サービス業とはどんな業種?接客業とはどう違うの?

サービス業の人

サービス業と接客業は、様々な職業の中でも一般的なものであり、一見するとサービス業と接客業には、大きな違いがないようにも思われがちです。

しかしそれぞれの特徴をよく分析してみると、実際には違っている部分もあるということがわかってきます。

今回はそもそもサービス業とはどのような業種なのか、そして接客業との違う点はどこにあるのかを、それぞれの特徴を踏まえながら解説していきます。

 

目次

そもそも、サービス業とは何?

サービス業とは、人の欲求をアシストする事を主な仕事とした業種です。

「美味しい料理が食べたい」「楽に移動したい」「癒しが欲しい」といったような顧客のニーズを、様々な手段によって満たすことで対価を得ているのです。

そのため、人々の欲求が多様化すればするほど、サービス業に属する業種の数も増えていくことになります。

それにより、多様な業種が存在し、全てをひとまとめに説明することは困難です。この項目では沢山の業種を大きく3つに分けて、サービス業とは何なのかについて解説します。

情報を提供するサービス

まず1つ目の分類として、情報を提供するサービスが存在します。情報を提供するサービスには相談や設計業務などがあり、これらはコンピュータの登場前から存在しているものです。

更にテクノロジーの進化とともに、コンピュータのプログラムやデータの提供を行う業務等も、情報を提供するサービスとして含まれるようになりました。これらは、情報サービス業と言われています。

コンピュータなどの情報を扱う情報サービス業は、ITやテクノロジーと深い関わりを持つ分野でもあります。これは更に、プログラムや音楽データなどの情報を提供する「情報提供サービス」と、統計データ分析などの情報処理を専門に行う「情報処理サービス」の2つに分類することが出来ます。

物を提供するサービス

物を提供するサービスで身近なものとして、レストランが挙げられます。生産者から仕入れた食材をより美味しく食べられる形に加工し、それを顧客に提供することで利益を得ています。

素材を加工し製品の形にする工場などとも似ている部分がありますが、業種の分類においてレストランはサービス業に属しています。

スーパーなどの販売業も同じように、生産、加工された製品を提供することで成り立っています。

少し利益を得る代わりに、利用者が簡単に様々な商品を購入できる状態を整える役目を担っているのです。

快適さを提供するサービス

また遠くまで移動する時には、新幹線や飛行機を使う事があるでしょう。この新幹線や飛行機の運行、管理もサービス業です。

目的地まで速く、楽に移動する手段を提供する事で利益を得ています。また、ゲームセンターや遊園地などの娯楽施設もここに分類されます。

顧客が楽しめる空間を作り、一種の快適さとして提供するということを仕事とします。

 

サービス業の業種にはどんな物がある?

更に細かく見ていくと、サービス業は行う業務ごとに分けることも可能です。

先程挙げたレストランは、業種的には飲食業に属します。また、スーパーは販売業です。しかし、サービス業はこれだけではありません。

主な業種と、その中の代表的な職種を列挙してみます。

・専門サービス業…法律事務所や税理士事務所、芸術家などの専門的職種

・技術サービス業…獣医、機械設計や測量など技術分野の職種

・生活関連サービス業…美容師や銭湯、冠婚葬祭など生活に関連した職種

・娯楽業…映画館、レジャー施設等娯楽を提供する職種

・複合サービス業…郵便局、介護事業など複数のサービスを提供する職種

・その他のサービス業…これら以外の職種。政治団体、機会修理業などが当てはまる

このように、一口にサービス業と言っても様々な職種があり、人々の日頃の生活を支えているのです。

 

業種と職種、何が違う?使い分けは?

業種と職種という単語は、書籍やインターネット上など様々なところでよく使われています。

しかし、どちらがどういった意味なのかを正確に把握できていない人も少なくはありません。より理解を深めるためにも、それぞれの単語が何を指すものなのかをきちんと把握しておくと良いでしょう。

業種は、その会社が普段から取り扱っている事業の分野、またはその企業が属す業界の種類を指す言葉です。

ですから、例えばスーパーに勤務している従業員は、業種としては販売業に属しているということになります。

ポイントとして、この言葉は会社が扱う事業の分野を表しているため、仮にスーパーの中で販売員ではなく事務をしていたとしても、業種は事務業などにはならず販売業になります。

個人の行う仕事ではなく会社単位で行う仕事に注目した分類といえます。

それに対して、職種という言葉はもっと個人に注目した分類です。職種を分ける場合には、その人の属している企業ではなく、その人自身が行っている業務の種類で判断をします。

この事から、先程使ったスーパーの例で言えば、この従業員は事務職という「職種」に属していることになります。

こちらでは属している会社は分類に関係していません。そのため建築会社や旅行会社など違った業種の企業で働いていても、行っている仕事が同じであれば同じ職種に分類されます。

このように、業種と職種にはそれぞれ異なった意味があります。そして、今回解説するサービス業は「業種」の一つです。ですからその中でも、事務や営業など、様々な職種の人が働いているのです。

 

サービス業にはどんな特徴がある?

サービス業には、「無形性」「同時性」「新規性」「個別性」「非反復性」といった5つの特徴があります。これらの特徴についてもう少し詳しく解説していきます。

提供するものが見えない「無形性」

サービス業においては、提供する物のほとんどが目に見えない、 あるいはかたちの無いものです。

製造業などは顧客に対して「製品そのもの」を提供していますが、 サービス業では違います。

例えば飛行機で乗客を遠くまで運んだとしても、飛行機そのものを顧客に提供している、ということにはなりません。あくまでも遠くへの「移動」を提供しただけであって、飛行機はそのための手段です。

そして提供した移動そのものが目に見えることはないため、このようなサービスは無形の物を提供していると言えます。サービス業の多くが、このような形で成り立っているのです。

生産と消費が一度に起こる「同時性」

例えば製造業であれば、製品が完成してからそれが消費されるまでには必ず時間差があります。

生産から消費、場合によっては在庫としての保管など、それぞれの過程が独立していて、区分が可能です。しかしサービス業では、この生産と消費が同時に起こります。

一例として理髪店では、散髪を求める顧客が現れてから初めて散髪が行われます。

そしてその時、理髪店が散髪というサービスを生産すると同時に、顧客はそれを消費して髪型を整えています。サービスの提供が終わるとともに顧客の髪型は整い、そこに需要は残りません。

このように、サービスの生産、提供と同時に顧客の欲求も満たされるため、それぞれを分割することが不可能になるのです。これを同時性と言います。

様々な若い企業がひしめく「新規性」

サービス業では、他の業種に比べて市場が若く、中小企業が次々に生まれます。これは人々の欲求が時代に応じて変わるため、それに合わせてサービスを提供する業種や企業が必要になるからです。

 

同じ事の繰り返しにはならない「個別性」

生産業と違い、サービス業は顧客それぞれの欲求を満たすためのものです。ですから、顧客一人一人の希望に合わせて、その都度サービスの内容を変化させなくてはなりません。

同じことを繰り返すのではなく、臨機応変にサービスを提供していく必要がある事も特徴と言えるでしょう。

同じものは提供できない「非反復性」

サービスは、それを提供する人の技能や個性によって、様々に変化します。

百人の画家を集めて全員に犬の絵を描かせた場合に、一つとして同じ絵が生まれることはありません。それは人によって作り方、考え方が違うために起こるのです。

また、同じ人であっても毎回同じ物を作ることは出来ません。一見ほとんど変わらない絵に見えても、それは前回描いた絵と少しだけ線の太さや、曲線の形が違うといった誤差が生まれます。

このような誤差は製造業などにも見られるものですが、サービス業においては特に大きく現れる傾向があります。

 

接客業は、サービス業の一種でもある

接客業では顧客と交流し、必要なおもてなしをします。身近なところでは販売業における店員で、店に入店すれば顧客が求める商品を探してくれたり、相談に乗ってくれたりすることもあるでしょう。

多くの場合は商品の売上につなげるためですが、コミュニケーション自体を仕事内容にするような職種も中には存在しています。

接客業の業務と、先程のサービス業の特徴を比べてみると、共通するものが多い事がわかります。つまり接客業はサービス業に含まれる、一つの業務の形でもあると言えるでしょう。

接客業が他のサービス業と異なる点として、コミュニケーションや顧客との交流に重点を置いた業種である、という事が挙げられます。

接客業は顧客に対して、直接おもてなしやサービスを提供する仕事なのです。

 

サービス業が注目を集めている!その3つの理由

現在、サービス業が世間から注目を集めていることをご存知でしょうか。

その理由を大きく分けると「少子高齢化と家計の変化」「製造業の変化」「公的機関による業務の開放、規制緩和」の3つになります。これらについて、もう少し詳しく説明していきます。

少子高齢化と家計の変化

従来の日本においては若い労働力人口が多く、生産も活発でした。

現在に比べて第一次産業(農業や漁業)の占める割合が多く、また高齢者が少ないことによって介護サービスなどは市場規模が小さいものでした。

しかし、時代が進むに連れ少子高齢化が進んだことにより、介護サービスの重要性が高まっています。

介護職員の数も不足傾向にあり、今後さらに少子高齢化が進むと見積もられている日本において、介護や高齢者に向けたサービスの需要は更に増していくと考えられています。

さらに家計の支出において、1970年には約27パーセントだったサービスに対する支出の割合は、2010年には約42パーセントまで上昇しています。

代わりに、モノに対する支出の割合は約73パーセントから約58パーセントまで低下しており、消費の構造がサービスへとシフトしていることがわかります。

この消費構造のサービス化は都市部において顕著で、2009年の東京都では家計における支出の49パーセントを、サービスが占めているというデータが存在しています。

 

製造業の変化

かつて製造業は物を生産することだけに専念する企業が多く、サービスに関してはあまり重視されていませんでした。

しかし、技術や品質が向上すると同時に、それに見合ったサービスが求められるようになりました。

具体的には、製品のメンテナンスやアフターケアなどです。製品を販売した後に、どれだけ顧客に対して丁寧なサービスを行えるかどうかが、企業の売上において重要な要素となっています。

製造業と雖もサービスの質を考慮する必要が生じ、結果的にサービス業の需要が高まることとなっています。

更に、人員の削減やコストカットのために、生産や加工の業務をアウトソーシング化する企業も増加してきました。

業務を他の企業に委託する際には、円滑な情報伝達や報酬の支払い、損害の保証などのために仲介業者を使う場合があります。

そして、この仲介業者というのはサービス業なのです。業務委託の仲介を初めとして、製造業というサービス業とは別の業種の中にもサービス業の進出が進んでいます。

公的機関による業務の開放、規制緩和

サービス業の中には、かつては公的機関によって運営されていたものが開放され、業種として発展した物があります。これを「民営化」と呼びます。

身近なもので言えば、多くの人が使っている携帯電話があります。かつて電話等の電気通信事業は、日本電信電話公社という公的機関によって運営されていました。

しかし、1985年にこの業務が民営化されたことにより、様々な電話会社が登場しました。そのような歴史があったからこそ、利用者は多様な通信プランや料金を選択でき、企業は新たな事業の開拓によってチャンスを得られるのです。民営化は、利用者が更にサービス業を重要視するきっかけとなります。

また、サービス業の業務に関する規制や制限事項も緩和が進んでおり、今後の変更によって更に発展していく事が期待されています。

 

今後も成長が見込まれるサービス業

サービス業は、顧客の欲求が多様化していくに連れて、次々に新たな業種が作られ、それを担う企業が生まれます。

そしてそのほとんどは中小企業として、それぞれの分野の中で競争を続けています。

現在、サービス業は日本の経済活動における約7割の市場を占めています。多数に存在する中小企業のうち、大企業へと成長するものもあるでしょう。

そうなれば、更にこの割合は増加することになります。21世紀以降の日本において、人々の欲求の変化や経済全体のサービス化は更に加速していく見込みです。その中でサービス業は、更にその市場規模を拡大させていくことが期待される業種なのです。

 
 
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