるのでイメージが湧きやすと思います。

書店の仕事は本を販売することです。店頭での販売や大学、公共図書館向けの販売、学術用データベースの販売など、様々な販売方法があります。また、電子書籍の需要が増える中で、電子書籍を取り扱う会社も増加しています。

また、店舗内でどの書籍を陳列し、どの書籍をPRするかを決めるのも重要な役割を果たしています。先に紹介した出版取次や営業と協力しながら、書籍の販売行っているのです。

※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

出版業界の職種

出版業界の職種

出版社の花形である編集者をはじめ、さまざまな職種があります。

出版業界の職種1:編集

出版社の花形といえば編集者ですが、実際の編集の仕事は華やかなものばかりではありません。作家との間で出版物の企画を考えたうえで、執筆を依頼するところから始まり、出版予定日を決めたら、それに間に合うように厳格なスケジュール管理を行います。その過程では、社内外の関係者とのミーティングを行って様々な調整を行ったり、執筆者から提出されてくる原稿をチェックしたりといった細やかな作業も行わなければなりません。

また、1人の編集者が複数の作家を担当するというのが通常ですので、担当している作家が締め切りに間に合うように、確実にその前に原稿を受け取るというのも重要なミッションとなっています。このように、編集の仕事は、常に締め切りに追われるという過酷なものですので、それをこなすためには、高度な事務処理能力と、少々のストレスにはびくともしない強靭な精神力が必要になると考えておくと良いでしょう。

出版業界固有の職種2:制作・校閲

制作と校閲も出版を語るのに欠かせない職種です。このうち、制作というのは、主に雑誌などの企画から制作、関係者との打ち合わせ、外部の業者への発注依頼などを担います。一方の校閲は、執筆者が書き上げた原稿を細部まで読み込み、その中にある誤字・脱字や表現上の誤りなどを事細かにチェックして不足点があれば適宜補うというのが主な役割となります。いずれも外部からは何をしているかが見えにくい職種ではあるものの、雑誌作りには欠かせない重要な仕事ですので、自分が好きな雑誌に携わりたいという場合には、志望してみるとよいでしょう。

この点、制作と編集とは、必ずしも明確に仕事として切り分けられているわけではありません。特に、そこまで規模が大きくない出版社の場合には、編集担当者が制作に携わったり、自ら校閲を行うというケースも珍しくないのです。表向きは制作部署であっても、実際の仕事内容は編集に関するものも少なくないという出版社も多く、まずは幅広に出版社の仕事を経験してみたいというのであれば、制作や校閲の仕事を志望してみるのも良いかもしれません。

出版業界の職種3:営業・販売促進

出版物は、編集者が執筆者から納期までに原稿を受け取るだけでは世の中に出回りません。多くの消費者に目にしてもらうためには、出版取次会社や書店などに対して、自社が制作した出版物を営業し、店頭に置いてもらうようにしなければならないのです。そういった業務を担うのが、営業や販売促進で、出版業界には欠かせない重要な人々であるといえるでしょう。

営業・販売促進の仕事内容は出版物の営業活動だけに留まりません。出版社が手掛ける雑誌には、企業が出稿できる広告スペースが設けられているのが一般的なのですが、よほど有名な雑誌でもない限りは単に待っているだけでは企業などから広告の申し込みを受けることは期待できません。そこで、出版社側から積極的に広告主に対して営業や提案を行って、広告を出稿してもらうよう働きかけるというのも営業・販売促進の重要な役割となるのです。

営業の手法は、出版社によって一律ではないものの、一般的には担当する書店の客層や立地を踏まえて、過去のデータを参考にしながら書店の担当者と協議して出版物の注文を受けるというものです。一方、販売促進については、書店に対して販売スペースの拡張を提案したり、本の並べ方をアドバイスしたりといったアプローチが中心となります。

出版業界が抱える現状の課題

出版業界が抱える課題と業界の今後

次に、昨今で出版業界が抱えている現状の課題について解説します。一言で表すならは、出版物の市場規模は減少の一途をたどっており出版業界の現状は年々大きな変化を余儀なくされています。

雑誌・書籍市場は大きな変革期に突入

出版業界が抱えるもっとも大きな課題は、出版物の市場規模の縮小です。その背景には、長らく言われている若者の活字離れや娯楽のデジタル化などがあります。かつては、読書が趣味という人は、年配者だけではなく若者の中にも多くいたのですが、インターネットの普及により年長者であっても読書よりもネットサーフィンを好むという人が増えてきており、それに伴って、書籍などを手に取ろうとする人が減ってきてしまっているのです。

また、再販売価格維持制度による弊害も大きな課題になりつつあります。制度そのものは、書店が一定の収益を期待できる優れた仕組みなのですが、書籍の販売価格が決められてしまっているがために、書店が積極的にキャンペーンや割引を行うことができず、その結果、人々の本離れに拍車をかけてしまっているのです。その一方で、フリマアプリの登場によって、中古の書籍を安い金額で手軽に購入できるようになったことから、出版業界はこれまでにない厳しい立場に置かれているといえるでしょう。

加えて、委託販売制度による書籍の返品率の高まりが出版社の足かせになってきています。返品率が一定の水準を超えると、本を出せば出すほど赤字になるという悪循環に陥りかねません。特に、財務基盤の弱い中小の出版社においては、無視できない課題となりつつあるのです。

※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

出版業界の業界の今後

出版業界の今後の流れについて解説します。業界を取り巻く状況は、インターネットの普及の影響で、大きな変革が起こると想定されています。

増加傾向と縮小傾向で二極化する出版市場

出版業界における「書籍離れ」が業績低迷に繋がっています。これには、紙媒体以外のコンテンツに接する時間が増えていることが背景にあります。こうした中、出版社は自社の出版物を電子化する動きを強め、電子書籍市場は順調に成長しています。特に電子コミック市場や月定額の読み放題サービスは好調ですが、海賊版サイトによる無断公開が売上に鈍化をもたらしています。出版業界はこれに対処するための法整備を待っています。

しかし、電子書籍の流行は出版取次に大きな影響を与えています。ヒットした作品は出版取次を介さず、出版社が電子書店に直接提供するケースが増えています。出版取次は大量輸送の利点がありますが、特定の書店への細かい配送や返本率の高さが課題です。このため、出版業界全体の不況と重なり、出版社と書店の直接取引が増えつつあります。現在、カドカワや丸善ジュンク堂などが出版取次を介さない施策を打ち出しています。

出版取次の経営状況は厳しく、小口輸送が主流となり売上が低下しています。出版取次会社は、業界全体の流れや消費モデルの変化に、置いていかれない対応を取らなければならないのです。

ビジネスモデルが業界全体で変化する

出版業界全体として、インターネットの普及により、インターネット市場のみでビジネスを展開するオンラインショップが急激に拡大してきており、中でもAmazonは、取次を挟まずに出版社から販売したい数量だけを仕入れて販売するという手法を採用しています。この手法は、売れない本は返品せずに値下げして販売することも可能であるという、従来にない新たなビジネスモデルです。長らく続いてきたビジネスモデルに変革が起き、市場全体の構造が大きく変わりつつある状況なのです。

さらに、従来のように紙媒体の書籍だけでなく、ペーパーレスの電子書籍が流行りだしたこともあって、これまで以上にインターネットとの連動性が重要となっています。その背景にはスマートフォンやタブレット端末の普及によってネット環境さえあれば重い本を持ち歩かずにどこでも手軽に読書を楽しめるようになってきたという状況があるのですが、その一方で、海賊版を扱うサイトが増えたり、消費者から購読料金が高止まりしているように見えるといった新たな課題が生じてきているのも事実です。そのため、それらの課題に対して、どのような取り組みを行っていくのかが、今後の業界の動向を占ううえで重要なカギとなるでしょう。

出版業界の独特な流通形態

出版業界の独特な流通形態

出版業界の流通は独特です。ここでは「委託販売制度」と「再販売価格維持制度」を紹介します。

出版業界の独特な流通形態1:委託販売制度

出版業界における出版物の流通形態にはいくつかの種類がありますが、そのうちの一つが委託販売制度です。この制度は、出版社が自ら販売活動を行う代わりに、出版取次や書店に販売を委託するというもので、その特徴は、販売活動を行った結果、売れ残ってしまった出版物については、書店が出版社に返品できるという点です。もともとこのような仕組みができたのは、文化や教養を媒介するという書籍などの出版物が有する重要な特性を踏まえて、売れ筋の商品ばかりが店頭に並ぶという事態を避けるためでした。実際に売れるかどうかではなく、書店が売りたい本を店頭に並べられるという意味で、この委託販売制度は日本文学の発展に大きな貢献をしてきたといえるでしょう。

実際、委託販売制度があったからこそ日の目を見ることができた作品も少なくありません。逆にいえば、この制度がなければ、もしかすると世の中にその名を知られていなかった有名作家がいるかもしれないのです。もっとも、このような制度は日本特有のものであり、世界では書店が本を出版社から買い取って販売するという流通形態の方が一般的となっています。書店が販売活動をして売れ残った在庫を出版社に戻すという仕組みは、自己責任が原則の海外では受け入れられにくいのかもしれません。

出版業界の独特な流通形態2:再販売価格維持制度

出版業界におけるもう一つの流通形態は、再販売価格維持制度です。その名称からイメージできる通り、この制度は、書店やコンビニエンスストアといった書籍や雑誌などを取り扱っている小売業者が出版社が決定した価格以外で出版物の販売を行うことができないというものです。売り手が自ら商品の価格をコントロールできないというのは奇異に映るかもしれませんが、文化や教養を媒介するという重要な役割を本が担っているという点を踏まえて、余計な価格競争が引き起こされたり、輸送コストが販売価格に反映されたりしないように、特に出版物についてはこのような価格の拘束が認められているのです。そのため、全国各地にあるどこの書店で本を買っても、その金額は同じであるというのが出版業界の大原則となっています。

再販売価格維持制度の存在によって、書籍の価格は全国一律となり、それを販売する書店には一定の利益が約束される結果となりました。しかし、その反面において小売業者間の競争は失われていっています。コストをかけて販売活動をするかどうかにかかわらず、販売する本の金額は変わらないため、あえて余計な負担をしてまで積極的に販売活動を行おうという業者が減ってきているのです。

出版業界研究まとめ

出版業界研究まとめ

出版不況とはいわれるものの、今でも出版業界、中でも出版大手への就職は非常に狭き門で、なんとなくの憧れだけでは内定はでません。チャレンジする人は業界について深く理解したうえで、志望理由をしっかり固めて就職活動に臨むようにしましょう。

※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

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佐藤 裕康
株式会社ジェイック 採用メディア「Future Finder」事業部長|ジェイックに新卒入社後、マーケティング業務に従事。その後、新規事業であるダイレクトリクルーティング事業の立ち上げを経験、事業責任者へ|資格:CFW(「7つの習慣」社内インストラクター資格)