AERA
2012年6月18日掲載

AERA 2012年6月18日掲載

AERA 2012年6月18日掲載 AERA 2012年6月18日掲載

営業カレッジの取り組みが、雑誌「AERA(アエラ)」の特集で紹介されました。

特集のテーマは、「既卒・2度目『OK』の本音と建前」。「最近、既卒者の就職の門戸が広がってきたというけれど、実情はどうなのだろう?」とAERAの記者が疑問を抱き、大手企業175社を中心に、既卒者採用の実情を探るアンケートを送付しました。

得られた結果は、「既卒者を実際に採用したことのある会社は、全体の1%」というもので、既卒者を取り巻く厳しい就職環境が改めて浮き彫りとなりました。

【記事本文】

■既卒・2度目『OK』の本音と建前

94社に聞いた『エントリーの可否』と『採用実績』

わざと留年してもう一度、「第一希望」の企業にチャレンジする。あるいは、無業のまま卒業して就職活動を続ける。いまや、こんな学生が珍しくない。だが、再チャレンジでの成功は一握りの人の「幸運」のようだ。

 6月中旬。既卒者の就職を支援するジェイックを訪ねると、スーツ姿の受講生が約30人、面接の練習を繰り返していた。

 就活生役はまず、大きな声で自己紹介。「よろしくお願いします」と深ぐ頭を下げたかと思うと、面接官役が「卒業後は何をしていましたか」「そこで何を学びましたか」と畳み掛ける。制限時間になると「熱意は伝わったか」「声は聞こえやすかったか」などを面接官役が評価して役割を交代し、終わると次はペアを組み替えて同様の練習。これが、4時間近く続いた。

 この講座を受講していた都内私立大学卒の男性(24)は、就職活動を始める大学3年の秋にいわゆるリーマン・ショックに見舞われ、企業の採用数が激減。就職留年して臨んだ昨年は、東日本大震災が起きた。企業の採用現場が混乱する中で60社を受けたが、内定には至らなかった。年間90万円の学費負担の重さに再留年をあきらめ、無業のまま卒業した。

■何か身につけてきて

 いま、3度目の就活に挑戦中。「既卒でも受けられる企業はあるんですが、『時間はあったんだから何か身につけてきたよね』という企業側の視線を感じます。卒業後に何をしていたのかを振り返ると、どう答えてもプラスのイメージにならない」

 目に見える成果を残したくて就職活動のかたわらファイナンシャル・プランニング技能3級の試験を受けたが、勉強に時間を割けず、不合格だった。

 彼のように一つも内定を得られなかったり、内定を得ても不本意だったりして、わざと単位を落として留年Tる、職がないまま卒業する、というケースはいまや珍しくない。

 就職情報大手のマイナビが今年5月下旬に行った調査からも、この実態が浮かび上がった。

 調査対象は、大学4年生と大学院2年生約1千人。就職が決まらなかった場合はどうするかという問いに、実に42.1%が「卒業後も就職活動を続ける」と答えた。前年より5.8ポイント多い。「就職留年」は10.3%で0.8ポイント増。「進学」は17.1%で2.9ポイント増だった。マイナビHRリサーチセンターの栗田卓也センター長は、こう分析する。

 「就職留年が増えなかったのは、各家庭に金銭的な余裕がなくなったから。実際に採用しているかどうかは別として、『既卒者も受けていいですよ』という企業が増えたことも、こうした結果につながっている」

■採用実績は全体の1%

 そこでアエラでは、就職人気ランキングの常連を中心に175社にアンケートを送付。既卒者や、一度「不採用」になった人の再エントリーについて、実態を聞いた。94社が回答した。

 「既卒者もエントリーできるか」という問いには、88社が「はい」と答えた。編集部が想定した「既卒者」は、卒業から日が浅く、いわゆる職歴のない人。実際、「大学卒業・大学院修了から3年以内で、正社員としての就業経験がない」という明確な条件をつける企業が大半を占めた。これは、2010年11月に厚生労働省が、若者の就業機会を増やそうと「青少年雇用機会確保指針」を改正し、卒業後少なくとも3年以内であれば「新卒」として扱うよう、経団連などに要請したことを受けたものだ。

 なかには「卒業後1年以内」とする企業もあり、就業経験のある「中途・第2新卒採用」を行っていることを理由に既卒者を受け付けていない企業も6社あった。

 ここまでのデータは、「無業のまま卒業してもほぼすべての企業にエントリーできる」ことを示しているが、採用実績を見ると、楽観的ではいられない。「既卒者もエントリーできる」と答えた企業の中で、直近の5年間に1人以上の既卒者を採用(予定含む)している企業は、「若千名」や「実績あり」も含めて88社中36社。既卒者を別途集計していない企業、採用の有無を非公表とした企業が27社あり、明確に実績がないと答えた企業も23社に上った。

■伸ばせるとすれば意欲

 試みに、既卒者の採用人数を実数で回答した50社について、直近5年間の実績をすべて足し合わせた人数は392。50社に採用された全4万1844人の1%にも満たない。「狭き門」の原因としては、「そもそも応募自体が少ない」(コンサルティング会社)ことを理由にするところもあったが、「ピラミッドの上にいる優秀な学生はすでにどこかの企業に決まっている」(ハウスメーカー)「(既卒者は)主なターゲットにしていない」(匿名企業)という厳しい声も多かった。

 アンケートでは、留年中か既卒者かにかかわらず、過去に不採用となった企業に再挑戦する「再エントリー」についても、その可否を尋ねた。

 可としたのは78社。直近5年の実績を実数または「実績あり」などと回答した企業は25社。一人ひとりについて再エントリーなのかどうかを判別していない企業も少なくなかったが、少なくとも1人以上採用していたのは14社のみだった。

 なぜ、企業は「再チャレンジ」に厳しいのか。

 アンケートからわかったのは、再チャレンジは多くの場合、「何らかの成長やスキルアップがあれば」という条件付きで受け入れられているということ。前出の栗田さんは、企業が選考の過程で就活生を見る主なポイントは、性格、外見も含めた「能力」と、自社の考え方や社風に合うかどうかという「価値観」、どれだけ自社に入りたいか、その仕事に就きたいかなどの「意欲」の三つだと話す。

 「能力」や「価値観」を数年の間に目に見えて伸ばしたり変えたりすることは難しく、栗田さんによれば、自分の原点を見つめ直して考え方を整理したり、相手に伝えるための表現力を磨いたりすることで「成長やスキルアップ」の可能性が残されているのは「意欲」だけ。その認識を持たないと、どれくらい伸びたかを見極めようとする面接官を前に、空回りしてしまう可能性が高いという。

 HRプロの寺澤康介社長は、「大手企業では、在学中になぜ就職できなかったのか、何か欠陥があるのではないかと疑われ、既卒者は一気にハードルが上がると考えて間違いない。企業がよほど驚くような経験をしてきた人以外は、在学中に比べてはるかに内定が難しくなる」と断言する。

 「大手企業は既卒者をほとんど採らない」は大学のキャリアセンターや人事の専門家の間では常識。受けても受けても内定を得られずに落ち込む学生が、実情を知らずに「そんなに行きたいならもう一年」と親に背中を押されて、安易に再チャレンジに向かうケースが後を絶たないという。

 もちろん、既卒者を積極的に受け入れている企業がないわけではない。

■期待感で「宝探し」

 一条工務店は3年前から、大学ないし大学院卒業後3年未満の既卒者の通年採用を始め、2013年度入社の採用でも、30~40人を予定している。新卒の定期採用に比べて採用の意思があることを周知することが難しく、別途担当者を置かなければならないなどコストもかかる。それでも続けるのは、

 「他社が積極的には採用しないからこそ、いい人材が埋もれているかもしれない」

 という期待感からだ。

 「宝探しのようですが、すでに入社した社員たちの活躍を見極めたい」(担当者)

 新卒では求める水準の学生を必要なだけ採用できず、既卒者を受け入れたいと考える企業は、中小企業に多い。HRプロ寺澤社長が言うように、大前提は大学4年が終わるまでに就職先を決めること。就職留年したり無業のまま卒業したりして再チャレンジする場合、

 「活動期間は長くても半年から1年にとどめること。第一希望の企業や大手にエントリーを繰り返すばかりではなく、名前も知らなかった中堅、中小企業にも目を向けること」(寺澤社長)が成功の条件だ。

■既卒者を受け入れる理由

高島屋グループ 優秀な人材、多様な人材を確保したい

JR西日本 厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」と他社動向をふまえて

宇宙航空研究開発機構 近年増加している海外留学や秋卒業へ柔軟に対応するため

楽天 海外大学からの採用も行っているため

■再エントリーを受け入れる理由

カプコン 過去の合否は関係なく、優秀な人材であれば採用したい

JAL その後の経験を通じ、求める人材になっている可能性がある

江崎グリコ 志望度が高く、熱意を感じる

電通 成長し、適性が増している場合がある

毎日新聞社 何度も受験して採用になり、入社後に活躍する例も多く、受験歴で選別することは適当ではない

NTTドコモ 受験時点での能力や適性が求める人物像に合致していれば問題ない

■再エントリーを受け入れない理由

JFEスチール 再度選考しても評価は大きく変わらない

JX日鉱日石エネルギー 当社採用基準を著しく変更することはないため

京都銀行 選考基準が変わることはないため

電機メーカー 明確にスキルアップ、人間的成長が認められた場合は検討する

日清食品ホールディングス 採用基準の大部分は人柄であり、経年して変わるものではないため

■再チャレンジについてこう思う

JR東日本 安易なモラトリアムは歓迎できないが、高い志を持ち、あきらめずに夢を追い求めた結果ならマイナス評価はしない

NEC やむを得ない理由もあると思うが、基本的には早期に就職し、経済的に自立してキャリアアップを目指すほうが本人や社会全体にとっても望ましい

TBSテレビ 経歴よりも、選考時点での情熱などを重視する

アクセンチュア 無業の期間を目的意識を持って過ごすことが重要。もし漠然と「良い企業に入ること」が目的であるとしたら、ひとまず社会に飛び込むことをもう少し柔軟に考えた方がいいのでは

アサツー ディ・ケイ 納得して導いた結論であればまったく問題ないが、就職浪人などは、どんな生き方をしたいのか熟考した上で決断すべき

一条工務店 前向きに自分を変えようと努力している人、学ぼうとしている人に企業は手を差し伸べるべき

コクヨ 一番重要なのは、どんな経験を積み、どれだけ成長できているか。それがなければ何度チャレンジしても結果は変わらないと思う

電機メーカー 確固たる信念を持って取り組むことが大切。なんとなく就職浪人したかどうか、企業はきちんと見ています

日本テレビ 再チャレンジの枠組みを持つことは、企業の責任でもある

ニトリ 働く覚悟がないまま就社してしまうようり、むしろ良いのではないか

マイナビ 悪いとは思わないが、しつこいのもどうかと・・・。別の企業、業界に視野を広げて活動した方がよいと思う



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